03/06/16 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会会議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 新開発食品調査部会会議事録 1.日時及び場所  平成15年6月16日(月) 午後1時30分〜5時15分  中央合同庁舎5号館19階 専用第24会議室 2.出席委員  池上幸江、池田義雄、井藤英喜、大野泰雄、上野川修一、斎藤衛郎、◎田中平三、  中澤裕之、米谷民雄、和田直江  (注)◎部会長  (参考人)  井上 達  国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長  菅野 純  安全性生物試験研究センター毒性部長  廣瀬雅雄  安全性生物試験研究センター病理部長  長尾美奈子 共立薬科大学各員教授  富永祐民  あいち健康の森健康科学総合センター長        財団法人愛知県健康づくり振興事業団 3.行政機関出席者  中垣俊郎(基準課長)、尾形強嗣(新開発食品保健対策室長)他 ○事務局  それではただいまから食品衛生分科会新開発食品調査部会を開催いたします。本日は お忙しいところ、御参集いただき厚くお礼申し上げます。  本日は□□委員、□□委員が御欠席とのことですが、過半数に達しており、本日の部 会が成立いたしますことを御報告申し上げます。  なお、□□委員におかれましては、15分ほど遅れるという知らせを受けております。  なお、本日の審議品目の関係で参考人にお越しいただいております。では、最初に御 紹介の方をさせていただきます。  国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長、井上達参考人です。  同じく、安全性生物試験研究センター毒性部長、菅野純参考人です。  同じく、病理部長でおられます廣瀬雅雄参考人です。  そして、共立薬科大学各員教授、長尾美奈子参考人です。  そして、あいち健康の森健康科学総合センター財団法人愛知県健康づくり振興事業団 の富永祐民参考人です。  では、初めに配布資料の確認をさせていただきます。  お手元の資料たくさんございましてわかりづらいかと思いますが、最初の資料1と書 いてございます「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会議事次第」 がございます。その議事次第に沿いまして、それが資料の1、そして特定保健用食品の 安全性及び効果の審査品目、3品目、安全性及び効果の審査を経ているものとする食品 についての報告の一覧表がそれぞれ次の資料2に書いてございます。そして既許可品と の対比表というような形で資料4、ちょっと前後しますが、報告品目一覧は資料3、そ れに対応した対比表については資料4というような形で整理をさせていただいておりま す。  それでは、お手元の資料を御確認いただきまして、何か不都合があることはございま すでしょうか。  あと、前の方に分厚い資料が置いてございますが、今回の諮問品目であります特定保 健用食品の審査申請書と、またそのほかの申請書にかかわる資料が御用意してあります ので、適時ごらんいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、□□委員、議事の方をよろしくお願いいたします。 ○□□委員  それではただいまより議事に入りたいと思います。議事の1番目にありますように、 特定保健用食品の安全性及び効果の審査を行うものが3品目ございます。2番目が安全 性及び効果の審査を経ているものとする食品についての報告が23品目ございます。議事 次第により、一番目から始めたいと思いますが、参考人に来ていただいておりますの で、まず最初に「エコナマヨネーズタイプ」について審議をしたいと思います。  申し合わせに基づきまして、申請資料に対する委員の関与について事務局で確認いた しましたところ、該当なしということでございます。この品目については、調査会にお きまして、安全性、有効性について審議したところでありますが、全国マヨネーズ協会 や一般の方から、委員や事務局あてに慎重な審議を求める趣旨の要望書が寄せられてお ります。今回は安全の問題について、特に念のため厳格に審議することとし、専門家の 先生に参考人としておいでいただいたところでございます。  まず、概要について事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局  それでは事務局の方から、この許可申請にかかわる申請について御説明させていただ きます。  資料の方は、お手元にある「エコナマヨネーズタイプ申請資料概要版」というブルー の薄いファイルを中心にお話をさせていただきたいと思います。それにかかわる資料に つきましては、こちらの方に立ててございます「エコナマヨネーズタイプ特定保健用食 品審査申請書」というものについて資料がついてございますので、こちらの方も御確認 しながら御説明していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  その他の資料といたしましては、もう一部「エコナマヨネーズタイプ指摘事項回答書 」というA4のフラットファイルがございます。水色のファイルですね。「平成15年5 月」というふうに書いてあります。そういったものを中心にお話をしていきたいと思い ます。この「エコナマヨネーズタイプ指摘事項回答集 平成15年5月」というものは、 先ほど部会長からも御説明がありましたいろいろな要望等を踏まえたものに対する回答 となっております。そして、この回答にかかわる引用文献につきましては、大変恐縮な んですが、先生方の机の後ろの方に細かい資料等はございますので、またそのときに随 時ごらんいただきたいと思います。ちょっと机が大変狭くて御苦労をかけますが、よろ しくお願いいたします。  それでは、審査申請書概要版をごらんいただきまして資料の説明をいたしますので、 よろしくお願いいたします。  審査品目「エコナマヨネーズタイプ」は、体に脂肪につきにくいのが特長とすること を表示するジアシルグリセロールを関与成分とした食品でございます。許可を受けよう とする表示の内容は、概要版のイの表示見本をごらんいただきたいと思います。そこに 「エコナマヨネーズタイプは、ジアシルグリセロールを主成分としているので、一般の マヨネーズと比較して、体に脂肪がつきにくいのが特長です。特に、体脂肪が気になる 方におすすめします」という食品です。この関与成分は、既に許可を受けておりますエ コナクッキングオイルを関与成分とした食品でございます。既許可の関与成分ではござ いますが、摂取形態がマヨネーズという新しい形態になっておりますので、今回は諮問 品という扱いになっております。  それでは資料の15ページの方をごらんいただきまして、このジアシルグリセロールの 作用機序については、15ページにありますように、関与成分がジアシルグリセロールの 働きにより血中中性脂肪が上昇しにくく、体に脂肪がつきにくいというものでございま す。簡単にまとめてある作用機序につきましては、15ページの長四角の中に囲ってある ところでございます。その部分は御確認いただければよろしいかと思います。  こういった作用機序に従い、体に脂肪がつきにくい効果を示すこととして、概要の19 ページにございますヒト試験によるものがここに掲載されております。簡単に御説明し ますと、実験方法といたしましては、 1日当たり摂取目安量である15グラムのエコナマ ヨネーズタイプを16週間摂取し、4週毎に身体測定と腹部CT断層撮影を行ったという ものです。対象としては、脂肪酸組成を合わせたTGで調整したマヨネーズを用いて二 重盲検並行法によって試験したということでございます。  その結果は対照群と比較した結果、試験期間を通じて、腹部断面積、全脂肪面積、内 臓脂肪面積、それとウエスト/ヒップ比という形のものについて有意な低下が観察され たという内容でございます。したがって、こういう結果を踏まえまして、今回許可を受 けようとする表示の内容を訴えるものでございます。  作用機序と有効性については、こういったヒト試験を中心にこの表示許可を求めてい るものでございます。  続いて安全性でございますが、安全性については、21ページをごらんいただきたいと 思います。安全性につきましては、関与成分ジアシルグリセロールの安全性について述 べているところです。最初の(1)関与成分ジアシルグリセロールの安全性というところ がございますが、そちらのところでは、主に食経験について述べております。(2)につ きましては、ジアシルグリセロールを主成分とする油脂の安全性といたしまして、変異 原性試験、急性毒性試験、亜急性毒性試験等を行い、いずれも、その試験においては毒 性は見られておりませんでしたというような報告の内容となっております。  そしてさらに、22ページをごらんいただきたいんですが、22ページにおきましては、 既に許可されておりますエコナクッキングオイル等の使用実績から説明しているところ でございます。発売以来、苦情等の相談件数がなしということではありませんが、エコ ナクッキングオイルと密接に関係するものは認められていません。さらに、このような 安全性に関するモニターは今後も継続していくという資料がNo.2-9というような形で報 告をしていただいております。  そして22ページの上から6行目あたりのところには、エコナマヨネーズが販売される ことについて、既に売られているエコナクッキングオイルとエコナマヨネーズタイプの 両方を使用した場合の食事中に占めるジアシルグリセロール含量の増加が起こるという 観点から、安全性の試験について、1日に体重60キログラム当たり30グラムのジアシル グリセロールを主成分とする油脂を12週間摂取する長期の安全性試験もやられておりま す。これについても、資料No.2-10 、こちらの立ててある方の資料でございますけれど も、こちらの報告から問題がないということで確認をされているところでございます。 さらに、普段の食生活で自由に、ジアシルグリセロールを主成分とするものについて は、9か月を摂取した試験とか、普段の食生活でとられて、20グラムのジアシルグリセ ロールを主成分とする3か月の摂取試験については、それぞれ2-11、2-12で安全性に問 題がないというような形で報告をいただいているところでございます。  以上の内容を簡単に説明させていただきました。よろしく御審議のほどお願いいたし ます。 ○□□委員  それでは、エコナマヨネーズタイプにつきましては、申請以来、長期間にわたり審査 を調査会においてやっていただきました。第一調査会での議論の詳細を□□委員より説 明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○□□委員  遅れまして申し訳ございません。  マヨネーズタイプのエコナですが、今までの審議の経過を簡単にお知らせしますと、 このものは、平成12年の6月に特保表示の許可申請が出ております。  最初は科学的な根拠が不十分ということで試験のやり直しをお願いしております。試 験のやり直し後、再度審議が始まったということでございます。この商品は、平成14年 の9月の段階で市販が開始されています。  そうこうしている間に、平成14年10月以来全国マヨネーズ協会、あるいは匿名の方な どからエコナクッキングオイルも含めて安全性、有効性に疑義があるということで、特 保の取り消しを要望するということが副大臣をはじめいろんな方に文書が配られたとい う経過があります。  そこで、今までの論議の中で問題になった点を整理、検討し、エコナマヨネーズタイ プについて花王に指摘したところ、指摘事項に対する回答書が寄せられました。これを 見ていただけますと今までの審議で問題になったところが概略おわかりいただけますの で、この回答書を中心に論議をして頂ければと考えます。  16項目にわたって質問を行ないました。  まず4ページ、第1の質問からですが、エコナマヨネーズタイプは一般のマヨネーズ と比べてほぼ同等のカロリーを含んでおりますので、カロリーを制限するという観点か らすると、必ずしも通常のマヨネーズよりも優れたという点は認めないのではないかと いう疑義ですが、これに関しましては、花王の回答は、カロリーということに関して は、もともとコンセプトとして問題にしていない。このDGをとることよって同じカロ リーであっても、腹部の内蔵脂肪がつきにくいという効果があるという意味で十分特保 の要件を満たしていると考えるという回答が寄せられております。  その次ですが、7ページを開いていただけますか。一番大きな問題ですが、エコナク ッキングオイルを大量に摂取した場合、これはマヨネーズタイプというよりエコナクッ キングオイルそのものの問題ですが、エコナクッキングオイルを摂取いたしますと、D Gが口腔、腸管、大腸に流れ込んでいく。そのことが大腸などの腫瘍発生を促進するの ではないかという疑義が出されております。その根拠ですが、 エコナクッキングオイ ルに大量に含まれる1,2−ジアシルグリセロールは、皆さんよく御存じのように、 in vitro、試験管内ではプロテインカイネースCを活性化いたします。そのことによっ て大腸ポリープを選択的に刺激する可能性、発がんのプロモーターとして作用する可能 性、さらに発がんへの関与が示唆されているiNOSの発現の誘導をする可能性、それ からプロテインカイネースCの活性化を介してインスリン抵抗性を誘導する可能性、こ ういったものがあるのではないかと理論的には考えられるという疑義が出されておりま す。  それに対しての回答ですが、実験動物を用いた測定では、トリグリセリドを主成分と する一般の油脂とエコナの摂取とでは、糞便中の総脂肪量は変わらないという点が第1 点。  第2点としては、糞便中にDGはほとんど検出できず脂肪のほとんどは脂肪酸であっ たということで、DGを食用油としてとっても大腸にまで達することはないという回答 が寄せられています。  それから、プロテインカイネースCの活性化ということに関しましても、実測値では ありませんけれども、プロテインカイネースCを活性化するようなことは、DGが下部 腸管まで流れ込まないということから考えてあり得ないことであると回答されていま す。  そのほか、トリグリセリドをとっても、胃腸管ではリパーゼの作用によってDGに変 換します。そういう意味では、食用油の中にDGが含まれなくても、通常の食用油をと ることによって胃腸管内にDGが大量に生成されますので、エコナすなわちDG摂取とTG 摂取とでは本質的な差はないとしています。そういうようなことで、理論上、あるいは 実測値としてDGを測るというふうなことも含めてDGを食用油としてとるということ が一般の主にトリグリセリドからなる食用油をとるということと比べて大きな問題はな いというふうに結論しております。  さらに発がん性の問題に関しましては、2年間のかなりの個数の動物を用いた発がん 実験をやっておりますが、これは多分参考人の先生方のところにも詳細なデータが行っ ていると思いますけれども、胃、小腸、あるいは大腸のがんが多発したということは認 めておらないということです。  その次にいきます(16ページ)。植物油の定義としては、CODEXの国際規格では DG,ジアシルグリセロールというものは含んでいないいのではないかという疑義がださ れています。植物油というのは、そもそもTG,トリグリセリドということを指すのでは ないかという指摘です。それに対して花王からの回答は、植物油の定義というものがト リグリセリドとは書いていない。グリセリドとは書いてあるけれども、トリグリセリド ということで定義されているものではない。したがって、指摘自体が間違っているとい う回答です。  その次に行きますが、18ページ、これは花王はジアシルグリセロール(DG)はGR AS、これはジェネラリー・レコグナイズド・アズ・セーフ(generally recognized as safe)ということばの略語で、常識的な量を摂取しているかぎりまず安全とFDA が判定した物質という意味合いですが、花王はそう言っているけれどもGRASとして 認定されていないのではないかという疑義です。これに対して花王の方は、GRASと して認められているということで、具体的な文書を添えて反論しております。そういう ことで、この回答と添えられた証拠書類を見る限り、FDAからGRAS、まず安全な 物質であるというふうに認められていると考えられます。  