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【日々是世界 国際情勢分析】イラク 同性愛者殺害急増、治安が低下 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:宗教
マフディー軍は、2006年から07年にかけて最高潮に達した宗派対立で勢力を伸ばし、存在感は大きくなった。しかし、米軍の後押しを受けたイラク政府軍による掃討作戦を受けて、ここ1年ほどは目立った活動を控えていた。それが今年に入り、従来の敵である米軍や他宗派ではなく、同性愛者を攻撃のターゲットにし始めたのはなぜなのか。
HRWのラシャ・モウナ氏は今月9日付の米外交専門誌フォーリン・ポリシー(電子版)への寄稿で、「マフディー軍は威信復活のために、“道徳の守護者”としての新しい残忍な役割を担おうとしている」と分析する。つまり、イスラム教社会では建前上、タブーとされる同性愛から社会道徳を守る−との立場を取ることで、批判を封じ込め、影響力の増大を図るというわけだ。
マフディー軍の動きの背景には、来年1月に控えた連邦議会選挙に向けてサドル師派の存在感を高めたいとの思惑もありそうだ。
8月にヌーリ・カメル・マリキ首相(59)率いるダアワ党が連邦議会のシーア派統一会派から脱退したほか、シーア派の有力指導者、アブドル・アジズ・ハキーム師(59)が死去するなど、イラクの政局は不安定化している。今後もサドル師派がマフディー軍を使って揺さぶりをかける可能性がある。
「まるで魔女狩りだ!」
8月17日付の英BBC放送(電子版)は、あるイラク人同性愛者の悲痛な声を紹介している。
長髪が「女性的」だと拷問を受けたり、うその密告で殺害されたりするケースもあるという。選挙の重要な争点の一つである治安対策がなおざりにされたまま、権力者たちの政争は続く。
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