クリントン氏への大口献金者に禁固２４年　ＮＹ連邦地裁

　【ワシントン＝山本秀也】ニューヨーク連邦地裁は２９日、架空の投資話で資金を集めては、上院議員当時のクリントン国務長官に巨額の政治献金を繰り返した中国系ビジネスマン、ノーマン・シュー被告に対し、禁固２４年４月の実刑判決を言い渡した。シュー被告の弁護人は、判決を不服として控訴する方針を表明した。

　シュー被告は６０００万ドル（約５４億円）を投資家からだまし取った詐欺罪などで起訴され、今年５月に有罪評決を受けていた。判決公判で、同被告は「関係者の方々におわびしたい」と述べたが、クリントン氏ら民主党議員への巨額献金については、背後関係の有無にまで踏み込むことなく１審を終えた。

　シュー被告は２００４〜０７年の間、大統領選出馬をめざしたクリントン氏の大口献金者となるなど、民主党内に強い人脈を構築した。その後、詐欺行為による資金集めや献金方法の不正が表面化したほか、カリフォルニア州で別の事件で有罪判決を受けて逃亡中だったことなどが判明し、連邦捜査局（ＦＢＩ）に身柄を拘束されていた。

　検察側は禁固３０年を求刑。被告側は詐欺行為を認めたものの、犯行金額をめぐる事実認定で、連邦地裁の判決に誤りがあるとしている。