その次ですが、44ページ、指摘事項の5です。エコナクッキングオイルには、表の 3-2、44ページの一番下を見ていただきますとおわかりのように、総トランス脂肪酸が 5.2 %と、表の3-1 で示された他の日本で市販されている植物油の0.4 から2.3 %と 比べまして、高濃度に含まれております。  46ページの図に示されていますように、一般的にトランス脂肪酸の摂取量が多くなり ますとLDLとHDLの比が動脈硬化をより促進するような比率に変わるということが 言われております。その作用が飽和脂肪酸よりもかなり強いということで、FDAで は、トランス脂肪酸の摂取をできるだけ少なくするようにという警告を発しておりま す。そこで、エコナクッキングオイルにトランス脂肪酸がかなり高濃度に含まれている ということが問題になります。しかし、日本人の栄養調査の結果を用いて、かなりの油 をエコナからとると仮定して、トランス脂肪酸の1日の総摂取量を算出しますと、46ペ ージ、図5の「日本」というふうに矢印をつけたところになりエコナをマヨネーズ、食 用油としても、あるいはスプレッドとしても全部エコナの製品を使ったとしても、あま りというか憂慮する程にはトランス脂肪酸の摂取量というのは多くならないと回答して います。これは日本人があまり油をとらないということと関係するわけですが、そうい う意味でごくごく通常の量、あるいは目安量を食べている限りにおいて、余り大きな問 題にならないといえるとしています。さらに、企業努力として、種々製造過程に工夫を 凝らすことによって、近々、トランス脂肪酸の総量を3%程度に下げる努力もしている という回答が寄せられています。  その次、48ページ。エコナクッキングオイルは、先ほど□□さんがお示しになられた ように、腹部の脂肪がつきにくいという効用を50例近くの症例を用いた実験で明かに し、公表しております。それに対していろんな研究者から花王が言うような効果はない という反論がなされております。それに対しての回答ですが、確かに脂肪がつきにくい とか、あるいは中性脂肪が上昇しにくいということに否定的なデータのあることは認め るが、花王がこういった特保の要件を満たす効用としてのデータを得るために、対象と した人たちは、体重が肥満ぎみの方、あるいは中性脂肪であれば、血中の中性脂肪が高 めの方というものを対象にした試験である。花王がやった試験においても、もともと体 重が全く正常範囲にある人、あるいは血清中性脂肪が全く正常範囲にある人に関しては 効用は認めていないということで、データとしては同じである。したがって、否定的な データが花王の持っていたデータのすべてを否定するわけじゃない。成績の相違は対象 の相違から生じたものであるとしています。  また、反論を行っている試験は、花王が特保の申請に使ったデータと比べてかなり少 人数の、かなり小さい規模の実験ですので、その辺もサンエンティフィックには問題と いうことになろうかと思います。  それから次、56ページ、これは東北大学の先生から寄せられた疑問ですが、食用油を かなり高温に何回もさらしますと、かなり毒性の強いグリセリドダイマーというものが 生成されるそうです。このグリセリドダイマーがDGを使ったエコナではかなり高濃度 に発生するのではないだろうかという御疑問です。それは図9、あるいは図10で検証し ておりますが、これはまず加熱することによって油脂が酸化されるわけですが、酸化脂 質の生成量が一般のTG(トリグリセリド)を使った植物油とエコナ、DGで変わるだ ろうということを検討しておりますが、カルボニル価で検討する限り、エコナが他の植 物油と比べて格別加熱によって酸化されやすいということはなさそうであるという結論 を出しております。  グリセリドダイマーに関しましても、測定してごく通常の調理条件下では一般油とほ とんどと変わりがないというデータを出しています。したがいまして、グリセリドダイ マーがエコナでは大量に産生されるといったことはないという結論を出しております。  その次行きますが、60ページ、今度は「植物性加工油脂」という表示は、天然物と誤 認させているということで表示違反ではないかということです。それからエコナの主成 分は植物由来の油脂ではなくて、オレイン酸とグリセリンを科学的に反応合成した化合 物であるのに、ナタネの絵を入れて天然物と誤認させているのも表示違反である。  それから3番として、「原材料の一部に大豆を含む」ということで、天然物と誤認さ せている。繰り返し使っても脂肪がつきにくいという効果は変わりません。こういうこ とで、販売促進が過ぎるのではないかという疑義も出されています。これに対しても、 実際上は出発点としては、植物油を使っておりますので、特に問題がないということが 1つ。それから出発点として何を使ったかということに関して、大豆であるとか、ナタ ネを使っているので、それをわかりやすくしたという回答が寄せられております。  それから63ページ、指摘事項の9ですが、ジアシルグリセロール製造過程で不純物等 の生成があるのではないかという疑義が出されておりますが、これに関しても種々検討 して、不純物はないというふうな回答が寄せられている。  その次、66ページ、長時間で申し訳ないんですが、指摘事項の10を見ていただきたい と思います。これに関しては、花王が出してきた文献の中の主要な文献の幾つかの中に 研究に用いた油の原材料が違うのに、最終的に研究に用いた油脂肪酸組成が全く同じと いう論文のペアが幾つか見つかった。このようなことは,極めて不自然である。そこ で、要するに嘘を言っているのではないか、でっち上げデータじゃないかという御指摘 です。まず、後藤ほかの『油化学』という雑誌に載せられた論文とTadaたちが『Clin. Chim.Acta』に出した論文、これが原材料が違うというふうに記載されているのに、最 終的に使用した油の中の脂肪酸組成が全く同一という不思議な論文なわけです。これに 関しまして、記載間違いであったということで、それぞれの雑誌社に訂正を申し込んで アクセプトされております。訂正が認められたからいいのかという問題はあるわけです が、一応そういうことです。また別の論文のペアですが、67ページ、これはNagaoらが J Nutritionにに出した論文とMuraseたちがJ.Lipid Researchという雑誌に出した論文 に同様のことがみられる。おかしいのではないかという疑義が出されています。これに 関しまして、もともと油を仕入れた先のデータに忠実に記載した論文と、そうでなかっ た論文との食い違いであって、原材料が違っていた訳ではない。これも単純ミスという ことで、それぞれのジャーナルに訂正を申し込んだというふうな回答が寄せられていま す。  その次行きますが、76ページ゛、これは発がんということでの疑問があるということ ですので、今後のモニターの体制を聞いておりますが、今後も引き続ききちんとモニタ ーしていくという回答がされております。  次が83ページ、今度は最近リノール酸、以前摂取がすすめられた植物由来の多価不飽 和脂肪酸ですが、これのとりすぎというのも余りよくないというふうなことが言われ出 しています。しかし、エコナキッキングオイルにはかなりリノール酸が多く含まれてお りますので、それが問題ではないかという指摘がされております。それに関しまして も、市販の植物油に含まれているリノール酸の量と余り変わらないということで、エコ ナだけを問題にするのは不適切という回答がされています。  心臓突然死やインスリン抵抗性との関係に関しても指摘がなされていますが、従来油 と較べ特殊にエコナでこれらを危惧する理由はないと回答しています。また、肝障害と いう側面からもとくに有害事象が心配されることはないとしています。  その他、3年間にわたって論議を繰り返していますので、膨大な資料になっていいま すので、資料の整理をするように指摘しています。  以上のようなことで、今まで特保として認めたいろいろな食品の科学的に根拠とした 資料の程度、あるいは質ということから考えますと、エコナマヨネーズタイプは、今ま での許可したものと比べて遜色のないデータを提出しております。また、安全性に関し ましては、特保の今までの許可条件の中ではっきりとして安全性をここまで調べろとい う規定がありませんので第一調査会では、十分な食経験があるということに加えて、通 常1月以上で通常用量(摂取目安量)の3倍量程度のものを摂取して、自覚症状、ある いは肝障害、こういっかたものに見るべき副作用、有害事象がなければいいのではない かというふうな内々のガイドラインで大体審査しております。  そういう意味では、エコナマヨネーズタイプが十分にそういうレベルの安全性はクリ アしているということになります。しかしながら、発がんということになりますと、 我々の知識をはるかに超えておりますし、またその検討期間も非常に長くなりますの で、もしもプロモーターであるかどうかというようなことが問題になるのであれば、ど のような試験が必要であるかというようなことも含めて忌憚のない御意見を参考人の先 生方からお聞かせ願えればありがたいというふうに思っております。  以上です。 ○□□委員  ありがとうございました。お手元に「ラットを用いた混餌投与による2年間がん原性 試験概要」というものが配られております。この資料も含めまして、各参考人の先生か ら御意見を伺いたいと思います。各先生方の御意見も資料にまとめてございます。タイ トルは「発がん性に関する各参考人の意見のまとめ」ということであります。これもご 覧いただきたいと思います。  それではまず、□□□□の□□先生からお願いしたいと思います。よろしくお願いい たします。 ○□□参考人  ほかの参考人の先生も、病理学を背景にして、発がん性にかかわってこられた先生方 は、今日おいでになっていない方も、今日出席している参考人も同じことを言うと思い ますけれども、まず、この委員会と申しますか、この会の安全性に関するガイドライン がどうなっているのかが私どもちょっと、申し訳ございませんが、ちゃんと勉強してお りませんでしたので、□□先生からは、安全性に対する説明を今ちょっと伺いましたけ れども、判断基準がわからないところがあります。例えば、化学物質であるとか、食品 添加物であるとか、そういうものにつきましては、食品とは別に安全性に関する国際的 な様々な研究者が集まって、ガイドラインを持っていて、そして国内的にもそれに準ず るか、もしくは完全に批准した方法でもって判断しております。  一言で申しますと、その内容は御承知のとおり、発がん性がないということを証明す る、一般に科学では、「ない」ということを証明することはできませんので、この限り でもって検出されなければないとみなしていいという、そういう考え方でもってほとん どのものが判断されております。したがいまして、我々が判断するときの判断は、すべ てそこで行われた試験がガイドラインに準ずる規模と質でもってGLPを含めて基準が 維持されていて、そして、それがそこでがん原性があると判断する根拠になるような所 見が認められないということを言うにとどまります。したがって、それから先に、だか らがん原性はないと判断するのはほかの皆様で、私たちはただそれを学問的に証明(検 証)するだけです。  したがって、ないということを私たちは申しません。それがまず第一の前提ですの で、具体的にEメールとかでの、各先生方の交信記録を見ると、やはり、そこのところ を多くの委員が戸惑っていることを感じます。どういうことを私たちが問い合わせを受 けたのかが正確にはわからなかったという意味では、やや戸惑ったところがあります。 したがって、病理系の先生方の意見は、みなこの試験の限りでは発がん性を疑う所見が 認められないというような形の表現が多うございます。私の発がん性なしの項に関する 記載も、そのような木で鼻をくくったような形になっていますけれども、この試験結果 の限りでは、発がん性を示す所見は得られておりません。それが第1点です。  それから第2点は、何が問題になっていて、何が発がん性を疑う根拠になっているか ということが私どもは正確にわからなかったという印象があります。それで、ちなみに プロモーター様の発がん性には、いわゆる遺伝子に直接傷をつけて、がんを引き起こす イニシエーションに基づく発がん性と、それからさらに、そういう傷は自然発生的にも 自然生活の中でも生じますので、それを助長するような形でもってプロモーション効果 として発がん性を引き起こすことがあるわけですけれども、(そういうものについてプ ロモーション効果といいますけれども)、これはそれぞれのご専門のお立場の方がご自 分のお立場からそれなの説明のなさり方をするのはもちろん学問ですから自由ですけれ ども、私たち発がん性試験を含む毒性試験の立場の者は、一般にこのプロモーション作 用は、in vivo で証明されるべきものだというふうに考えております。そういう意味 で、そういった試験がちょっとパブメド(Pub-Med=データベース)で見る限り見当た りません。したがいまして、これにプロモーション活性があるというふうに断定する、 あるいは可能性を疑う根拠となる論文がないことになりますので、それが疑われたとい う根拠が、(私と言った方がいいかもしれませんが)私にはわかりませんでした。そう いう同じような意味のことを御返事なさっている委員がおられることもごらんのとおり です。  それで、ただ、いろいろ発がん実験については無細胞系、生体内試験系(in vivo)、 試験管内試験系(in vitro)でもっていろいろな蓋然性に関する議論があることは確か です。匿名の御意見によるプロモーションに触れた内容がありますけれども、これは可 能性を議論した意見にはなっておりませんけれども、蓋然性を議論した意見であると考 えることは確かにできると思います。  それで問題は、先ほど第1点のときに、ガイドラインのことを申しましたけれども、 ガイドラインとの関係でどこまでどういうことを証明させる権限をこの委員会がお持ち なのかにもよりますけれども、私はこれが蓋然性にすぎないから、試験を指示すること ができないとはもちろん思いません。可能性の段階まで明らかにするような、そこまで 認識を深めるということは大変難しい面がありますから、(その前にいろいろな事故が 起こってしまっては安全性の問題は担保できませんので、)それは蓋然性のレベルでい ろいろな指示が行われるということは、この委員会のお立場でもってあり得るというこ とは、私はそれは全く異論はありません。ただ、あくまでもここで少なくとも資料で示 されている内容は、蓋然性にとどまるように思われます。それはin vivo の試験が行わ れていないという意味でもそうですし、それからもう一つ重要な点は、プロテインカイ ネースC(Protein Kinase C)のアクティベーション(活性化)が論じられているんで すけれども、これはもともと発がん性に対して両方向の議論ではありません。これはが んが起す状態のときに、そういうことがしばしば観察されるということであって、こう いうことが起こっているということががんに直結する、つまり、逆必ずしも真ならずと いう論理であります。したがいまして、これが仮にプロテインカイネースCのアクティ ベーションが起こっているものを逆に安全性に疑義をはさむ論拠にできるかどうかとい うのは一元的にはわかりません。そういう意味で蓋然性と申し上げております。そうい う蓋然性を持つことを意識することはもちろん専門家によっては、そういうお立場の方 がおられても当然だろうと思います。そしてここの委員会の方々がそれに対してどうい う見解を持つのかにかかっていると思います。  3点目は、1と2をあわせた場合の判断の考え方です。これはやはりガイドラインが どういう考え方を持つのかに基づくわけですけれども、通常は、私が申し上げたいの は、この意見等一覧表の右側のカラムにある点ですけれども、一応の発がん性試験が行 われております。しかしながら、これにさらに蓋然性とはいえ、プロモーター作用を確 かめるためには、あらかじめ積極的に遺伝子に傷をつけておいて、そしてそれがプロモ ーションされるかどうかということを見るという二段階試験の中のプロモーションを見 る試験法があります。それを見ることによってより鋭敏なものを見ることができます。 それをやらなければ安全性が担保できるのかできないのかはガイドラインに基づきま す。この二段階試験をやれば、より安全性が担保されることは事実ですが、安全性を見 なければならない対象によっては、この2年間の発がん性、慢性毒性試験が行われてい るわけですけれども、それでは安全性は不十分だという立場をとってしまいますと、安 全性の論理が崩れてしまいます。