20090930
■[雑文]バイト始めようと思ってる人とか始めてまもない人向けのなんか
なんかってなんだよなんかって。あいかわらずてきとうだな。
まあ、例によって例のごとく、仕事終わったあと、ついったーでだらだらしてたら「コンビニでバイトを始めて3日目の自分にアドバイスを」というリプライをもらいました。まあ3日目の人あて限定でエントリ起こしてもよかったんですけど、なんか無駄に限定的でなんだかわかんない感じになりそうなので、ここでは広く「コンビニでバイトしようと思ってる人へ」あるいは「現にやってるんだけどなんかすげえつまんねーんすけど」という人向けのエントリを書こうと思います。あるいはもうちょっと視野を広げて「これからバイトしようと思ってる人」とかにあてたメッセージでもいいかなと思った。
ベースとなるのは、ふだん新人研修で自分が言ってることです。あとは「こんなバイトだったら俺は助かる」というのをそれに付加してみる。ちなみに俺の新人研修は、机に座って仕事について語るだけで2時間経過するっていう拷問っぽいものです。俺がしょうがっこう2ねんせいのおんなのこのてんちょさん代理だったらむしろ俺がバイトになって叱られたい。おまえ言ってることめちゃくちゃだ。
さて、バイトっていってもいろいろありますけど、俺は死体洗いとかはやったことないし、新聞配達のバイトもやったことないので、きっと日本中の新聞配達店にはかわいい中学生とか小学生の代理とかいるって信じてますが、とりあえずはコンビニのバイト限定で話を進めていきます。
まず最初に考えておいてほしいのは、あなたが「仕事を通じてなにかを得たい」と思ってるか、あるいは「楽しててきとーに金稼げればいい」と思ってるか、さらには「バイトを通じて友だち増やしたい、彼女作りたい」とか思ってるか。あるいはコンビニの制服着てると性的に興奮するとかまあ、人によっていろいろ動機は考えられるんですが、とにかく動機を明確にすることです。この場合の動機は別に面接のときに話す用じゃないです。「実際にバイトするうえで」「ほかならぬ自分が」「どんなふうにするのがいちばん快適か」ということです。
個人的には「ヒマだしごろごろしてるよりバイトしてるほうがまだマシ。だから楽なほうがいいし、時給安くてもいいからとにかく面倒なのやだ」というのはアリだと思うんです。ただし、それを許容してくれる職場を選ばなきゃいけない。
コンビニに限らずですけど、職場、特に個人事業主がやってるところなんて経営者なりですから。一見チェーン店でどこでも一緒、と思えるコンビニでも細かく見れば個性はあります。個性っつっても俺から見ればたいていの店は「てめえの店はやる気ねえからうんこだ。よっていまから俺が売場のまんなかでクソする。しかも俺は今日、腹の調子が悪い」というレベルに見えるわけですが、なんかそこまで最悪の比喩使わなきゃいけない理由あるんですか?
いやまー、そんな自信過剰な俺の評価はどうでもいいんですが、実際にバイトを始める前に、職場をよく見るってのはかなり重要です。できれば朝、昼、晩、のすべての時間帯を見るのがいいと思う。特に自分の働きたい時間帯を中心に。以下、俺の苦手な箇条書きで見るべきポイントでも並べてみます。
・バイトが楽しそうに働いているか
これいちばん重要です。ただ「楽しそう」にも二種類ある。バイトどうしが楽しそうにしゃべってて、仕事してなくて「楽しそう」なのか。あるいは仕事そのものに充実感があってそれゆえに「楽しそう」なのか。
前者については、人間関係についてはかなり濃密なものが形成されてると思っていいですけど、その分、内部に入ると面倒な思いをする可能性があります。あと、そうした職場って楽で楽しそうなんですけど、大きな落とし穴があって、基本的に「仕事するため」ではなくて「時間潰すため」に店にいるために、なんかこう強制的な仕事が降ってきたときに、すべてが「クソめんどくせー」って感じられて、仕事そのものに対するストレスはあんがい大きい、というのがあります。バイト経験者の方ならみんな覚えがあるでしょうけど、具体的には最後の10分が異常に長い。拘束時間をどうやって潰すかというのがメインのテーマになります。
後者については、その仕事に向いてないと、そもそも残れるかどうかがわからないってのがあります。仕事が充実してる、一生懸命やってて楽しいっていうのは、つまりそれなりのものを店の管理者から要求されている、ということです。仕事がきつい、要求基準が厳しいっていうのは、それだけで非常に敷居が高いです。うちで、高校生限定でいうと半年での定着率は2割くらい。一般的には5割くらいっていわれてますから、それだけやめてく人が多いということです。
・職場をよく見る
