元財務官で国際通貨研究所理事長の行天豊雄氏(78)が29日、財務省の特別顧問に就任した。藤井裕久財務相の意向で設置が決まった非常勤のポストで、国際金融や為替市場の動向について、財務相に政策面でのアドバイスをする役割が中心になる模様だ。
行天氏は同日、記者団に対して、「財務相からは、私の海外の人脈を活用したいと話があった」と説明した。最近の為替相場については「円が急伸したわけではない。特に大きな混乱が起きているとは思わない」と述べた。鳩山由紀夫首相がアジア共通通貨を構想していることには「非常にいいアイデアだ。実現には長い道のりが必要だが、日本の首相がそういう構想を提唱した意味は大きい」と評価した。
行天氏は55年旧大蔵省に入省。85年のプラザ合意時の国際金融局(当時)長。藤井財務相とは旧大蔵省の同期。【斉藤望】
毎日新聞 2009年9月29日 21時17分