したがいまして、私の立場で申し上げられることは、 これである程度のこの試験法に関する限りでの安全性は認められているけれども、この 委員会が対象とするものであるとかそういったものの特殊性から、さらに安全性をより 確実に見ていくためには二段階試験をやるということがあるであろうというふうに思い ます。それが3番目です。  これで私の意見は終わりなんですけれども、安全性の論理というのは、これまで申し ましたように、完全な安全性の担保ということは、安全性の担保はあくまでも相対的な ものになります。したがいまして、どこまでそれを求めるのか、どこにその基準を置く のかということは、私はこの剤については正確には判断する立場にありませんのでわか りません。あくまでも今申し上げたことを参考にして、ここでお決めいただくというこ とかと存じます。以上です。 ○□□委員  それでは、引き続きまして、□□□□の□□先生にお願いいたします。 ○□□参考人  確かに何をお答えしていいかよくわからないというところはそのとおりでございまし て、例えば、マヨネーズの段階でのこの剤の毒性なのか、クッキングオイルの段階から DAG=プロモーターとしての疑いがあってということなのかすらもわかっていないと いうことであります。よい面とのバランスで物を言えとおっしゃっているのか、DAG そのものの発がん性や毒性の問題なのか、トリグリセライドとの比較だけでいいのか、 そこら辺もわからないところです。そういう中で、私のコメントの1番目は、NOELが 5.5 %と言っているけれども、それはトリグリセライドと差がないという意味でのNOEL と言っているだけであって、トリグリセライドを添加しないものの方がもっと毒性が少 なかったわけです。ですから、NOWLが5.5 %であるという表記は適切ではないと考えま す。  次にウィルリサーチの報告書ですが、これを読む限り、発がん性に関してのエンドポ イントはネガティブということは判断できます。  以上です。 ○□□委員  ありがとうございました。では、次に、□□□□の□□先生にお願いします。 ○□□参考人  以前事務局の方にもいろいろお伺いしていたんですけれども、根本的にまだわかって いないところがありまして、それはオイルの組成なんですね。クッキングオイルの組成 というテーブルがたしか2種類あったと思うんですけれども、それは1つは脂肪酸の組 成がありまして、もう一つは、TAGとDAGの含量というものがありまして、表をど ういうふうに解釈、つまり、エコナクッキングオイルには、DAGが86.6%、それから TAGが12.9%とあるというのと、それから脂肪酸の組成を見ると、パルミチン酸、オ レイン酸が38.9、リノール酸が46.6、リノレン酸が9.0 %というのがあるんですが、結 局、この油というのは、脂肪酸とTAG、DAGが一緒に含まれているのか、その辺が 全然理解できなかったんです。その辺から話を……。結局、これはオイルといいまして も、皆さん御存じのように、高脂肪になるとプロモーション作用を起こすというよう な、いわゆるリノール酸系統と、プロモーション作用を起こさない、かえって抑制する というω3系のα−リノレン酸というものがありますので、異なった脂肪酸とDAGと の関係というのも頭の中が混乱していてわからない。 ○事務局  「エコナマヨネーズタイプ指摘事項回答書」の方にございます回答12のところに、油 脂の各種脂肪酸組成をn-3 系とn-6 系の比で、回答書12、83ページです。組成について は84ページというような形で出て、実際に売られているマヨネーズの脂肪酸組成につい ては85ページというような形で。 ○□□参考人  もう一つ、DAG、TAGの比率みたいなものがどこか出ていますね。指摘2の表2 ですか。 ○事務局  回答の2に。 ○□□委員  脂肪酸組成の場合は、TAGとDAGは別々に分析されておられない。全部集めての 脂肪酸組成です。ですから、先生の抱かれているような疑問に対しては、この資料から は答えることができません。TAGとDAGの比率はわかっています。脂肪酸構成につ いては、両者を合わせたものであって、別々に脂肪酸構成は解析されておりません。 ○□□参考人  例えばω3系の脂肪酸でも、同じようなTAGとDAGは出てくる。可能性としてあ ると。 ○事務局  はい。もともが大豆油と……。 ○□□委員  推測の域を出ません。わかりません。 ○事務局   そこは推測です。 ○□□委員  TAGとDAGとを混ぜて脂肪酸構成を分析しているのですね。 ○事務局  混ぜてやっています。 ○□□参考人  今までω3が大腸がんの抑制傾向を示して、片やω6の方がプロモーションするとい うのは、DAG、TAGと関係がないということで。 ○□□委員  恐らく、それはTAGが多く占めておると言えると思います。魚の油であろうと、肉 の脂肪であろうと主成分は、TAGです。要するにトリグリセライドですから。 ○□□参考人  そうしますと、α−リノレン酸であろうと、リノール酸であろうと、DHAであろう と、TAGの量はほとんど変わらない。 ○□□委員  簡単に言いますと、中性脂肪というのはTGです。DHAであるとか、EPAである とかがリノレン酸とか僕らが呼んで、こっちの方がいいですよというような場合は、一 般的に魚のTGに含まれた脂肪酸がこういった多価不飽和脂肪酸が多いんですよという ことです。それをリパーゼで細かく切り出してみると、DHAであり、EPAである と、こういうことです。ここまでよろしいですか。 ○□□参考人  難しくて。 ○□□委員  もっと詳しく言いますと、脂質ですから、コレステロールエステルについておる脂肪 酸、あるいはホスホリピッド、リン脂質についておる脂肪酸、それからTG、それから ごく微量ですが、ジグリセリド、更にモノグリセリドもありますし、それから遊離脂肪 酸もあるわけですね。それをすべて合わせたもので多くの場合、脂肪酸の循環器疾患へ の影響、あるいは、がんへの影響は論じられておるわけです。TG以外のものの量は少 なく、どちらかというと、TGが多いのは確かですね。 ○□□参考人  そうすると、こういうDAGから、そういう発がんを論じたというのは、余りないわ けですね。 ○□□委員  先ほど□□先生がおっしゃったように蓋然性の問題であると。要するにin vitroの問 題であるということであるわけですね。 ○□□参考人  ようやくちょっとわかってきました。 ○□□委員  ですから、ちょっとそのあたりを区別してみないと、厳密にはわからないかもしれま せんが、現在ここで問題になっておるのはDG、特に1,2 のジグリセライドがPKC活 性を上げるのだろうというin vitroのデータに基づいていかがなものかという質問であ るわけですね。それについては、可能性は現時点では見つからないという方がいいとい うのが□□先生のお話であるわけですね。極端なことですが、発がんが見つかるまで徹 底的にやるのかというと、それは安全性の論理から崩れてしまうということであるわけ ですね。 ○□□参考人  そうなりますと、結局、□□先生がお答えになられたこととほぼ一緒なんですけれど も、発がん性の観点、ここで言われているのは、最高用量が5.5 %ということでやられ ておりますけれども、ただ、これはTAGとDAGの比較になってしまうんですけれど も、そういう観点からすると、当然このデータからですと、発がん性はなかろう。た だ、5.5 %といっても、一般にコーンオイル等を使った発がんプロモーション試験等で は、これは低脂肪の方になってしまうので、これを例えば、先ほどから話があったよう な、20%以上にした場合にどういうふうになるかというようなことはまだわかっており ませんので、その辺は非常に気にはかかることです。ただ、発がん性試験でプロモー ション作用があるかどうかを見つけることは非常に難しいわけで、これを二十数%に油 の量を上げても、その効果を見れるかどうかというのは非常に厳しい。ですから、その 辺を見ようとなると、どうしても発がんのイニシエーションプロモーション、二段階試 験で検討していくという必要が出てくると思います。  ただ、これは、その試験の結果出て、例えばプロモーション作用が出たときに、そこ で本当に規制ができるのかどうかというようなことは、先ほど□□先生がおっしゃった ように、特定食品の規制がどういうふうになっているかということにかかわってくるわ けで、今まで、例えば脂肪酸で発がんのプロモーション作用があっても、これはなかな か規制はできないわけで、もし見つかっても、すぐ規制ということは私自身は非常に難 しいのかなということを考えています。  もし、そういうプロモーション作用を懸念するのであれば、やはりターゲット、標的 臓器、その辺が非常に問題になるわけで、PKCが関係するということになると大腸だ とか乳腺ということになると思うんですけれども、最近、高脂肪の場合は肺の方にもプ ロモーション作用が起こるというようなことがわかってまいりまして、一つの試験でや るというとなかなか難しい。幾つかの試験を流さないといけないかもしれない。ただ、 一般的に発がんプロモーションと細胞増殖というものは非常にコーディレートしており ますので、短期で高脂肪食をやって、その場合に大腸粘膜の、例えば細胞増殖を測定す る、あるいはODC活性を測定したり、あるいは物質の量をはかったりすることによっ て、ある程度プロモーション作用があるかどうかというのはスクリーニングすることは 可能だと思うので、そういうことをちょっとやってみて、実際に出てきたら、もうちょ っとでかい試験系でやっていくということも一つの方法ではないかなというふうに思い ます。  あるいはTAGが腸管内にあれば、プロモーション作用が出るだろうなというような ことも書いておりましたけれども、何で傾向性でいって出る出ないということが言い切 れるかというのも一つ疑問です。傾向性でいってプロモーション作用ということも十分 にあり得ると思いますので、腸管内だけの測定ではまだ足りないんじゃないかというふ うに思います。その程度でしょうかね。 ○□□委員  どうもありがとうございました。それでは、次に、□□□□の□□先生お願いいたし ます。 ○□□参考人  私はプロモーターとして有名なTPAは、PKCをレセプターにしまして、活性化し てプロモーション活性を示すわけですから、それでin vivo でのエンドジェナスなPK CのアクティベータとしてDAGがあるわけですから、DAGの作用としてはプロモー ション活性を調べるべきだと思います。  それで、今回の実験でSDを使ってできている腫瘍といたしましては、乳がんと下垂 体脳腫瘍があります。それで、下垂体に関しましては、TGとDAGでほぼ同じ率で起 こっておりますので、それはちょっと問題にしなくていいと思います。乳がんの方は有 意差は出ていないんですけれども、誘発率を、5.5 %のTGとDAGとで比較しますと DAGで少し大きな数字が出ています。それからサバイバルも5.5 %のTGとDAGを 比較しますと、DAG群が少し早めに、これも有意差はないと報告されていますが、早 めに死んでおります。よく死亡の理由がわからないんですが、乳がんでは恐らく死なな いだろうと思いますので、多分、下垂体の腫瘍で死亡するのではないかと推定するわけ です。したがいまして、乳がんに関しましても、もっと脂肪を高い量までテストしまし て、その効果、プロモーション活性があるかないかをはっきりさせて、どこの濃度まで 下げれば、どこの濃度までだったらばTGと比べてプロモーション活性が出ないという 量をはっきりさせるのがよろしいのではないかと思います。  それで、乳がんに関しましても、SDを使いますと、下垂体の腫瘍で死ぬようですの で、やはりイニシエーターを使って乳がんの発がんプロモーション活性があるかどうか をTGをコントロールに使って調べることが第一と考えます。  2番目としましては、先ほど説明がありましたように、DAGは胃とか、すい臓のリ パーゼでモノジアシルグリセロールになって吸収されるようです。したがって、その胃 とか小腸では、そういうプロモーション活性が見つかっていないではないかということ ですが、例えば口腔とか食道とかというのは、DAGそのものが接触するわけです。そ れで、ここで使っていますDAGは長鎖脂肪酸のDAGということで、それは細胞への 取り込みはないんだというふうな論文が引用してございましたが、それはスムースマッ スルの細胞を使った場合でTPAで腫瘍ができるのは扁平上皮ですし、それから口腔と か食道も扁平上皮ですから、そういう扁平上皮でDAGがどういうふうに作用するかわ かりませんので、食道や口腔をターゲットとするイニシエーターをまず作用させて、そ れでDAGを投与するという実験をぜひやっていただきたいと思います。  それから3番目に、すい臓を標的とする二段階発がんを挙げてございますが、このす い臓がんというのは非常に難治がんで、しかも最近増加しているがんです。それで、 1,2 の方は、2モノジアシルグリセロールになって、またTGに代謝されるんですが、 1,3 のジアシルの方は、また違う代謝経路を受けます。そういうことがあって、プロモ ーション活性がそういう違った代謝活性によって、それががんのプロモーション作用を 持つような状態になるかどうかについてはわかりませんので、この非常に難治がんであ るすい臓に関しても、ぜひDAGがプロモーション活性を持っているかどうかを調べて いただきたいと思うわけです。  以上です。 ○□□委員  ありがとうございました。 ○□□委員  すい臓の論理がよくわからないんですが。 ○□□参考人  すい臓はすごい難治がんですね。 ○□□委員  がんは難治……。 ○□□参考人  もうかなり治療のできるがんが、50%ぐらいは、胃がんの場合はもっといきますね。 七、八十%治療できるんです。すい臓は診断されてから死亡するまで非常に短い。 ○□□委員  □□先生は医師ですから、そういうことは御存じです。どうしてすい臓のことをやら なければいけないか。どういう蓋然性に基づいて、すい臓がんの実験をしなければなら ないかというのが□□先生のご質問です。 ○□□参考人  それは1,3-ジアシルグリセロールが分解されて、1,3 は、3ですか1ですか、どっち かになるとかと資料に書いてございましたけれども。 ○□□委員  1,3 は小腸内でグリセロールと脂肪酸になってしまうわけです。したがって、2のと ころのモノグリセライドがないわけですから、小腸内でTG合成は余りされなくて、肝 臓でベータ酸化を受けて分解していくだろうと、こういう論理です。1,2 DAGがすい 臓がんのプロモーターになる蓋然性について質問がされておるわけです。 ○□□参考人  例えばそういうことで、細胞膜のホスホリピッドとか、ホスホリパーゼCとかの量が 上がるとか、活性が上がるとか、そういうin vivo のメタボリズムの状態が変わるかど うかで、また変わったからって、それが発がんに至るかどうかはわかりませんけれど も、そういうわからないメカニズムでプロモーション作用が、エネルギーの摂取量が上 がるだけでもがんのインシデンスが上がるわけですから、そういう代謝の機構によって はどういうふうになるかわからないので、これははっきりしかメカニズムはありませ ん。ただ、そういうことがあってはいけないから調べてほしいと、そういうことです。 ○□□委員  ありがとうございました。では、次は□□□□の□□先生お願いします。□□先生 は、余計なことかもしれませんが、この3月まで□□□□をなさっておられました。よ ろしくお願いいたします。 ○□□参考人  私の専門は疫学でございます。それで1枚紙の第1点のところをご覧いただきたいん ですけれども、ヒトに対して発がん性があるかどうかは、当然ヒトを対象とした研究で 確認しなければいけないわけですが、これは全然わかりません。動物実験で発がん性が ありましても、ヒトに対する結果が全くない場合にはせいぜい「ヒトに対して発がん性 の可能性があるかもしれない」、あるいは「可能性がある」ぐらいにとどまってしまい ます。その裏返しで、ヒトに対して発がん性がないということを証明しようと思います と、これは大変な研究をしないといけないんです。将来、10年ぐらい経ちまして、エコ ナクッキングオイルの消費者が大変増えて、長期間使ったとしまして、発がんの潜伏期 間とか、累積発がん量とか一応到達したような時点で、振り返りの観察研究でエコナク ッキングオイル、あるいはマヨネーズタイプをよく摂取した人とほとんど摂取しなかっ た人の発がんリスクを比較できることは可能ですが、今、すぐにはデータがありませ ん。  