「混合診療」訴訟 東京高裁、1審の男性勝訴の判決を取り消し男性の請求棄却
健康保険法に基づき、保険が適用される診療に、適用されない自由診療を加えて受けると、保険適用診療まで含め、医療費が全額自己負担となるのは違法だとして、がん患者の男性が国を訴えた訴訟で、東京高等裁判所は、1審の男性勝訴の判決を取り消し、男性の請求を棄却する判決を言い渡した。
がん治療を続けている清郷伸人さんは、健康保険が使えない免疫治療を受けると、「混合診療」と見なされて、保険が使える分も含め、治療費がすべて自己負担になるのは不当だと提訴していた。
1審の東京地裁は、混合診療を認めない国の政策には法律の根拠がなく、違法だとする判決を言い渡し、国側が控訴していた。
29日の判決で、東京高裁は「混合診療については本来、保険診療に相当するものも含めて、すべて『療養の給付』にあたらず、保険給付を受けられないと解すべき」だとして、1審判決を取り消し、男性の請求を棄却する判決を言い渡した。
清郷さんは会見で、「がん患者に対し、責任を感じる。最後まで戦いたい」と上告する方針を明らかにしている。
(09/30 01:52)