大川わたり 原作=山本一力
錦織一清 待望の中日劇場で初座長
公演! 10月3日から25日
【社会】死因めぐり2カ月安置 手術後死亡の1歳男児2009年9月30日 朝刊 名古屋大病院(名古屋市昭和区)で胃の手術を受けて死亡した中国籍の男児=当時(1つ)=の遺族が手術などに不信を抱き、「第三者機関の解剖で死因を調べてほしい」と訴え、遺体が2カ月半も院内に安置された状態になっている。名古屋市健康福祉局は「火葬や埋葬まで期限はないが、病院でこれほど長く保管した例は聞いたことがない」という。 遺族と病院側によると、男児は、名古屋市中区の中国籍の夫婦の長男で、今年3月、ぜんそくに似た症状で同病院に入院。胃液の逆流で食道や肺に炎症が起きて肺高血圧症を引き起こしていると診断された。7月13日に胃の位置をずらす腹腔(ふくくう)鏡手術を受けたが、15日になり容体が急変、心拍や血圧が低下して死亡した。 病院側は7月末に院内検討会を開き「医療過誤は指摘できない」と報告。ただ、手術の危険性について事前説明が不十分で、唯一の小児循環器専門医が手術翌日から出張するなど、術後の管理が万全でなかったことは遺族に謝罪した。9月中旬には名古屋簡裁に和解調停を申し立てた。 一方、遺族側は男児の体力が弱ったまま手術に踏み切ったことなどから「医療過誤の可能性が高い」と主張。病院側から死因究明のため病理解剖を求められたが、「病院は信用できない。第三者機関に遺体を調べてもらい、遺族や専門家を交えた会議を開いてほしい」と訴えている。 愛知県では実際、日本内科学会が中立的に死因を調べる「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」が実施されている。ただ、同病院は「医療事故ではないので事業の対象外」と判断し、依頼しなかった。病院側はその一方で同県医師会などを通じて病理解剖の引受先を探したが、見つからなかった。 遺体は傷みを防ぐため、院内霊安室の冷蔵庫内で最低の2度で保管。病院側は「細菌が増殖する恐れがあり、衛生的に良くない。死後1週間以上たてば病理解剖の意味がない」と困惑。2室ある霊安室の1室を占め、支障が出ているという。病院側は引き取りを求めて内容証明郵便を遺族側に送付したが、遺族側は応じていない。
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