川上氏 土井氏“イチロー外し”真相語る

　巨人Ｖ９時代の名二塁手として活躍し、２５日にすい臓がんのため死去した土井正三氏（享年６７）の告別式が２９日、東京・大田区の池上本門寺で営まれ、弔問客、ファンら６００人が最後の別れを惜しんだ。

　２年７カ月の闘病の末旅立った土井氏の棺（ひつぎ）は、柴田勲氏、堀内恒夫氏らＶ９戦士の手によって運び出された。当時の監督だった川上哲治氏は弔辞の中で「長嶋や王が気の抜いたプレーをすると、真顔でかみついた。君なくしてＶ９はあり得なかった」と功績をたたえた。さらに「君の名誉のために言っておきたいことがある」と、オリックス監督時代にイチローに２軍行きを命じた真意は、野球がチームプレーであると教えるためだったと、土井氏から聞かされていたことを明かした。

　野球を離れれば家族思いの良き夫、良き父だった土井氏。０７年の手術前に宣子夫人に書いていた「必ず笑顔で生還する。ありがとう。愛してる」という内容の手紙を長男の健一さんが朗読すると、すすり泣きが漏れた。