それで、2番目の動物実験のところでございますけれども、今回事前にお送りいただ きました「ラットを用いた混餌投与による2年間ガン原性試験概要・FINAL REPORT」、 これで私は一応調べました。問題点としましては、このFINAL REPORTの73ページの Neoplastic Findings の記述があるところの下から数行目に、統計学的な有意性はトレ ンドテストの場合は非常にcommonなtumorsか、rare tumors かによって0.005 または 0.025 の水準で検定としたと書いてありますね。それからPair-wise の検定の場合には やはりcommonかrareかによりまして、0.01及び0.05の水準を使ったとあります。75ペー ジにSelected Neoplastic Findingsの結果が出ておりますけれども、1群の動物の数は せいぜい30匹から五、六十匹ぐらいでありまして、非常に少数なんですね。動物実験を おやりの先生からはこれは立派な数かもしれませんけれども、私らの統計学の立場から 見ると、こんなものは少数例でございます。ですから、否定しようと思った場合には、 もっともっと多数例で検定していないといけないのです。私はここでメガマウス実験を やれなんて決して申しません。そんな極端なことでなくても、発がん性に疑義が生じた 場合には、それをよりきちんと否定するために、手間はかかりますけれども、もう一度 もっと多数例、つまり50匹に対して二、三百匹とか、それぐらいのレベルでやった方が いいのではないかということ。それからp-valueがこういうふうに非常に小さく、ゼロ に近い水準で設定されておりますけれども、有効性を検定するときにはこれでいいんで すが、安全性を検定するときにはだめなんです。安全性を検定するときには、通常は 0.15、あるいは場合によると0.2 ぐらいのところで有害事象などを検定するのでありま して、ここではちょっとp-valueが小さすぎる。だから、実際に差がありましても、有 意差がないというふうに結論づけられる可能性が大きいです。  ここでもう一つ私がまずいなと思いましたのは、統計学的に有意でなかったとか、 あったとか書いてあるだけでp-valueの絶対値が全然示されていません。実際には問題 になるのは、差があった場合には95%信頼区間とか、 少なくともp-valueの絶対値、そ れが0.049 なのか、0.001 なのか、それによっても随分信頼度が違います。そういうデ ータが全然示されていません。それで私は統計学的な解釈に対してクエスチョンマーク を打ちました。それが1つ。  それから後の3点目のところは、二段階試験でもやれば、パッと答えが出ると思いま すので、ほかの病理の先生がおっしゃっているように、ぜひ二段階試験をやってみると いいんじゃないかと思います。  以上です。 ○□□委員  ありがとうございました。今の例数のことを統計学的立場から御指摘があったんです けれども、毒性学的な立場からいう発がん性試験に関する動物の種類とその匹数につい ては、基準がございましたね。それについてちょっとコメントしていただきたいと思い ます。 ○□□参考人  考え方はただいまお話にありましたように、1つは、最近はどんな統計でも「P値」 を示すという形になっていますので、その点の御指摘は全く同じだろうと思います。そ れから動物数につきましては、これはヒトの場合と厳密には同じでありまして、動物の 方がむしろ均一な動物を使うということによってきれいなデータが一般には出てくると 思いますけれども、スタンダード・デビエーション(SD)が安定するまでの1σの値 が落ち着くところをその試験法によって見ております。それに基づいてそれぞれの試験 に使う動物をどのぐらいであるべきなのかというのを、これはもちろん動物実験ですの で、プラクティカルな面と、ただいま申し上げたような1σの安定性のところを基準に 見ております。試験法によって発がん試験に求められる動物数と28日間試験、あるいは 90日間試験に求められる動物数はそれぞれ違います。 ○□□参考人  通常のスクリーニングでやるような発がん実験は普通の50匹とかそれぐらいで十分だ と思うんですけれども、こういう発がん性に疑義が出されたような場合、その可能性が あるような場合は市販を継続した状況で追加試験をやってみて、やはり、これは安全だ ということを示した方がいいんじゃないかということを言っているだけです。 ○□□参考人  毒性学的な立場からお答えする必要があるようですから、言葉を差し挟みますが、こ こで行われている試験は、スクリーニング試験ではございません。これはすべてのその 化学物質なら化学物質、食品添加物なら食品添加物の安全性に関する試験法での一般論 であります。 ○□□委員  ただ、これはあくまでも食品でありますので、そこがいつも難しい点であります。そ ういう意味で有効性及び毒性あるいは安全性に関する基準が、いわゆるガイドラインと いうのがないわけですね。個々に審査していかざるを得ないというものであります。そ ういうこともありまして、今日、参考人の先生方におこしいただいたのであります。こ の食品のを詳細に調査しました第一調査会、この部会の下にある調査会ですが、□□先 生が第一調査会の委員長をなさってくださっているんですが、そこではがんの専門家が おられないということで今日お願いしたいと、こういうわけであります。ですから、こ ちらの問い合わせに戸惑いを覚えると言われたのも、そういう点があったのではないか と思います。  それでは、今からいろいろ意見をちょうだいしたいと思いますが、どなたか意見ござ いますか。 ○□□委員  PKCの活性化があるということが一番大きな根拠だと思うんですけれども、この回 答の中に1,2-ジアシルグリセロールはPKCを活性化するけれども、この製品の主成分 というか、どっちかというと1,3-ジアシルグリセロールが主体だと思うんです。そちら の方はそういう作用がないというのは、そっちが中心だということになっていまして、 ただ、その文献が番号だけでどの文献かこの公開された資料には書いていなかったの で、ちょっとチェックできなかったんですけれども、そういう論文が三つぐらい、一応 回答の中であるんですね。それが本当と考えていいのかどうか、もし御存じだったら教 えていただきたいと思うんです。 ○□□委員  この回答書の9ページを見ていただけますか。ここのところでこの物質、エコナの 1,2-DG、1,3-DGの比率が書いてあります。そうしますと、エコナはDGが86.6%と いうことで、通常の油ではTG(トリグリセリド)が90%を超えますので、全然違うわ けですよね。じゃ、DGのうち、どっちが多いかというと1,3-DGとなる、じゃ、1,2- DGはほとんどないのかというと、実は31%ある。これは明らかに他の植物油と比べて 1,2-DGだってべらぼうに多いわけです。ですから、そういう意味では、1,2-DGは問 題にならないということは全くなくて、1,2-DGは問題になりますということです。で すから、レトリックでいろんな使い方をしていますけれども……。 ○□□委員  TAGでも摂取すればDAGに変わるわけですね。 ○□□委員  変わるんです。 ○□□委員  1,2 にかなりの分が。そういう意味では1,2 の体内の含量は同じと書いていますけれ ども、10ページでは、このものと同じと書いてありますので、TAG由来のDAGに関 しては一般の食品として今までずっととってきたものと同じと考えてよろしいんじゃな いかと思うんです。その差を言うとすれば、1,3 がどうなるか、もっと強いPKCの活 性化があるのか、やはり、ここで言っているようにない、光に弱いと考えていいのか、 その辺がキーになるんじゃないかと思うんです。 ○□□委員  TAGにはないと一応考えていいんじゃないでしょうか。それこそ現時点の文献検索 からとしか言いようがないですね。 ○□□参考人  ですから、私がプロポーズしたのは、1,2 が分解される前の臓器、この辺の臓器では どうなっているのかをチェックした方がいいんじゃないかと。 ○□□委員  ただ、こういうPKCの活性化というのは、あくまで細胞内の出来事ですから、外か ら与えたDGが細胞の中に簡単に膜を通して入るかというと、多分入らないだろうと。 ○□□参考人  その文献は私が見た範囲では、スムースマッスルでの報告があったんですね。それ で、この辺は偏平上皮ですから、それは一体どうなっているのかというのがわからない ので、それを一々調べるのだったら、発がん実験で確認するのが一番ダイレクトに答え がでるかなと。 ○□□委員  細胞内にはなかなか入らないというのが一般論ですよ。先生が懸念されている特殊に 口腔粘膜とか、そういうものではDGがそのまま細胞内に入って、細胞内でDGが切り 出されてPKCを活性するのと同様の作用を発揮するのではないかというふうに言われ ると、いや、そんなことは絶対ないということはだれも言えない。ですから、非常に難 しいです。 ○□□委員  ほかにございませんか。 ○□□委員  □□先生が先ほどマヨネーズが問題なのか、エコナの油が問題なのかというふうに指 摘されたんですが、当初、いろんな匿名の方とかのクレームは、当初はマヨネーズがい かんという話だったんですが、そのうちだんだん拡大解釈してこられて、エコナ自体が いかんという論議になり種々の疑義が提出されています。ですから、そういう意味では エコナ自体に問題はないかという観点から我々はいろいろ検討する必要があると感じて おります。 ○□□委員  ほかに御意見ございませんか。 ○□□委員  花王からの回答ですと、動物ですけれども、糞中のドライマターとして、50ppm 以下 は検出不可という回答をしているんですね。要望書の中で書いているのは、常時糞中に 存在するDGが6ppm ぐらいという話をしていて、そこに私自身の中で理解できない差 があるんですね。結局、どのぐらいのレベルが、もしそのPKCを活性化してというよ うなことがあるとしたら、もしどのぐらいのレベルが本当にそういったプロモーション 作用があるのかというようなことはわからないと思うんです。 ○□□委員  それはわからないですね。 ○□□委員  その辺がちょっと引っかかるのと、もう一つは大腸の場合には、1,2- ジグリがその まま吸収されるというような言い方にもなっているんですが、私、その辺の吸収のとこ ろがよくわからなくて、そんなことがあるんだろうかというのが私の中での疑問なんで すが、どなたかお答えいただけませんか、その辺に関して。 ○□□委員  原則的には小腸ですよね。 ○□□委員  そうなんですけど、もし大腸まで行った場合に、そういうことはありますか。私の常 識ではないんです。脂質の吸収に関しては。 ○□□委員  100 %消化吸収されるわけではないので、今までのいろんな文献的なもので見ると、 二、三%は消化吸収されないで大腸へ移行していると思うんですけど、その大腸の上皮 細胞に接触して何か作用するという前に、腸内細菌によってシカされていく可能性の方 が高いのではないかと思うんです。 ○□□委員  それ以上になったら人間は下痢してしまいますのでね、油というのは。 ○□□委員  それが一応、このものに関しては、特に観察はされていないということですから。 ○□□委員  そのあたりも、動物実験をするときもなかなか難しいですね。この23.5%という提案 をしていただいているんですが、これも通常の脂肪摂取量に、もしもこの油を上乗せす るとしたときに、毎日コップ1杯の天ぷら油を飲んでしまうというような話になったと きには、下痢してしまう可能性も否定はできないと思うんです。ですから、大量摂取と 言いましても、油の場合はなかなか難しいんです。通常は、肉とか、あるいは魚とかに 含まれている脂質もありますし、バターのように目に見える固形的なファットがありま すし、今の油のようなオイルもあります。この場合、マヨネーズだけでこれだけの量を 摂取すると言うと大変なことで、とても投与できないでしょう。そういった問題点もあ るわけですけれども、一応、第一調査会、□□先生が委員長をされたところでは、安全 性及び有効性に関しては、特段の支障はないという報告を受けたわけであります。  しかしながら、今日、がんの専門家の方にお忙しいところを来ていただいたところに よると、やはり蓋然性の面において、このDAGが、特に大腸でPKCを活性化しプロ モーターになる可能性を100%否定できないということでありました。しかしなが ら、委員の意見では、大腸へ到達することは、まず通常の摂取量では考えられない。そ れ以上になったときには下痢をも起こす可能性もある。こういうような意見であったの ではないかと思います。  業者からの報告ではありますが、ラットを用いた混餌投与による2年間のがん原性試 験、この報告書によりますと、このレベルではというのが正確なのかもしれませんが、 発がん性は認められないということであります。このデータからは、プロモーション作 用はないと考えられるわけでありますけれども、やはり慎重に考えますと、in vitroで あり、蓋然性の問題ではあるかと思いますが、消費者側から言えば、もう少し確かめて おいてほしいというようなことにもなるかと思いますので、第一調査委員会の意見によ りまして、一応、特定保健用食品としては、安全性及び有効性に関して特段の支障はな いということが認められるわけですが、念のためにということで、追加試験を行い、報 告をしてもらうということにしたいと思います。どういうデザインで実験をやるかは、 第一調査会の先生方とも相談しまして、私、座長と今日の参考人である□□先生とにお 任せいただいたらと思います。□□先生はいろいろとそういうことを御存じですし、毒 性学の立場でもよく御存じでありますので、そのようにさせていただきたいと、このよ うに考えておりますが、よろしゅうございますでしょうか。 ○□□委員  一言よろしいですか。私が発言しますと、専門的な科学的な知識とはおおよそかけ離 れたことになりますので、ただ、黙っておりましたけれども、□□先生も先ほどおっ しゃいましたように、特保の許可が出る前に発売されている。私も買ってみたんです が、マヨネーズタイプだけじゃなくて、その後にドレッシング、中華、イタリアン、そ れにも全部そういうふうなコマーシャルのフレーズが全部ついております。エコナクッ キングオイルを買いますと、それにもくっついていまして、マヨネーズを買うと、それ にもくっついている。そういう売り方をしているということで、御近所の奥様に聞いて みましたら、かなり買っているんですね。ということは、自分の健康に何となく不安が ある、今よりも健康でありたいということで、普通の人は同じマヨネーズ、同じ油を使 うんだったら、これを食べている、そういうふうな奥様たちの意見であったんです。先 生方も既に御存じのように、表示について東京都も優良誤認ということで、花王に申し 入れをしておりますし、それから、公取も2回注意しているのにもかかわらず、会社側 が非常に対応が悪かったということで、消費者側はやはり注目しております。だから、 安全性の問題とそういうところが加味されてエスカレートしてきたのではないかと思っ ております。今、先生がおっしゃったように、もう一段階テストをするということは、 消費者側としては非常にお願いをしたいと思うことでございます。  それからもう1点、これはいつかお時間があるときに、やはり保健機能食品と医薬部 外品との相違、それから、こういう食品の制度のあり方について、事務局側はどういう ふうに思っておられるか、もう少しデータを出して質問をしてみたいと思って今日は用 意しておりましたけれども、ちょっと場違いですから、この次にさせていただきたいと 思います。よろしくお願いします。 ○□□委員  今、いわゆる健康食品の制度にかかわる検討会を開いておりまして、消費者からもそ ういう意見をいろいろ聞いておりまして、もう一度制度をどうするかということを検討 し始めておりますので、ぜひ先生も、公開制になっておりますから来ていただいて、聞 いていただけたらありがたいと思います。ありがとうございました。 ○□□参考人  終わった後での質問なのですが、DAGとTAGの血中濃度と、腸内の濃度が変わら ないと言っていること自体は、効果がないと言っているように聞こえるのですけども。 ○□□委員  実験の精度とかいろんなことでの限界があって、本当に違わないとすると先生がおっ しゃるように、ではどうして効果は違うのという疑問が生じてきます。これも一群10匹 程度しか使わなければ効果がないように、差がないようになるけれども、100 匹使えば 差が検出できるかもしれない。