見るべきところは、便所、店の裏側(整頓されてるかどうか)、商品が動かない棚(シャンプーや調味料あたり)の後ろ側にホコリが溜まっていないかどうか。あと陳列が美しいかどうか。このへんがよくできてる店は、たぶんやる気のない店と比較して相当に要求基準が高いです。
ただ、やる気のない店は新人研修がてきとーなことが多く、レジの打ちかただけ教えられてはい放置、みたいなパターンがけっこう多い。実際に仕事するうえでは「まわりの空気読め」的な要素が多く要求されます。
要求基準が厳しく、売場の完成レベル、接客レベルが高い店はだいたい研修や教育が丁寧です。そうでないとバイトが高いレベルの仕事をしてくれるはずがないからです。仕事全般がシステム化されている、ともいえます。
このへんは向き不向きですね。
・忙しそうかどうか
当然ながらお客さんの多い店は忙しい。忙しいのは仕事きついような感じですけど、必死になっててなんだかわかんねーうちにいつのまにか仕事終わってたりするので、そう悪い条件でもないです。ヒマ疲れって言葉がありますけど、ヒマでやることないほうがかえってだるい、という人はあんがい多いです。個人的には7割くらい行くんじゃないか、ってくらい。
混雑してる店かどうかを判断するためには、午後5時くらいに弁当の棚を見てください。そこで弁当の総数が50個くらいあるとかなりやばい。ざっと言って、ですけどね。うちみたいに20個くらいしかなくて、お客さんあんまり多くなくても、揚げものとおでんの販売で地獄のような目に遭う店もありますから、まあいちがいに断言はできないですが。つーか朝に俺が地獄見てきたよ! 急に気温下がったらおでんが……おでんが……。
お客さんが多いかどうかは店のレベルとは直結しません。場所がよければそれだけで繁盛店になる可能性は高いからです。立地だけで食ってる店くたばれ。だから随所に私怨混ぜ込むのやめるんだ俺は。
店の完成レベル、客数なんかは小売でしか通用しない概念ですけど、バイトがいきいきしてるかどうかはわりと見れる部分ではありますね。基本的には「従業員どうしでやりとりしてるとき」よりも「接客してるとき」のほうが笑顔が少ない職場は、あんまりやかましく仕事させられてない傾向はあると思う。
さて、そんでもって実際に仕事を始めました。
あるいはすでに始めてしまっている人。
その仕事に、あるいは職場に慣れられるかどうかっていうのは、続けられるかどうかの大きな境目なわけなんですが、俺がバイト始めた人に推奨したいのは、まず「見る」ことですね。観察すること。仕事をしている人はどんな動きをしているのか、なんのために動いているのか。だれがどんな役割を果たしているのか。実際、伸びやすい人ってこの観察眼が優れてることが多いです。その観察眼を自分にフィードバックすれば「自分がなにを期待されているのか」がわかります。接客の場合は、究極的には「客が店に求めてること」を自分の仕事に反映するのがベストなんですが、そんなもん慣れないうちはわかりませんし、慣れたところで経営者自身がほんとうの意味ではそれを理解してないこともままあります。あるんだよ。うちの競合のセブンとかさ。チェーン力と店歴の古さだけで客来やがんだよ畜生。
とまあ、実際のところ「なにを期待されているのか」は観察だけではわからないことが多々あります。そういうときは質問すりゃいいんです。教える人っていうのは多くの場合(もちろん例外はあるでしょうけど)、質問されることをうざくは思いません。教える人にとっていちばん怖いのは「理解されてなくてミスされること」です。あれはほんとこええ。
自分が相手の要求していること、教えていることをはっきり理解しているかどうか。理解している、というのは「ああ、なるほどね!」という感覚が必ずあるはず。実際に自分がそれを再現できるかどうかはともかくとして「理解」という感覚はあるはずなんです。なにごとかを教えられたときには「つまり、こういうことですか?」と自分なりに相手に説明してみるといいです。それをうざがるような人間がいる職場は本格的にやる気ないです。とっとと空気読んでてきとーに仕事してるふりするほうが賢明です。そういう場所では「おまえがんばりすぎんなよwww」っていう同調圧力がかならず存在するはずですから。
仕事そのものに慣れることは「教える人の言っていることを理解するように努力すること」「理解したことを相手に確認すること」「実行したうえでなんかいまひとつわかんねーと思うことがあったら、もう一度教える人に確認すること」の繰り返し。教えかたがしっかりしてる職場なら、こうしたことは教える人がやってくれるはずですが、教えられる側にもその自覚があればなお能率は上がります。
あと、バイトを始めてまもない人、これから始める人に強く言っておきたいことがある。
