北九州市は30日、市立八幡病院(同市八幡東区)の臨時職員の女性看護師(31)が季節性インフルエンザの予防ワクチンと注射器を病院から持ち出し、親族2人に接種していたと発表した。市は雇用契約が切れる同日付で看護師を懲戒処分(戒告)し、看護師は退職した。
市病院局によると、看護師は2006年11月、ワクチン入りの瓶(1ミリリットル)と注射器各1本の一式を2回持ち出し、自宅などで夫と義母に接種。「子どもがインフルエンザにかかったときに、夫や義母がかかると面倒を見るために自分も仕事ができなくなるのでやった」と話したという。
今年8月に匿名の電話があり発覚。市は医師の指示を受けていない医療行為が「保健師助産師看護師法」に抵触する恐れがあるとして、厚生労働省にも報告した。
30日に記者会見した米丸正義市病院局次長は「信用失墜行為で、申し訳ない」と謝罪した。
=2009/10/01付 西日本新聞朝刊=