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中日落合監督吠えた「CSは眼中になし」

不調の中田と話す落合監督
不調の中田と話す落合監督

 クライマックスシリーズなんていらない! 中日落合博満監督(54)が7月1日からの首位阪神戦を前に逆転優勝への自信を見せた。現在は6・5ゲーム差をつけられているが、指揮官は「完全優勝しか頭にない。優勝できる力があるチームにクライマックスシリーズはいらない」と言い切った。昨季は導入されたばかりのCSで2位から勝ち上がって日本一となったが、あえて、そのCSを不要と断言することで優勝への確固たる決意を示した。

 ポリシーは少しもぶれていない。落合監督の自信の前では、6・5ゲームという数字も小さく見える。阪神との直接対決を前に、指揮官があらためて開幕当初の目標を強調した。

 「オレの頭にはリーグ優勝して、日本一になる完全優勝ということしかないよ。クライマックスシリーズなんていらないよ」。

 逆転優勝への大号令。そのために引き合いに出したのが昨年から導入されたクライマックスシリーズ(CS)だ。「優勝できる力のあるチームにとってクライマックスシリーズはいらないな。あれがあることで余計な考えをしてしまうこともある。うちの選手はみんな『優勝しかない』と思っているだろうけど、人間だから心のどこかで考えちゃうものなんだ」。3位までが出場できるCSを否定するつもりはないが、それが「3位までに入れば…」という甘えになるのを恐れる。裏返せばそれだけ逆転優勝する自信があるのだ。

 今季、巨人の渡辺前オーナーが開幕からつまずいたチームに「2位か3位でいい。ペナントレースで優勝する必要は全くない」と発言して波紋を呼んだ。確かに6・5ゲーム差まで開けば2位以内を狙う心境になってもおかしくはない。さらに8月の北京五輪期間中には川上、岩瀬ら日本代表候補6人に加えてチェン、李ら最大8人が離脱する可能性がある。逆転への道のりは厳しい。

 だが、落合監督の姿勢は渡辺前オーナーとは対照的だ。「3位でいいというチームもあるだろうな。でも、そんなことありえないだろう!」。昨季はリーグ2位から導入1年目のCSを勝ち上がって日本一となった。だからこそ今年は完全制覇しかないのだ。

 谷繁に続き李も、この日1軍に合流したが、それでも開幕スタメンのうち井端と森野が2軍調整中。だが、7月中には当初のレギュラー8人をそろえることができるという確信もある。

 「ケガしているやつももうすぐ帰ってくるだろう。順番にな。試合に出られるようになったら言ってくるだろう。もうすぐみんな戻ってくるよ。今はその時にだれを(2軍に)落とすかで悩んでいるんだ」。

 7月に9試合組まれている阪神との直接対決へ向けて布陣も整いつつある。球団史上最大の逆転優勝へ。そう、CSなど頭にはないのだ。【鈴木忠平】

 [2008年7月1日11時3分 紙面から]


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