ミスは2種類あります。
いままで3桁の数のバイトを見てきて、やっぱり「ミスすること」を恐れる人はかなり多いです。そらまー、ミスをやらかせばかならずだれかに迷惑はかかるわけですけど、ミスでいちばんやばいのは「一度は聞いたことがあるはずのことなのに、ミスってしまった」という事実そのものです。つまり「おまえなんにも聞いてなかったろ」と言われてしまう。信用をなくす、ということです。この手のミスはまずい。やる前に不安があったら、だれかの仕事を邪魔してでも質問したほうがいい。ただしそうしたからには「次からはぜってー完璧にする」という意志を持つことです。
もうひとつ。「わかっていたはずなのにやってしまった」系のミス。こっちはもう、人間なんでどうしようもないです。やれることは「次からは同じミスを繰り返さない」ということ。実際のところ新人のミスなんて勉強料くらいに思ってる経営者は多いはずです。自分だけで同じミスを繰り返さないようになる自信のない人は、教える人や立場が上の人に「このミスをなくすためにのいい方法はないか」と相談すること。なんか「このミス」って別のもの連想させるな。
先輩や上司というのは、必ずしも素晴らしい人間とは限らないし、仕事において絶対に頼りになる存在ではない(そうであることが望ましい)けど、でもこれだけは絶対にいえます。「職場がトラブルを起こさないという目的のためなら強力な味方」です。だれだってトラブルはいやですから。もちろんこのことは、職場の理想が高ければ「よりよい仕事をするための味方」ということになるわけだけど、現実的にコンビニのバイト程度じゃ悲しいかな、そこまでは期待できない。あくまで最低限「厄介ごとを引き起こさない程度の協力を期待できる」程度の味方です。
さて、ここまであくまで「現実的」な話を書いてきました。
ここまでだけ読んでると「つまり空気読んでてきとーに合わせろってことかよ」といわれてもしかたない。そして現実的にその程度の職場は数多く存在する。バイトに金以外のものを求めないのなら別にそれでもいいと俺は思うんです。
でもそうじゃないとしたら。たとえどんな仕事であっても金もらってやる以上それなりのことはしたいし、自分にとってプラスになるものも仕事から得たい。もしそう思ってしまったときに、じゃあコンビニとかファミレスとかの入門的な仕事って意味ないんですか、と問われれば、俺は決してそうではない、と答えることはできます。度を越してレベルの低い職場は別。たとえば店の在庫のジュースをタダで飲むのが日常化してるような店とか。
でも、小売や接客に限っての話ですけど、必ず「客」ってのがいるんですよ。客が喜ぶようにすること、自分の知ってる仕事の範囲で小さな「最高レベル」を追求すること、そしてそれが実際にどういう成果をもたらしたのかを確認すること。たとえば自分がバイトに入ってるあいだヒマでしかたなくて、集中的にパンの陳列だけ美しくしたとしますよね。それを1ヶ月繰り返してみて「こんなことやってたんですが、パンの売上に変化ありましたか?」と質問されて嬉しくない経営者はいないと思う。それに答えてくれない経営者だったら店のまんなかでうんこしてばっくれるべき。そいつクソだから。
もちろん、がんばって仕事をした場合に、経営者なり管理者なりから「あいつ仕事やるからどんどん押し付けようぜ」と便利なヤツ扱いされる可能性は高いです。もしそういう雰囲気があったらその職場はしょせんその程度なので、とっとと手抜くべきですね。自発的にやるやつに雑用押し付けるのは最終的に店にとって損。自発的にやる意識の高いやつには、だれでもできる通常業務なんかやらせないで、頭使うめんどくさい仕事を押し付けて集中させるのが賢いやりかただと俺は思う。もちろんその分は時給で応える。
逆にいえば、自発的に仕事してもそのことにだれも気づかない、時給で評価されないどころか、かえって雑用が大量に増えるみたいな職場だったら、その職場はがんばるに価しない。増えてしまった雑用をこなせないことに責任を感じてしまう、本来的に有能な人っていうのはたまにいるんですが、そういう人にはぜひ伝えたい。それはあなたが悪いんじゃない。てきとーな人の使いかたしかしねー経営者がクソなんだよ。
長々と書いてきました。3行でまとめます。あなたは仕事でがんばりたいですか? がんばるとして、その職場はあなたを評価してくれますか? がんばりたくないなら、それを許容する職場ですか? 職場と相性悪いことはやらないほうがいいです。以上。
蛇足。書いててなんかすっきりしないものを感じたので、後日に理想論のほうでもエントリにしてみようと思います。現実はそうなのかもしんないけど、それでいいのかよ、ってこと。自分が自信をもって言える範囲で。