いずれにしろ、花王のいろんな回答に関しては、非常に 巧妙に答えてくれるんですが、じゃ、プロテインカイネースCを直接どうして測らない のかというような疑問も残ります。ですから、そういう意味では、花王の回答には不満 足なところも多いということも事実です。ですから、そういう意味でもう少しディスカ ッションができればということで、今日はいろいろ貴重なご意見をありがとうございま した。 ○□□課長  今、部会長がまとめていただいたので、事務局として進めさせていただきますけど、 2点ほど確認させていただきたいんですが、今、□□先生からおっしゃられたPKC活 性の関係なんですが、先ほど□□先生の方から蓋然性という言葉がありましたけど、そ の蓋然性の程度というのが当然問題になるわけでございますが、in vitroではPKCを 活性化するというデータはあるけど、in vivo ではないということでよろしいのかとい うのが1点と、もう1点は先ほど□□先生の方から御指摘いただいた、発がん性を否定 するためには、もっとたくさんのネズミを使った実験というのがあったんですが、今回 の試験というのは、例えば、OECDの発がん性試験というような、一応、標準的なも のに沿ってやられておって、標準的な統計処理がされている。その範囲内で、その試験 から見ると発がん性がないということでよろしいのか、その点だけ確認させていただけ ればと思います。 ○□□参考人  我々が発がん性のデータを見るときは、一般的には腫瘍だけじゃなくて、正確に言え ば、もっと前がん病変から増殖性病変全部をみて、例えば腫瘍では余り差がないけれど も、前がん病変で、例えば、あやしげな変化が出ている。そういうときには、次のステ ップですね。大きなたくさんの動物を使った試験だとか、あるいはイニシエーション、 プロモーションの二段階の試験で確認するということはありますけれども、今回のデー タではインシデンスしか出ていないので、詳しいものはないですけれども、インシデン スでほとんど変わらないので、まず、腫瘍がそれほど増加しているという印象はない。 これはこれで僕はいいと思っている。たしか自由摂取で投与している群がありましたけ れども、その自由摂取群では、かえってDAGの方で腫瘍が減少しているというデータ もありますので、そういう点も考えるとDAGで腫瘍を単独で増加するというようなこ とは、まずないんじゃないかというふうに思います。ですから、これはこれで僕は十分 ではないかと思っています。 ○□□参考人  □□先生の今の自由摂取の場合に、腫瘍が減少しているのは、サバイバルが短くなっ ているんですね。 ○□□参考人  DAGとTAGの両方とも短く、その群の中では大体同じですから。 ○□□参考人  DAGの方がひどく短くなっていて、しかも下垂体の腫瘍のインシデンスは上がって いるんです。ですから、どの臓器に対する影響を見るかによって、自由摂取のデータは 下がっているとか、上がっているとかという読み方が難しいと思うんです。私はやは り、このSDの系では限界があると思うんです。 ○□□参考人  どうしても下垂体腫瘍が今後増えてくるということがありますから。ただ、逆に言う と、乳腺腫瘍に非常に感受性があるということはあるんですけどね。 ○□□参考人  ですから、むしろ、これは二段階発がんみたいに考えられてプロモーションを見てい る可能性があるんですけど、データが非常に見にくい系になってしまっているから、そ れでちょっと高めに出ているので、もっとイニシエーターを使ってはっきりさせた方が いい。私もよく知らないであれなんですが、OECDのあれですと、プロモーター自身 でも弱い発がん性を示す物質もありますけれども、示さない物質もありますので、そう いうものは見なくていいということになっちゃうわけですよね。 ○□□参考人  この結果からはそうなります。ちょっと課長の御質問にもお返事したいと思います し、今、□□先生からの御指示に対してもお答えしたいと思いますけれども、今御審議 になっているものが食品であって、我々が通常安全性の試験をする対象のものと非常に 違う、従来、我々が取り扱っているようなガイドラインの線上のものでないということ は認識いたしております。したがって、難しいということも確かであります。それにつ いては、私たちはOECDのガイドライン等に即して行われていたかどうかというこ と、そういう点から先ほど来の御返事はいたしました。そして、それに沿った形での考 え方しか申し上げる方法は残念ながらないと思います。  と申しますのは、バックグラウンドになるデータもございませんし、国際的な標準的 な基準もございません。食品というのは、先ほどの御議論にも出ておりましたように、 ちょっとしたとり過ぎでもって、お米でも何でもいろいろなものの実験をやれば、発が ん性を上げたりなんかするものですから、問題はそれを本人が自由意思で摂取するか、 販売されたものを消費者が買うかというところが、恐らく、こちらの会議では重要な問 題なんだろうと思いますので、それは私どもの認識には組み込まれておりません。  それから、先ほどの動物数等につきましても、ここでの例に挙げていいかどうかわか りませんけれども、カドミにしても水銀にしても、一般の国民の中の暴露がわかってい る状況に中では動物実験は無力でございます。□□先生が先ほどおっしゃっていますよ うに、膨大の数での人間を基盤にして疫学研究以外無力であります。問題は最初にも申 しましたように、ここで疑義がかけられている発がん性に関する疑義とか、発がん性に 関する蓋然性というものの中に、in vivo のデータはないというふうに私どもは了解し ておりますので、その範囲では、その範囲での実験をして差し上げるのがお役に立つか もしれないし、そしてまた、それ以上のことは、それ以上のヒトのレベルでの疑義が出 たら、それは疫学的に、それに即した何十万というオーダーでのサーベイをなさって結 論を出していただくということだろうと思います。 ○□□委員  ありがとうございました。  それでは、エコナの方の審議はこれで終わりたいと思います。参考人の先生方、御多 忙のところ、わざわざおこしくださいましてありがとうございました。                  (参考人退室) ○□□委員  ここで5分間ぐらいの休憩に入ります。                   (休憩) ○□□委員  それでは始めさせていただきます。  次は、審議品目の一覧というのが資料2についてございますが、それの1番目の「ヘ ルシーコレステ」について審議に入りたいと思います。申し合わせに基づきまして、申 請資料に対する委員の関与について事務局で確認しましたところ、該当なしということ であります。  それでは、概要について、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局  ただいまより、日清オイリオ株式会社から申請のございました「ヘルシーコレステ」 について御説明させていただきます。  当該食品は、関与成分といたしまして、植物ステロールを含む食用調理油でございま す。許可表示内容は、「この油は、コレステロールの体内への吸収へを抑える植物ステ ロールを豊富に含んでいるので、血中コレステロールを下げるのが特長です。コレステ ロールが気になる方の食生活の改善に役立ちます。」というふうに記載しております。 また1日の摂取目安量は、1テーブルスプーンといたしまして、14グラム、そこに含ま れる植物ステロール0.45グラムの分量でございます。摂取をする上での注意事項といた しまして、「多量に摂取することにより、疾病が治癒したり、より健康が増進するもの ではありません。」と記載しております。  続きまして、安全性についてですが、まず、非臨床試験での安全性試験としまして、 細菌を用いた変異原性試験、ラットでの急性経口毒性試験、90日間の反復投与毒性試験 の結果が添付されております。ヒト試験におきましては、健常な男性を22名対象にいた しまして、当該食品の摂取目安量の3倍量を、これは42グラムになりますけれども、こ れを4週間の過剰摂取により検討いたしました。その結果、通常、食用油を摂取させた 対照群との間に差はなかったというふうに示しております。  続きまして、有効性についてですが、有効性についても、ヒト試験を実施しておりま す。男性を被験者といたしまして、60名を対象にし、二重盲検法デザインで、2週間の ウォッシュアウト後、関与成分を除いた食用油を対象に12週間の試験を実施しておりま す。対象の総コレステロール値を200mg/dL以上とした層別解析で摂取4週より、総コレ ステロール値の低下率に有意であると示されております。  以上、簡単ではございますけれども、本製品の概要について御説明させていただきま した。御審議のほどよろしくお願いいたします。 ○□□委員  それでは、調査委員会の方から何か追加ございますか。 ○□□委員  これは今までのステロールを含んだ油脂の特定保健食品で許可したものとほぼ同等の 効果があるということでいいのではないかというふうに考えています。アメリカの高コ レステロール血症治療指針でも植物性ステロールの摂取がすすめられているということ も含めていいのではないかという解釈です。 ○□□委員  LDLコレステロールは下がらないのですか。 ○□□委員  下がっているんですけれども、有意差がない。前に許可になった「サララ」という味 の素のも同じで、あれよりは効いていると思う。これまでに許可になっているのは、あ と花王のエコナ植物ステロールを含むであり、それはヒトでの有効性試験を1か月しか やっていないで許可になっていますので、今回は3か月やっています。 ○□□委員  どなたか御意見ございませんか。 ○□□委員  エコナとも関連するん表示の内容ですけれども、「気になる方」という言い方が私は 気になっているんです。と申しますのは、データは実際には高めの人だけに有効だった ということですよね。気になるというのは、高めだから気になるということもあります が、油がどうも危険だから、できるだけ健康にいい油を食べたいなというふうな形で気 になる。でも、特にコレステロールが高いわけではないという人たちがこういうものを 使うという可能性もあるわけで、恐らくエコナは、そういうことをうまく利用しながら 販路を広げたというか、販売量を広げたという側面が否定できないんじゃないかという ふうに思うんです。ですから、「気になる」という言い方がちょっと曖昧すぎて、もう 少し明確にした方がいいんじゃないかというのが、エコナで引っかかって思っている問 題点の1点目です。  それからもう一つ、摂取をする上での注意事項の中に多量に摂取しても、疾病が治癒 するわけではありませんよというのが一般的な注意事項の中にあるんですけれども、油 だって、もし体にいいんだったらちょっと多めにとってもいいかなというような感じで 大量に摂取する人がいるとしたら、これは多分コレステロールも上がる可能性もあるわ けですし、その辺に一定程度の歯止めをかけるような注意というのが、油については必 要ではないかと思います。たくさんとれば、こういうものではカロリーが上がって肥満 などに結びつくんですよということが出せないだろうかというのが私の意見ですけれど も、難しいでしょうか。 ○□□委員  表示の方は、多くがそうなっているんですね。「気になる方」というのがね。これも 先ほど申しました健康食品の制度の在り方検討会で、ある程度そのあたりへも接近でき るのではないかと思っております。つまり、リスクリダクションをコーデックスでは認 める方向になってきましたから、日本でもどうするかということです。その問題はちょ っと置いておきたいと思います。今のたくさんとりすぎについては、一応ここに目安量 として書いてありますが。何か□□先生の方からコメントございますか。 ○□□委員  どこまで危険表示をするかというのも、難しい問題です。とりすぎたらいけないこと は事実ですが、どれぐらいとりすぎたらいけないのかといったデータは何もないわけで す。ですから、勢いとり過ぎの警告表示を具体的におこなうことはかなりむつかしいこ とになります。 ○□□委員  このものも含めて、日常の食生活の中で、総脂肪の摂取量というのは適正範囲にとど めるようにした方がいいというようなことは書けないですかね。 ○□□委員  それは摂取の目安量で守っていただくしかないんじゃないでしょうか。それで、守っ ていただいた上で大量にとっても、別に過剰にというか、非常に効果が上がるものじゃ ないという意味で摂取上の注意事項があるのかなというふうに私は理解しているんです けれども、そういう意味で、摂取の目安量を守っていただけないということになると、 結局それはまた違う次元の話にならないかなと思います。 ○□□委員  これには平均摂取量までと書いてあるんですけどね。 ○□□委員  先生がおっしゃるように、私もここへ来てまだ日にちが浅いものですから、表示を見 てびっくりしたところがございます。今の目安摂取量のことについても、私、食品なの に、なぜ1日3回何錠という書き方をするんですかということと、それから食品だから 少しオーバーに食べてもいいじゃないかという気持ちがありますので、そういう質問を しましたら、それは消費者の方が悪いということをここでぴしゃっと言われてしまった んですね。今、□□先生がおっしゃいますように、ここはおかしいなという表示、エコ ナのときもそう思いました。そうすると、前から手をつけなければいけないんですよ。 いみじくも□□先生が、前もそれはオーケーと言っているから、今度もオーケーと言わ ないのはおかしいのでというふうになっちゃうんですね。事務局の方もそういう意味 で、これが特保の製品を食べてほしい、必要としている人以外に使われているというこ とが問題なんですよね。  そういう人たちに対しては、事務局としては正しい食生活という方にウエートを本当 は置いてほしいんですけれども、ちょっと行き過ぎると、ビジネスに結びつけて業者が そういうオーバーな表示をする。ここにはお役所の目も光っていますから、そう書けな くても、プラスアルファのセールストーク、ちょっとした紙をここへぶら下げるとか、 テレビでうんと言うとかそういうふうになっちゃうんですよね。それはどうするんです かといったら、そういう権限はないと役所の方ではおっしゃる。やはり、こういう特保 という制度は、私ども素人は、国がちゃんと安全性を見てくれている、これを食べるか らには健康食品の一つなんだというふうに思っているんですね。そうすると、この表示 がいささかおかしくても、じゃ、ほかのを食べるより、この方がいいんだというふうに なってしまう。だんだんエスカレートしていくと、今度のエコナみたいになっちゃいま して、純粋な、専門的ないい悪いというのではなくて、マヨネーズの業界が特殊な業界 であって、寡占の業界であって、今、花王に入ってこられると困ると、そういうふうな ところまで入っちゃうというふうに聞いております。そうなると、私なんかは、それは 安全性と違う問題ではないかというふうに思いたいんですけれども、ビジネスにそれを くっつけて売ろうしていくということになりますと、これは食べ物なんだから、ビジネ スというふうに、その範囲だけに力を注いでほしくないと、そういうふうに思うんで す。  非常に複雑なところに、私どもは来ておりますので、言いたいのは、保健機能食品と いうことに対して、今から厚生労働省はどういうふうに思っておられるのか。どんどん 増えているということを聞いております。そうなると、先生方の専門家の方が時間と労 力を使って一生懸命吟味なさっている。一体それでいいのかなという気がするので、先 ほども申しましたように、何か機会がありましたら、その点についても資料なり、私ど もが納得するようなデータなりがありましたらお出しいただきたいと思います。 ○□□委員  では、どういうふうに考えられたらよろしいでしょうか。例えば、私も第1回から ずっと特定保健食品の審査をやってきておりますけれども、一番最初の議論というの は、やはり多くの過剰表示が巷に氾濫していて、それは非常にまずいと、だからこの制 度ができたと思うんですけどね。そして、そういうプラスの面というのが特定保健用食 品でずっと続いてきたというふうに思いますね。もちろん全てがプラスとは言いません けれども。しかし、特定保健用食品は初期のころは余り消費者に浸透していなかったわ けです。しかし、ここへ来て基本的にはいろんな人に浸透してきた。おっしゃっている のは、逆に今度それを利用しようという立場の人が出てきたということですね。 ○□□委員  ビジネスとして、それを販路に使う。 ○□□委員  そうすると、厚生労働省、農水省などは、いろいろなことでビジネスとしてそれを使 うことはけしからぬという議論になるのでしょうか。 ○□□委員  食品として、この特保の製品を必要としている人に対してお売りになるのはちっとも 構わないです。 ○□□委員  原則としてはそういうことをやっているんじゃないかと思いますけどね。 ○□□委員  保健機能食品の制度が私もびっくりしたんですが、2001年4月にスタートなんです ね。 ○□□委員  新規の制度はね。 ○新開発食品保健対策室長  特定保健用食品という制度は平成3年からもうあるんですよ。 ○□□委員  こけしマークとか、そういうのは知っていますが、保健機能食品の中に特保と栄養機 能と2つ出てきたと。 ○新開発食品保健対策室長  2つになったのはおっしゃるとおりです。栄養機能食品が後からです。 ○□□委員  栄養機能食品のところでみんながわからなくなっちゃったわけです。実は最近は主婦 連の事務局に……。 ○□□委員  「健康食品」の制度のあり方検討会でも言われております。だから見直していこうと いうことです。例えば、余り具体的な健康食品の名前を言うのは問題がありますけれど も、その検討会で私は仮に「松の葉っぱ」というように言ったんです。いろんな葉っぱ が実際ありますので、松の葉っぱもひょっとしたらあるかもしれませんが、松の葉っぱ に何か保健の用途に資するものがあったときに、そこへビタミンCを入れていて、栄養 機能食品の指定された上限値、下限値を満足していたら、それを栄養機能食品として 売っているんです。当初検討会で予想されていたことと違う使われ方をしているんです よね。「健康食品」制度の検討会で消費者団体のもう一人の□□先生から指摘がありま した。それで栄養機能食品を見直していこうということも議論になっております。 ○□□委員  きらんとそれを守ってやってくだされば、まだ私どもは応援したいジャンルなんです けれども、例の有機食品もそうですよね。無農薬、低農薬と、あれもごちゃごちゃだっ たのが、農水省がきちんとそれを整理されたという意味では、あれで有機食品というの が俄然減りましたよね。やはり罰則があるから。そういうふうにきちんとしていただく ために健康食品に手をつけてくださるのはいいんですけれども、まさにこの栄養機能食 品というようなものは、今ここへ出ていますね。これは特保のサンプルとして出てきて いるんですが、私が買ってきたものは、これは栄養機能食品なんですね。これが同じよ うに並んだときに、釈迦に説法ですけれども、この栄養機能食品が勝手に申請して、勝 手に販売していい。ただし、枠はありますよね。栄養成分はしなきゃならないし、上限 下限の中できちんとその値を守りなさいという枠がありますけれども、そういう勉強を しない私どもの普通の食品知識で……。 ○□□委員  表示とか、そういうものをもう少しわかりやすくした方がいいのではないかというこ とですか。 ○□□委員  それもありますが、なぜ栄養機能食品みたいなものを……。 ○□□委員  保健機能食品とか特保がいけないとかそういうことじゃなくて。 ○□□委員  厚生労働省の許可を得ないでも、こういうのは出せるんですよということが書いてあ るんですね。書かなきゃいけない。そうすると卵にも書いてありまして……。 ○□□委員  卵、せんべいのことも検討会で話題になりました。 ○□□委員  そうなんですよ。そうすると、一体何だこれはということになっているのが現状なん です。 ○□□委員  結局、これは議事録に残るのも嫌なんですけれども……。 ○□□委員  そうですね、私も嫌ですね。 ○□□委員  いろいろ次から次へと抜け道を見つけてくるんですね。ですから、健康食品に関する 正しい情報を流すように、またその情報を受けて消費者が健康食品を的確に選択できる ようにということで、一応アドバイサリースタッフというシステムもつくったんですけ どね。まだ十分機能もしておりませんけれども、いろいろな対応を厚生労働省は考えて はおるんですけれども、何かイタチごっこみたいになっております。  それで、健康食品の制度をもう一度きちんとしようと。だから、先生が先ほどおっ しゃったように、特保のことについても、一度許可があったら永久にオーケーではなく て、もう一度見直す、再審査していく機会もどうかというのはこの部会でも話題になり ましたので、それもどうするかということも踏まえて検討していきたいと思っておりま す。なかなか難しいです。 ○□□委員  □□先生と□□先生の指摘のように、前に言われている表現だから今度もしょうがな いんですよねというふうなのがあったときにどうするか、前のも改めてもらうようにす るかということも含めて……。 ○□□委員  そういうシステムが今ないわけです。それは現在の制度下ではやむを得ないというこ とです。 ○□□委員  それはしょうがないという意味でおっしゃったんじゃなくて、一応こういう規格があ るから、それに合っているから認めようという話ですよね。 ○□□委員  それは安全性の方でおっしゃったんです。今、□□先生が「気になる方」という、こ の言い方がどうもということに対しても、前も許可しているから。 ○□□委員  ですから、それも検討していこうという話になっています。できるだけ、そういう方 向では動いてはおるんですけれども、やっても、またイタチごっこがあり得るので非常 につらいところですね。  さて、本題に戻らせていただきまして、「ヘルシーコレステ」は、部会としては、一 応特定保健用食品として安全性及び効果に関して特段の支障がないということとしたい と思います。よろしゅうございますね。               (「異議なし」と声あり) ○□□委員  それでは次に、「豆鼓エキス つぶタイプ」について審議いたします。申し合わせに 基づきまして、申請資料に対する委員の関与について事務局で確認いたしましたとこ ろ、該当なしということであります。概要について事務局から説明をお願いいたしま す。 ○事務局  では、日本サプリメント株式会社より申請のございました「豆鼓エキス つぶタイプ 」につきまして、事務局より御説明させていただきます。  本品目は、トウチエキスを関与成分といたしまして、糖の吸収をおだやかにするの で、血糖値が気になり始めた方に適した食品である旨を保健の目的とする錠剤タイプの 食品でございます。関与成分の本体はα−グルコシダーゼ阻害活性を有しますトリスで ございまして、品質管理の指標としまして、このトリスを用いております。  摂取目安量は、1日当たり6粒でございます。摂取をする上での注意事項といたしま して、「本品は治療薬ではありません。糖尿病の治療を受けている方や、糖尿病の疑い のある方は、糖尿病薬との併用により、まれに低血糖を起こすことがありますので、あ らかじめ医師などの専門家にご相談の上お召し上がり下さい。胃や腸の手術を受けたこ とのある方は、あらかじめ医師等とご相談の上お召し上がり下さい。なお、本品は多量 の摂取により疾病が治癒したりするものではありませんので、1日の摂取目安量を守っ てお召し上がり下さい。」と記載しております。  続きまして、有効性に関してでございますけれども、有効性に関しては、当該食品を 用いましてヒト試験を実施しております。対象は47名の糖尿病境界領域者で6か月間の ダブルブラインドでプラセボ群との群間比較を行っております。  なお、本試験におきまして、特定保健用食品の本来の対象である糖尿病者との境界領 域のものでの有効性が明確ではないという指摘事項が調査会からございまして、その指 摘事項に対しまして申請者は、プラセボ群との群間比較を行いまして、その結果、有意 に差があると回答しております。  次に、安全性についでございますけれども、トウチそのものは中国での伝統食品であ る発酵大豆でありまして、日本では室町時代から食されているものでございます。な お、このトウチエキスを関与成分といたしました特定保健用食品は既に許可前例がござ いまして、本品の申請者が平成13年12月19日に「食前茶」という販売名で許可を取得し ております。また、当該食品で過剰摂取試験を行っておりまして、摂取目安量の5倍量 を5週間にわたり41名の被験者で安全性試験を実施したところ、特に問題となる所見は なかったということでございます。  事務局からの説明は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○□□委員  これは第一調査会の担当ですか。 ○□□委員  これは第一調査会で審議したものです。 ○□□委員  何か調査会の方から。 ○□□委員  この商品における有効物質は、トリスというよく生物科学実験で使う極めて安価な物 質であります。アイディアとしては非常に優れているんだけれども、製品の安定性であ るとか、製品が本当にトウチのエキスを使っているかどうかということが、商品管理上 問題になりました。 ○事務局  一応、品質管理の指標としましてはトリスということで。 ○□□委員  トリスだけを管理していくんですか。 ○□□委員  いや、αGI(アルファグリコシダーゼ阻害)の活性も見ていく。 ○□□委員  これは資料から見ると、大豆から由来するダイゼイン含量も測定しています。ですか ら、ダイゼインを測っておけば、豆鼓と保証するかどうかちょっとわかりませんけれど も、とりあえず、大豆が入っているということは、あきらかにできるのではないかと思 います。私もその辺は気になったんです。トリスは安いですから。 ○□□委員  いわゆる試薬のトリスですか。 ○□□委員  トリスを入れただけでも、今のトリスの定量とα−グルコシダーゼ阻害作用だけで は、豆鼓が入っているという保証にはならないんじゃないかというふうに私は思いま す。 ○□□委員  どうですか、今の点について事務局の方は。確認はどういう形でされたのか、してい ないのか。難しいでしょうね。「ほんまですか」と聞いて、向こうは「ほんとや」と 言ったら、しかたがないんでしょうね。厳密に言ったらね。□□先生どうぞ。 ○□□先生 前の「食前茶」のときにそうなんですけれども、本当にそれがトウチエキ ス、あるいはトウチが使われているということをどうやって保証するんだということは 問題になりました。でも、現実は、それは会社できちんと管理していただくというとこ ろにとどまっています。それが現実です。トリスというのは、御存じのようにどこでも 手に入るし、安価に入る。すなわち、それを言われてしまったら、我としてはどうにも ならない。αGIにしましても、それは、トリスに起因するわけですので、どうにもな らないということなんですね。ですので、これは会社は信用するし、会社の方々は忠実 に守ってほしいということをお願いしているにとどまっています。 ○□□委員  また制度の問題ですけどね、健康食品にGLPをどうするかということも話になって きたんですけれども、医薬品の場合はかなり徹底して言えるんですけれども、食品の場 合、どの程度言えるのかというのも非常に難しいですね。これもそうだと思います。だ から、化学合成品なのか、本当に大豆からきたものかという区別が現時点ではできない わけですね。企業からのお話を信用するしかないというところですね。 ○□□委員  トリスは食品添加物で認められているんですか。 ○□□委員  それはそうですね。 ○□□委員  薬として認められています。 ○□□委員  薬というよりも、食品添加物としては。 ○□□委員  薬として認められたら同じことです。認められないものはだめですから。これはもと もと自然の食に入っておるということで、食品でいけるわけですから。 ○□□委員  食薬区分でトリスというのは実際に薬品に属しているわけですね。だけれども、添加 物として……。 ○□□委員  量も違いますね。一方は純正化学物質ですし・・・。どうぞ。 ○□□委員  ここの中に「『食前粒』は、錠剤に加工したことで、血糖値が気になり始めた方にと って抵抗感なく摂取でき」という言葉がありますけれども、やはりこれも、抵抗感なく 食べるということは、摂取量をきちんと守りなさいということとはつながらないんじゃ ないか。  それから、胃や腸の手術を受けたことのある方はお医者様に相談してくださいと書い てありますね。それはこの小さい表示の中に見えますでしょうか。多分、こういう食品 を必要とする人は、20代、30代よりももっと年がいった方じゃないかと思うので、非常 に字が小さいですよね。だから、そういう必要な文言はもっと大きく書いて注意してほ しいと思います。  それからこれは一番最後に、「本申請食品『食前粒』は、既許可食品『食前茶』の姉 妹品で、関与成分は同一です」という申告の中に書いてございますけれども、これはエ コナのクッキングオイルを使ったものでドレッシングをつくったり、中華何とかをつく った、イタリアンをつくったと、あれと全く同じことなんですよね。これは申請書に書 いてある。エコナの方は、もう既に紙に印刷をして個々の製品に入れて売っている。そ ういうふうなことを増やす材料をこの申請書の中で見られたときには、一応注意をして きちんとその芽をつんでおいた方がいいのかなという気がいたしました。 ○□□委員  我々としては、そういうことが書いてあった方が審査・判断する側としては判断しや すいというのがあるんですね。関与成分が同じで、これだけの量が入っているというこ とで、1つの傍証が事前にあったということですね。あともう一つは、これに関して は、この製品自体を使ってちゃんとヒューマンで試験をしてエビデンスをとっています ので、そういった意味では、関与成分が同じだから、それをもとにして許可をしたとい うことではありません。 ○□□委員  私が申しましたのは、こういうことが書いてある、特記事項にこういうことが書いて あること自体はよろしいんです。これを、エコナの例のように事務局の方にお渡ししま したが、それをまだ特保をとっていないものにもいっぱいそういう書き方をして売って いるという……。 ○□□委員  マヨネーズですね。 ○□□委員  そうですね。 ○□□委員  それはもしも過剰表示した場合には薬事法で取締まられるはずですね。 ○□□委員  特保だから認められているんですけどね。 ○□□委員  実態はそういうふうにして売られているから。 ○□□委員  それは完全に違法行為です。もしもそうだとすると。 ○□□委員  健康増進法ができて、過剰広告に対しても今度は取締りできるわけですよね。 ○□□委員  抵抗なく食べられるよとか、関与成分は同じですよというのは、この申請書でいうこ とはいいけれども、そういうのがまたひとり歩きして、ああいうふうにセールストーク に使われないように事務局で気を配ってほしいということとです。それからここで、大 豆の成分ですけれども、これが特保ですので、遺伝子組換えの大豆を使っていないとい うことぐらいの気配りをしてほしいんですが、いかがでしょうか。 ○事務局  ちょっと御説明したいことがあります。トウチエキスについての注意書きでございま すけれども、これは我々としては、先生方から、ぜひこういう注意書きを併せて表示す ることで特保として認めるという御指示をいただいているわけですから表示しなければ ならない。その点は御一緒の御意見ということでよろしいですよね。その表示が余りに も小さいと結局見えないし、見過ごしてしまうし、わかりにくいから、せっかく許可の 条件にしても、効果がないんじゃないかという御指摘でよろしいでしょうか。 ○□□委員  効果がないじゃなくて。 ○□□委員  文字が小さいから、その表示としての意義が薄れるという意味です。 ○事務局  その点については、我々、表示については、行政上特保の趣旨をちゃんと守った表示 にしていただくということが消費者への適切な情報提供としてあるべきことだと思って いますので、その分は厳しく、今までは必ずしも十分でなかったかもしれませんけれど も、表示事項についてもチェックして、必要があれば指導するというふうにしたいと 思っています。 ○□□委員  表示については、東京都も公取も2度も3度もメーカーに注意をしたと聞いていま す。 ○事務局  その点については、エコナについてのお話ですよね。 ○□□委員  ええ。 ○事務局  むしろ、ここは議事録に残る形ではっきり申し上げておきたいんですが、エコナにつ いて指導を行ったのは実は厚生労働省が最初でございます。新聞が取材に来なかったの で、あえてお答えしなかっただけで、そういう問題のある表示を行っているようなマヨ ネーズだから、これはもっと新聞でもどんどん書き立ててくれということがあるところ から投書があったらしくて、それを受けて新聞記者から公取へ指導した旨の事実を確認 したところ、公取は否定しないという答えたのが新聞に載ったということです。