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小児科医(園医)下村先生Q&Aシリーズ保存版

最近の医学雑誌から、
お母さん方に知っておいてほしいあれこれ

<1.小児用冷却貼付剤の効用について>
(東京女子医大 社本奈美 著より引用)


全額部に貼る市販の冷却貼付剤の解熱効果と、貼った時の心地よさ-リラックス効果について検討しています。

<対象と方法>

小児科に入院中の患児15人に、右額と右わきの熱を測ると同時に心電図を記録。連続0・5℃の体温の下降をみた場合を冷却効果ありとしています。心電図の独自の解析から、自立神経系に及ぼす影響を評価しています。

<結果>

全例において有意な解熱効果は認められませんでした。
・冷却貼付剤使用後、平均3・4分に最初の副交感神経緊張状態のピーク(リラックス状態)があり、最高値は平均27分。リラックスにいたる速さは、平均2.9分に最初のピーク。冷却貼付剤の効果は比較的はやい時期に出現することがわかりました。

<考案>

発熱のため体力の消耗が著しい場合には適切に解熱剤を使用すること、体温の上がりかけの悪寒している時期を越えたら、熱を逃がすために薄着して従来のように体の中心部(わき、首まわり、背中など)を氷などで冷やし、十分な水分補給を心がけることが必要です。
冷却貼付剤の効能として、長時間の冷却効果をうたわれたものもあり、その簡便さから、額に貼っているだけでそのほかの対処がおろそかになっているような傾向もみられます。一方、リラックス効果は期待できますので、発熱にともなう不快感を軽減するものとしての効果はありますので、他の発熱時の対処法と併用する ことで、冷却貼付剤の使用も意義あるものと考えられます。

<2.今、子どもの口・歯・顎はどうなっている>
(新潟大 野田 忠 著より引用)

<夜の飲料摂取は虫歯のもと>


イオン飲料は小児科で勧められることで体に良いイメージがあり、小児科医が予想していない、ひどい虫歯の原因になってしまうことがあります。 熱発などのときの水分補給に限定して下さい。

<子どもの顎は小さくなっている?>

現代の子供の方が身長も伸び、顎顔面頭蓋も大きくなっています。最近の子どもは柔らかいものを食べているので、顎の発達が悪く、歯並びの悪い子が増えたという俗説によって、子どもに無理やり硬いものを食べさせようとする弊害もでました。離乳期の子どもが食べられない硬いものなど、発達を無視した食べさせ方には問題があります。

<歯の外傷の治療は変わってきました>

小学校低学年で、永久歯が折れた場合、まだ形成途中の歯根の完成を第一に考え、歯髄の露出部分を保護する処置をします。

抜け落ちた歯の応急処置」は、歯の根を触らないようにそっと水で10秒くらい洗う。口はぬるま湯でそっとゆすぐ。歯を抜けた穴に戻す。きれいなガーゼをかませて、歯科医院へ。
その場で戻せない場合は、歯が乾燥しないように生理食塩水や牛乳の中にいれたり、唇の裏側へ入れて歯科医院へ。

<3.子どもの眠り>
(東京医科歯科大 神山 潤 著より引用)

<歯ぎしり>


正常な乳幼児の50%以上で見られます。10ヶ月頃からはじまり、小学生でも10〜20%に認められます。程度がひどいと、歯がすりへったり、顎関節に障害をきたすこともまれながらありますが、たいていの場合は様子を見ていて大丈夫なことが多いようです。

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