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中医協、診療報酬改定めぐる議論開始

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 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は9月30日、来年度の診療報酬改定をめぐる議論をスタートした。厚生労働省側は、「周産期医療体制の確保」と「円滑な救急医療体制を構築するための救急医療機関への支援」に関する論点を提示。周産期医療体制では、産科合併症以外の合併症のある妊婦の受け入れに対する診療報酬上の評価などを検討課題に位置付けた。また、2008年診療報酬改定の議論では、改定前年の10月から週2回中医協を開催していることから、厚労省は今回も同じペースで検討を進めたい考え。

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 周産期医療の論点として厚労省側が提示したのは、合併症のある妊婦の受け入れに対する診療報酬上の評価以外に、▽NICUへの診療報酬上の評価▽ハイリスク分娩管理加算の要件−など5点。
 一方救急医療では、▽救急医療機関の救急搬送の受け入れ実績などに応じた評価▽地域の搬送・受け入れルールに従って救急搬送を積極的に受け入れる医療機関の評価▽危機的な状態を脱した患者が、救急医療機関から他の病室などへ移行するよう結び付けるために行う、医療機関の役割に応じた患者の紹介などについての評価−の3点を挙げた。

 この日の基本小委では、制度上・予算上の措置を含めた全体的な施策を固めた上で診療報酬上の措置を話し合うべき、との意見が相次いだ。

 厚労省側は、産科や傷病者の救急搬送で病院側が受け入れ困難なケースは、岩手や宮城のほか東京、大阪、神奈川など大都市圏でも多いとする資料を提示。その上で同省保険局の佐藤敏信医療課長は「単純に医師や医療機関を増やすことでは(問題解決は)難しい。診療報酬だけでこうした問題を解決することは難しい」と繰り返し指摘した。

 診療側では、竹嶋康弘委員(日本医師会副会長)が、「こういう問題を議論する中で、診療報酬だけでは無理」と述べたほか、西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も、「診療報酬で(評価して)みても、体制の整備ができていないと何も意味がない。中医協の限界もある」と述べ、社会保障審議会で医療提供体制を話し合う必要性を強調した。
 支払側の小島茂委員(日本労働組合総連合会総合政策局長)も、「診療報酬改定に向けての基本方針の中で課題にどう回答していくか全体的な方向性を示していただいて、その中で担うべき診療報酬の役割がきちんと整理されれば、中医協の議論がもっと建設的で前向きになる」と述べた。
 また遠藤委員長は、「改定率が分からない段階から(基本小委で)議論をしていることは、極めて不確実性が高い」との認識を示した。

■基本小委、初のヒアリング実施へ
 
この日はまた、周産期、救急医療の状況を把握するため、医療関係者からのヒアリングを遠藤委員長が提案し、了承された。遠藤委員長は実施に向けて、「現実に起こっている生々しいことがわれわれの認識としてあれば、具体的に何をすればいいかにつながってくる」と述べた。出席者の人選は遠藤委員長に一任された。患者代表の参加も視野に検討する。厚労省は医療関係者へのヒアリングについて、「中医協基本問題小委では、おそらく初めてのことになる」と話し、できるだけ早い時期に実施できるよう調整を進める。


更新:2009/09/30 21:05   キャリアブレイン

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