我々の 方が公取より先か、あるいは同じ時期に指導しておりまして、先ほどいただいたこれに ついては、こういうことは絶対やってはいけないと、マヨネーズの袋の中にこれが入っ ていて・・・。入っているというのは、オイルの方の特保をとっているよというチラシ ですよね。これは明らかに誤認を与えるからやめてくれと。これは特保という健康増進 法上の制度の趣旨からして法の趣旨に明らかに違反しているというのがありますので… …。 ○□□委員  それは特保をとっているクッキングオイルを使ってこのマヨネーズはつくっています よという書き方をしているんです。 ○事務局  それがまた誤解を招いてしまっていると思うんですが、そのこと自体は事実ですか ら、それは否定はできません。 ○□□委員  食品の一つ一つに特保の許可はとるようになっているんでしょう。 ○事務局  ですから、この表示は確かに小さい字でしか書いていないので、これは多分御批判が あるのでしょうけれども、「健康エコナ油を使用している健康エコナドレッシングソー スは、特保の許可を取得したものではありません」と、こう書いてあるんですよ。これ をもっと大きな字で書いておけば御不満もないと思うんですが、若干小さい字で書いて あるので、結局はエコナを使っているというところだけが象徴的に印象に残ってしまう から問題だということなのでしょうけれども、一応これだけをもって違法だとなかなか 言いにくい。先ほどの特保の表示が袋の中から浮かび上がるようになった、この表示の 仕方は確かに問題があると思ったので指導いたしましたけれども、特保の許可をもらっ た健康エコナをこのドレッシングとか、マヨネーズが使っていますよという、しかも小 さい字ではありますけれども、これ自体は特保の許可を得てはいませんと、こう注意書 きが書いてある、こちらの方についてはなかなか違反とまでは言いにくい。 ○□□委員  もしそれを使っているということを言い切るのだったら、それはそれなりにオーソラ イズされなきゃおかしいんじゃないですか。 ○事務局  そこまではちょっと無理ですね。 ○□□委員  だから、それが境界線なんですよ。 ○事務局  それは政策論議であって、今この場で私どもがどうこうということはできないことだ とは思いますけれども、いろんな御意見があろうかと思っていますよ。 ○□□委員  消費者側の気持ちは分かりますね。新聞広告の右側に何々きのこを食べたらがんが、 あるいは脳卒中が治ったと、その横に何々きのこの健康食品を広告しているというので よく見ていますよね。 ○□□委員  だから、横に書かないんですよ。食べた人の経験として書くんです。そうすると表示 の違反じゃないんですよ。本当にすれすれのところで売りたいものですから書く。経験 だから、その人が自分が食べてよくなったということについては誰も文句を言えません でしょう。そういうふうなところにきているので、特保ということで国がちゃんと見て くれているのであれば、紛らわしい表示はしないように指導してほしい。それはすると おっしゃいましたからいいんですが、許可表示の注意については一番初めに、これは厚 生労働省がやったんだということであれば、こういう委員会の席でひと言報告事項とし て、先だってこういうことで注意していますというような御報告があれば、もっと良か ったと思います。 ○□□委員  これは公開制ですから議事録にも残りますから。 ○□□委員  今、私が言ったからおっしゃったので、私が言わないとおっしゃらない。 ○□□委員  この下の分科会というか、評価委員会がありますけれども、そこでも先生と同じよう な議論はやはり日常的に出ています。先生のおっしゃるのも、やはり表示を大きくしろ というのは、これは当然の論理だと思いますね。それは正しいと思います。  それからあと、特に私なんかは特保の表示をなるたけ大きくして、特保であるという ことを誇りをもって、それがはっきりわかるようにするべきだということも、それから あとオーバーな表現についても、その場その場で問題提起して、きちんとやっていると いうことは一応、ただ、時間の関係でここには上がってこない可能性もあるかもしれま せんけれども、それはありますね。 ○□□委員  ぜひそうしてほしいです。 ○□□委員  今の概要版の5ページのところに、原材料の配合割合というのが書いてありますが、 使われている材料が書かれています。14ページのところに、実際の表示の内容が書いて あって、ここには原材料にはないようなものが書かれているんです。原材料名の中の一 番最後の「カルナバロウ」です。 ○□□委員  製剤化するときの材料だと思います。 ○□□委員  そうすると、これは原材料に入っていなくても問題ではないんですか。 ○□□委員  それはわからないですが、私、ちょっとコメントしようと思ったんですが、「カルナ バロウ」と書いてあるんですが、それは食品添加物名にはないので、「カルナウバロウ 」ですね。それを別名として「カルナバロウ」という言葉が認められているかどうか基 準課の方に確認していただければと思います。正式には「カルナウバロウ」ですね。 ○事務局  すみません。ケアレスミスかもしれません。 ○□□委員  これはしかし向こうが送ってきたんでしょう。 ○事務局  正しい文章に改めるのも我々事務局の指導の範囲です。 ○□□委員  今の□□先生の御指摘で5ページに明示していないけれども、このものを明示するこ とはいかがなものかということですが、いかがでしょうか。これは表示するしないは自 由なんですか。5ページには今のカルナウバロウが書いていないわけです。それが14ペ ージ、表示のところには入っておるが、それはいいんですかという質問です。事務局い いですか。ちょっとそれは法的な問題もあるかもしれませんので、調べていただいて、 その点を確認した上で対応していただきたいと思いますが・・・。 ○事務局  カルナウバロウというのは、書いてある以上は多分入れているんだと思いますけれど も、5ページの方の申請書ですね、こちらの方に正しく書いていただいていないという 方が多分問題なんだと思うので。 ○□□委員  それは調べてやってください。この場での想像ではいけませんので。 ○事務局  確認して、申請書を書き直させるという方向で検討します。 ○□□委員  そういう前提で安全性及び効果について特段の支障はないと、こういうことにしたい と思います。 ○□□委員  ちょっとすみません。やはり表示のことなんですけれども、α−グルコシダーゼの阻 害剤ということですので、医薬品のボグリボースとか、アカルボースなんか、これは問 題になったのは、血糖値が下がったときに、やはりブドウ糖を飲まないとしょうがない ということで、それが命にかかわることだということなわけですね。ここのところの 「糖尿病薬との併用により、まれに低血糖を起こすことがありますが、その際はブトウ 糖を摂取してください」というところ、これは全体が小さくなってしまうので、そうい う重要なところがなかなか見えないところじゃなくて、表示はもっと強く。 ○事務局  表示は適切に大きくさせていただきますけれども、資料の中ではブトウ糖を摂取する というようなたぐいの文言がございますけれども、それですと、基本的に食品ですの で、1回量はどれぐらいブドウ糖を摂取すればいいのかということは消費者はわかりま せんので、そういったことを踏まえて、とりあえず医師に相談してくださいというよう な使用上の注意に……。 ○□□委員  医師に相談していたら間に合わないので。 ○事務局  あらかじめ医師に相談しろという形にしたらどうか。 ○□□委員  14ページにあるわけですね。 ○事務局  実は14ページは企業側の申請の内容でございまして、これと同じ形で事前に分科会の 先生の方にも御相談に上がったんですよ。その過程で、先生から、特にブドウ糖のくだ りなんですけれども、一体どれだけブドウ糖を摂取すればいいのかもわからんし、ブド ウ糖なんて一般の消費者が手に入れられるようなものではない。正確にこれは医者の管 轄下でちゃんととれというふうに書きかえろと、こういう御指示があったんですね。そ れを踏まえて、実は□□委員と改めて御指摘の内容を相談して、今日お諮りした形の注 意書きでもう一度修正してお諮りしたという経緯がございますので、この概要版の方は ちょっと訂正が間に合わなかったと。 ○事務局  資料2でございます。 ○□□委員  ここはブドウ糖を飲むという話は書いていないわけですね。 ○事務局  「ブドウ糖」というのを削って、その代わりに「あらかじめ医師などの専門家にご相 談の上お召し上がり下さい」ということで、包括的に医師の管理下に入れろというふう に示したものです。 ○□□委員  このピンクに出ている方の文章はどうなっているの。 ○事務局  修正前のものが水色の方に入っていまして、直したものは、こちらの資料の2枚目で ございます。 ○事務局  事務局資料です。 ○□□委員  市販の薬でのアルファGI活性と、この豆鼓エキスでの活性は5,000 分の1です。 ○□□委員  5,000 分の1といっても、それは含量の問題であって、豆鼓のもともとのエキス、そ の固形にしたものか、液量かどっちかわからないですけれども……。 ○□□委員  この摂取量で比べたときの1回の摂取量というか、薬での摂取量と、このトウチの摂 取量で比べたとき。 ○□□委員  血糖値を下げる作用が5,000 分の1ということですか。 ○□□委員  そうです。阻害活性です。α−グルコシダーゼの阻害活性を比較した。そのトリスの 量とあとはグルコバイとかいろいろありますけど、比較したときのそのぐらいの活性で 非常に弱い活性というデータはあります。 ○□□委員  5,000 分の1というのがよくわからなかったんですね、その根拠がですね。 ○□□委員  同じ量を使ったときの阻害活性率。 ○□□委員  急性にとったときの空気の上昇が、ボグリボースだと完全に抑制しちゃうんですけれ ども、1時間ぐらいのところですね。これはちょっと上がっていますので、弱いという ことはわかるんですけど……。 ○□□委員  糖尿病薬との併用により、低血糖を起こすというのは……。 ○□□委員  血糖を下げる程度の量は摂取するわけです。濃度比で活性は低いといったって、たく さん摂ればそれなりに活性がありますので、糖尿病薬を服薬されている方では、低血糖 の可能性が出てきます。 ○□□委員  要するに、糖尿病薬と同じ程度のというか、併用により低血糖を起こすというのは、 それは実験的に既にその事例があるわけですか。 ○□□委員  実験的なデータはないです。 ○□□委員  ないと思うんですけど、一応念のためにというところだと思うんです。 ○□□委員  そうすると、これは、例えば医師などの専門家はどういう方かわからない。そうする と、普通のスーパーとかコンビニでは売ってはいけないということですか。 ○□□委員  基本的には、医師の治療を受けている場合には、医師と相談してということでしょ う。 ○□□委員  そうです。 ○□□委員  主治医に相談してくださいと。 ○□□委員  だから、特定保健用食品のコンセプトが、はっきり糖尿病と言われる人を対象にした ものじゃないわけです。だけど、糖尿病の人はより血糖をよくしようとして飲まれる可 能性はあるわけですね。 ○□□委員  そうすると、糖尿病の疑いのある方となってくると、やはり、そこら辺の表現は非常 に難しいですね。疑いがあるかどうかというのは、医師が判断するよりも、むしろ自分 自身で、医師が判断する……。 ○□□委員  だから曖昧なんですよ。あんまり厳密に言うと、これは薬品じゃないのということに なりますのでーーー。これは多分、□□先生もいろいろ御意見があるんじゃないかと。 糖尿病患者さんの行動形態としては、よりよくしたいという意欲が働きますので。 ○□□委員  治療薬ではないというふうに明言しているわけですから、いいんじゃないでしょうか ね。 ○□□委員  治療薬ではないけど、医師の監督下にというか……。 ○□□委員  万が一を考えてということですね。 ○□□委員  ほかに糖尿病薬を使っている人の場合だけですよね。 ○□□委員  そうです。同じ作用機序の薬が医薬品としてあるということが第一点ですね。ですか ら、その種の薬を飲まれている場合はこれを使う意味がない。また、作用機序の異なる 薬を飲まれている場合は、相乗作用が出てきますので、むしろ効き過ぎて低血糖を起こ しますよという二重の問題があるわけです。 ○□□委員  血圧の場合もそういう可能性はありますけどもね。そうすると、この摂取においての 注意事項の中で、この特記事項については、ほかのいろんなものについても、同様にこ れをそのままパターン化して使われおそれがありますね。これから使われる可能性はあ りますね。そうすると、そのときにいろいろケース・バイ・ケースで、このままそっち の方に持っていっちゃうか、こういうことがあったからというか、あるいは、いろんな 病気によって違うということで、そこのところを議論すべきかというのは、ある程度考 えた方がいいかもしれないですね。 ○□□委員  それはやっています。 ○□□委員  それならよろしいと思います。 ○□□委員  そこが個別評価です。 ○□□委員  そうですね。    (薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会 先出し部分) ○□□委員  それではよろしゅうございますか。報告書(案)を配付していただいて読み上げてい ただきたいと思います。この3品目についてですね。豆鼓エキスは先ほどの件を調べて いただくということ、それからエコナマヨネーズタイプの方については、先ほどのよう に私と□□先生とで相談いたしまして、追加実験をお願いしておくという前提がありま す。  では、読み上げてください。 ○事務局  報告書の方を読み上げさせていただきます。               新開発食品調査部会報告書  平成14年12月27日付厚生労働省発食第1227006号をもって諮問された「豆鼓エ キス つぶタイプ」、平成15年3月11日付厚生労働省発食第0311002号をもって 諮問された「ヘルシーコレステ」及び「エコナマヨネーズタイプ」の安全性及び効果の 審査について審議した結果、別記のとおり決議したので報告する。  別記につきましては、審議経過、平成14年12月27日付厚生労働省発食第122700 6号、平成15年3月11日付厚生労働省発食第0311002号をもって諮問された別紙 1の3品目の安全性及び効果について、別紙2のとおり新開発食品評価調査会において 審議を行い、さらに、平成15年6月16日に開催された新開発食品調査部会において審議 を行ったというものでございます。この部分につきましては、先ほど審議されたとおり の内容を追加にさせていただくということです。  それと審議結果、平成14年12月27日付厚生労働省発食第1227006号、平成15年 3月11日付厚生労働省発食第0311002号をもって諮問された食品のうち、別紙1 の3品目については、その安全性及び効果につき審査を行った結果、特定保健用食品と 認めることとして差し支えないと判断されたということでございますが、これについて も先ほど部会長からお知らせのあったとおりとさせていただきまして、マヨネーズタイ プについてはジアシルグリセロールについては、後日、部会長から修文案をいただくこ として、この部分に追加させていただきたいということであります。 ○□□委員  今のは決まり文句なんですが、特にエコナの方については、きちっと書かせていただ く所存ですので、よろしくお願いします。  こういうのでようございますかというのをあらかじめ委員の先生に配りますか。それ は一応私と□□参考人に任していただくという話になったんですけれども。  では、あらかじめ送っていただくということにしたいと思います。ありがとうござい ました。 ○事務局  先生、答申書の方は。 ○□□委員  今の3品目については答申書も要るそうです。 ○事務局  中身が同じで、繰り返しなんで形式的でございますけれども……。 ○□□委員  上がありますから。一応、私から分科会長、分科会長から受けて審議会の会長から大 臣の方に行くということです。これも同じことですので、よろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○□□委員  ありがとうございました。それでは、報告23品目について事務局から御報告をお願い いたします。 ○事務局  では、お手元の横長の表になっておりますが、資料3と資料4の2つで報告品目につ いて御説明させていただきたいと思います。  