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【コラム】G20開催が恥ずかしい法律順守意識の低さ(上)

 鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相の任命動議案が紆余(うよ)曲折を経て国会で可決された。舌戦が続いた人事聴聞会をめぐる政局は一段落したが、苦々しい余韻が残る。首相、閣僚候補の法律順守成績表を見ると、偽装転入は基本で、二重契約書の作成、所得申告漏れ、脱税、論文の重複掲載、兵役逃れなどあらゆる違法、反則が並ぶ。最優秀評価が並ぶ成績表を期待するわけではないが、国民の平均点にも満たない成績表には大きく失望させられる。韓国社会の慣行となっている部分もある上、職務遂行に支障がある重大な欠格事由ではないかもしれないが、法律と規範を守る上で模範を示すべき社会の指導層の身の処し方としては明らかに問題がある。

 聴聞会の話に埋もれてしまったが、苦々しい話がもう一つある。8月15日(光復節)の特別赦免で飲酒運転の前科者が一括赦免の対象となった。このうち17人は、赦免された翌日にすぐ飲酒運転で警察に捕まった。その翌日には24人が検挙されるなど、赦免されるや飲酒運転で捕まった、面の皮が厚い人が1カ月で643人に上ったという。警察にばれずに飲酒運転に及んだ前科者はどれだけいるだろうか。

 二つの話を総合すると、一つの結論に達する。「大韓民国は今、社会の指導部から一般国民に至るまで、法律順守意識を欠いている」ということだ。法律をつくる国会からしてハンマーや電動のこぎりが登場する違法行為、反則、暴力で先頭に立ち、「暴力議会」では世界に冠たる状況だ。違法ストライキ、暴力デモに明け暮れる強硬な労働組合が大韓民国の同義語になって久しい。

李濬(イ・ジュン)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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