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無題
Name としあき 09/09/28(月)21:23:12 No.2757870 del
ソ連では、工場の財産を労働者たちが勝手に盗むので、門では守衛がいる。 その守衛がある日、手押し車に袋を乗せて通り過ぎようとするイワンに目を呼び止めた。 「袋の中はなんだ? イワン」 「同志守衛、これは大鋸屑です。これを家のたき付けにしてよいと同志現場監督から許可を得ました」 だが守衛はイワンの言葉を信用しない。疑うことが彼の仕事だからだ。 「袋を開けろ同志労働者」 袋の中味が門前にぶち撒けられるが、そこには本当に大鋸屑のみが入っているだけだが、イワンが臭いと睨んだ守衛 は、次の日も同じ事を行った。 「今度は騙されん、開けろ!」イワンは袋を開くがやはり、大鋸屑以外なにもない。 三日、四日と、同じことが繰り返されるが備品は減り続けたとの報告を受けた。 七日目、ついに同志守衛は無能として任務を解かれシベリアで木を数える仕事をすることになった 最期の日、同志守衛は門の外でイワンに訊いた 「なあ同志イワン、お前が何かくすねてるってことは判ってる。だが、もうおれは守衛じゃない。 おれは誰にも言わない、だから、こっそり教えてくれ。一体何を盗んでたんだ?」 「手押し車」 |