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らくらくホン10年、進化続ける簡単さ ニーズがっちり

2009年7月29日

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写真らくらくホンのCMに出演する女優の大竹しのぶさん=28日、東京都内

 NTTドコモのシニア向け携帯電話端末「らくらくホン」シリーズが、誕生から10年となる。はやり廃りの激しい携帯市場では、異例のロングセラーだ。高齢者にも使いやすいように、端末を進化させてきたことがヒットにつながった。今後も買い替えが見込めるため、携帯業界の開発・販売競争も過熱している。

 28日に発表した「らくらくホン6」はシリーズ16代目。防水・防じん機能を初めてつけた。最近増えている園芸・ガーデニングを趣味にする高齢者や、農林漁業で働く人の要望に応えた。ボタンを押さずに話すだけで簡単にメールが作成できる機能や、ワンセグ機能も加えた。8月7日から販売する。

 99年10月発売の初代は松下通信工業(現パナソニックモバイルコミュニケーションズ)が手がけたが、01年の2代目以降はほとんどを富士通が開発した。大きな文字や押しやすいボタンの形に加え、通話を聞きやすくする音声技術など、モデルチェンジの度に機能を充実させている。

 販売台数は順調に伸び、今年6月までのシリーズ累計販売台数は1587万台。友人や家族から勧められたり、贈られたりするなど口コミでの浸透が目立つのが特徴という。ドコモの永田清人プロダクト部長は「らくらくホンは、日本のシニア層に育ててもらったブランド」と話す。

 総務省の調査によると、携帯・PHS利用率は60代後半で5割超、70代で4割にのぼるなど、携帯は「必需品」。高齢化時代の進展にあわせ、ライバル各社もシニア向け携帯の拡充や顧客の囲い込みに必死だ。

 KDDI(au)は05年にシニア向けの「簡単ケータイ」シリーズを発売。今年8月には「歩数計」の機能がついた新機種を投入する。ソフトバンクは08年に「かんたん携帯」を投入したが、ドコモから「デザインなどが、らくらくホンと酷似している」と製造・販売の差し止めを東京地裁に求められるなど、出ばなをくじかれた。

 シニア向け携帯市場について、MM総研の横田英明アナリストは「今後、現役時代に携帯に親しんだ団塊世代の退職が本格化する。彼らが求める端末の開発が携帯各社の生き残りのカギになる」と話している。(岡林佐和)

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