まず、資料3の1ページでございますけれども、「ビヒダスなめらかヨーグルト」で すが、申請者は森永乳業でございます。当該食品と既許可品でございます「ビヒダスヨ ーグルト」と関与成分、保健の用途及び1日摂取目安量は同一ですけれども、原材料を 若干変更したものでございます。  次に、番号2番、3番の「オリゴチョキレ」、「ビフィルン」ですが、申請者はリコ ムでございます。関与成分として乳果オリゴ糖を用いまして、おなかの調子をうたう旨 の錠菓でございます。本品の類似品といたしまして、既許可品でございます「ピックオ リゴキャンディー」がございますけれども、この品目とほぼ同一でございまして、ヒト 試験におきましても,従来品と同等の結果が得られております。「オリゴチョキレ」と 「ビフィルン」は、香料違いの品目でございます。  引き続きまして、番号4ですが、「のむ豆乳で作ったヨーグルト」でございますけれ ども、申請者はトーラクでございます。当該食品は、既許可品でございます「豆乳でつ くったヨーグルト」と原材料が若干異なった品目でございます。  5番、6番、7番ですけれども、「イサゴール・アムラ味」、「イサゴール・グレー プフルーツ味」、「イサゴール・青リンゴ味」でございますけれども、申請者はフィブ ロ製薬でございます。本品は既許可品でございます「ゼリージュースイサゴール(アセ ロラ味)」の香料等の原材料を変更したものでございます。  8番でございますけれども、「インナーファイバー」でございます。これは資生堂か ら申請されております。これは今御説明いたしました「イサゴール・グレープフルーツ 味」の商品名、申請者名の違いだけの品目でございます。  引き続きまして、9番、10番でございますけれども、「ファイバーパワー」、「快元 生活」でございますけれども、申請者は丸和でございます。これも本品は、既許可品 「活き活き生活GL」と香料が異なる品目でございます。前の「ファイバーパワー」と 「快元生活」は、それぞれ香料違いの品目でございます。  3ページでございます。「ゆったり健糖改善生活(ザクロ風味)」でございますけれ ども、申請者はエスエス製薬でございます。本品は、既許可品「改善生活GL」と香料 が異なっている品目でございます。  続きまして、「ティープラス」でございますけれども、申請者は森永製菓でございま す。既許可品「ナップルドリンク」の後発品ですが、本品と「ナップルドリンク」では 原材料が異なっておりますことから、独自の摂取目安量の設定、有効性試験、安全性試 験が行われております。その結果、「ナップルドリンク」と同等の結果が得られたとい うことでございます。  13番の「ナップルドリンク」でございますけれども、申請者はエムジーファーマでご ざいます。これは阪急共栄物産の分社化でエムジーファーマが事業継承したことによる 申請でございます。原材料、グロビン蛋白分解物中の関与成分、VVYPの分量が若干異な っておりますけれども、ヒト試験において同等であるということでございます。  続きまして、14番でございます。「エスピーゴールドタブレット」でございますけれ ども、申請者は仙味エキスでございます。既許可品でございます「エスピーマリン」の 後発品として申請されております。関与成分はサーデンペプチドで1日摂取目安量は既 許可品と同一でございますけれども、剤型が錠剤になっております。そのためにヒトに おける有効性試験、安全性試験を実施いたしまして、従来品と同等の結果であったとい うことでございます。  以下15番から23番の「リペアサポートα粒」までは、これはすべて「エスピーゴール ドタブレット」と商品名、もしくは申請者が異なっている品目でございます。  報告品目としては以上でございます。 ○□□委員  ありがとうございました。そうしますと、資料3、資料4には、特に成分については 既存のものとの比較がされております。一括して申し訳ないですが、何か御意見ござい ましたらどうぞ。 ○□□委員  事務局にちょっと確認したいんですが、12番の「ティープラス」は、有効性が確認さ れたという評価なんですか。これは関与成分は同じだったけれども、有効性が得られて いないということで、有効性試験を再度やるという話に調査会でなっていたように記憶 しているんですけど。 ○□□委員  この一覧表には「ヒト試験実施」と書いてありますね。この試験結果というのはどう なったんでしょうかね。 ○□□委員  これ自身は、エムジーファーマのグロビン蛋白分解物と関与成分が同じだったんでけ れども、実際これはドリンクですね。同じような有効性が得られていないということ で、多分、調査会では、これをもう一度有効性試験を再度実施するという話になってい たと思うんです。 ○□□委員  そのあたり事務局の方はどうですか。これはそう言われたために、もう一度やられた ヒト試験なんですか。 ○□□委員  違います。今回事前にこの調査部会で審議する品目リストがこちらに来ていなかった ので、何の審議と報告をするかというのは全然わからなかったものですから、こちらも 確認してくることができなかったんです。 ○事務局  再度確認いたします。 ○事務局  担当していた事務局の方が今日いないんですよ。それで今確認してまいりますので、 確認している間に先の方に、これだけ保留していただいて。 ○□□委員  じゃ、12番はすぐに確認するということです。 ○□□委員  資料4の4ページ目のところなんですが、原材料のところに増粘多糖類がありまし て、括弧で(寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガン、ペクチン)とあるんです が、前の既許可食品では寒天をここに入れていたんですか。 ○□□委員  既存の商品は寒天、キサンタンガム、こういうものが上のものにかわったわけです ね。それから寒天がなくなったんですか、今回の申請食品は。 ○□□委員  増粘多糖類は食品添加物なんですが、寒天は食品なので、もともとこういう書き方だ とちょっと間違っていたかもしれない。 ○事務局  書き方を改めたと。 ○□□委員  じゃ、正しいように直ったということですか。 ○事務局  多分そうだと思いますが、推測ですので、これも確認させます。 ○□□委員  ほかにございませんか。全部見ようということで大変なんですけれども、既に有効 性、安全性は確認されておるもので、一部甘味料とか、香料が変わっておる。それから 同じもので、すなわちいわゆるOEM的なものであるわけです。 ○事務局  これも表示の仕方ですので確認いたします。 ○□□委員  ほかにございませんか。先ほどのは今わかるんですね。 ○事務局  VVYPは現在確認しておりますので。 ○□□委員  じゃ、それまでの間、資料を見ていただいておいて、一括でやりたいと思います。 ○□□委員  問題は後発物質が、これは12ページを見ていただくと、VVYPでしたよね、それが当初 の申請は、物に「ナップルドリンク」、3.3 ミリ含まれているということですね。 ○□□委員  資料4の12ページを見ればよくわかるわけですね。 ○□□委員  それはその後、製造法とか微妙に変わって「ティープラス」の段階ではVVYPとして6 ミリとなっているんですね。製法がある程度変わっているんですね。 ○□□委員  事前に調査会の先生方に指摘事項の回答文書を確認するという話になっていたんで す。 ○□□委員  ああ、そうですね。それで回答を求めたんですね。 ○□□委員  そうです。それが来ていないんです。ですから、この辺、今回ちょっと不備があっ て、このリストも、何がここに上がってくるか我々は事前にわかっていないんです。 ○□□委員  製法は変わっているんだけれども、有効性は同じなんだという……。 ○□□委員  結局、調査会では、安全性のところの回答を求めるという話になっていたんです。一 応アミノ酸のペプチドなので3ミリが6ミリになっても、安全性にそう大きくは影響し ないだろうということで、文書の回答だけで考慮しましょうという話になっていたんで す。 ○□□委員  効果はあったんですね。 ○□□委員  効果はありました。これに関してはですね、「ナップルドリンク」の方です。だか ら、「ティープラス」は同じなんですけど、エムジーファーマから原材料は提供されて いるんですけれども、でも、効果はこの場合に得られていなかったから、もう一度確認 していただきたいという話になっていたと思うんです。 ○□□委員  いわゆる成分はむしろ多くなっているんですか。5分の1だから。 ○□□委員  VVYPは効果の、ほんの少ししか説明しないんですよ。要するに蛋白分解産物の中には 種々の有効成分があり、VVYPは蛋白分解産物のごく一部です。ただ製剤の管理上VVYPを 測っているということで、それが3ミリであろうと、6ミリであろうと有効性という観 点からは大して変わらないということが、会社の言い分なんです。 ○□□委員  言い分はね。しかし実際にはTGを抑えている効果はあんまり見られなかったんです ね。 ○□□委員  「ナップルドリンク」の方はいいんですが、「ティープラス」の方は効果がはっきり 確認できなかったという評価を調査会ではしたんです。 ○□□委員  どうしてなんでしょうね。むしろ、含有量がちょっと多いわけなんですけどね。 ○□□委員  共存成分の影響とか、やはり一番大きいのは被験者の選定だと思うんですけど。 ○□□委員  どういう点をやり直せという指示だったんですか。 ○□□委員  効果が得られないからもう一度やってほしいという話です。 ○□□委員  そういう話ですね。 ○□□委員  「ナップルドリンク」の1日当たりの摂取目安量というところを見ますと、食事の際 に1 本を飲めということは、1日3回として3倍量を摂取するという意味ではないんで すか。左側の方を見ると、1日当たり1本でいいということだから6ミリですよね。も し食事を3回とることを前提にして計算すれば9ミリになるんじゃないかと思うんです けれども、そこの違いではないかと思いますが。 ○□□委員  □□先生は被験者の問題ということだったんですけれども、どうしましょうか。確認 するにはまだ時間がかかりますか。 ○事務局  ちょっと時間がかかりそうなんです。大変恐縮です。単なる事実の確認でありまし て、これが引き続き調査結果を待つということになっているのか、それとも、あるいは もう大丈夫だという結果が何らかの形で事務局の方に寄せられているのか。 ○□□委員  そうしたら、それは調査会に出ないといかんですね。大丈夫だということであれば。 ○事務局  今、もし□□委員の方がおっしゃっているような形でここに上がってきているんだと すれば、これは我々の方の手違いといいますか、まことにお恥ずかしい話で恐縮なんで すけれども、フライングということになってしまうわけです。何らかの形で我々を説得 して足りるようなものが出てきているかどうか今、確認させているんですけれども。 ○□□委員  もうちょっと待ちますか、それとも次回に回しますか、いかがですか、事務局。今日 は皆さん長時間にわたって一生懸命ディスカッションしていただいて。 ○□□委員  問題になっているのは、「ティープラス」だけだと私は思うんですが。 ○□□委員  後ほど事実関係がはっきりした段階で皆さんにご意見を伺うということにしたらどう でしょうか。 ○事務局  担当者が事実を一応確認した上で、こちらに向かっているということなので、その間 だけお待ちいただけませんでしょうか。 ○□□委員  これを見ていますと、似たような製品がどんどん出てきます。先程の豆鼓エキスの主 成分は一般的な化学物質ですね。実際に豆鼓エキスを使っているかいないかという品質 の評価が必要なのではないかと。 ○□□委員  現時点では難しいですね。□□先生。 ○□□委員  現時点では難しいというお話でしたよね。そうすると、そういうものというのは、こ んなふうにどんどん出てくると、そういうのが出てきたときには評価ができないという のはきついですね。 ○□□先生 ただ、VVYPのようにペプチドですので、無数にあるペプチドですからワン パターンのものが出るわけです。そこに合成品が入ると、そのパターンは当然崩れるわ けで、それはチェックすることはできるんです。ただ、先ほどのようにトリス一点だけ を見るような場合、これはなかなか、ほかのものも出ていれば、それで把握できるんで すけれども、把握できるものと、できないものと確かに存在するということになりま す。 ○□□委員  それは□□先生がおっしゃっているようなことはこれからも起こってくるから、例え ばビタミンもそうですよ。もともと栄養素で食品に入っていたものですよね。それがど んどん合成されてきて、現実には錠剤が、特保ではありませんが、栄養機能食品になっ ているわけですね。同じようなことはこれから起こってくると思いますね。 ○□□委員  前に調査会の方で、そういう話をしたことがあると思うんですけれども、結局、食品 衛生上監視するのは、いわゆる食品衛生監視員ですよね。そういう方たちがここで議論 されているようなファインなことについて、教育も受けていなければわからないと思う んです。ここの先生方が、もし、そのフィールドを回ってこれはおかしいんじゃないか とすることは可能かもしれないけれども、全国の食品衛生監視員何千人かなんかが、そ ういうことができるのかなというと、まず無理ですよね。 ○□□委員  それをこれからやろうというのがさっきのアドバイサリースタッフですね。 ○□□委員  その人たちがアドバイサリースタッフの資格をとっていただくとか、管理栄養士養成 課程では、それに必要なカリキュラムを組むという動きも出てきておりますけどね。当 分は先生がおっしゃっているようなことが続くと思います。 ○□□委員  性善説でいくか、性悪説でいくか、それが基本的には科学でわからないことが、もし もごまかしであった場合には、それは科学的に識別できなかった場合はどうするかとい うと、人間の方には、あるいはその周りの、プロセスが当然違いますから、基本的にそ れをやった人がいるわけです。それは違法行為であるということをきちんと理解しても らって、そういうことをしないようにするというしか今のところは……。 ○□□委員  一方で規制緩和というのがありますしね。 ○□□委員  全然話は違いますけど、いわゆるジュースの缶を開けて、そこに今とってきたハエを 入れて、ハエが入っていたとクレームをつけるというのは、これは判定ができますよ。 今のこういうエキスになってくると、これは難しいなと思います。 ○□□委員  薬の場合はどうなんでしょうかね。 ○□□委員  薬の場合はみんな合成ですから、別にその成分が入っておったらいいんですよ。 ○□□委員  別の方法で全部合成ですか。例えば、プロセスによってコンタミネーションが入って きたり、基本的にはそういうことは絶対ないわけですね。 ○□□委員  だからGLPで非常にきつく規制もされているわけですね。 ○□□委員  そうした場合に、一応合成品だから違う方法を使って、もしも安くやってそれを入れ るとか、最終的なものが品質的に純品であるから、一応同定できるという前提ですね。 ○□□委員  純品の場合には、製造過程と純度とエームスと、その両方の面でとらえていますの で、大丈夫だと思います。 ○事務局  平成15年4月30日開催の第一調査会では、中性脂肪の気になる方を対象としまし た許可表示を行うならば、その対象者での安全性・有効性等確認を行う必要があること から継続審議とするが、ナップルドリンクと同様の許可表示であるならば事務局あずか りで構わないということとなっておりました。そこで、申請者に内容を確認したとこ ろ、申請者からナップルドリンクと同様の表示を行う旨の回答を得ました。  この回答から、改めて有効性・安全性試験等を行う必要はないと判断し、継続審議か ら事務局あずかりとする旨に訂正した指摘事項を第一調査会座長に確認いたしました が、その後、第一調査会委員への確認を求めるところ、確認を経ず部会へ上程してしま いました。また、調査部会で審議する品目と報告品目のリストを事前に、調査部会委員 の先生方にお送りしていなかったこともさらに話を混乱させてしまいました。  調査会各委員の確認を経ず部会に上程したこと及び事前に部会での検討品目リストを お送りしていなかったことは、事務局の不手際であり、深くお詫びいたしますが、本件 については、以上のことから有効性・安全性には問題がないため、ご了承していただけ ればと思います。  今後このようなことのないよう気をつけます。 ○□□委員  では、了承でよろしいでしょうか。  それでは、非常に長い間いろいろ意見をお聞きしましたが、重要な問題ですので、い ろいろ意見をいただくことがこの部会の存在意義があると思います。また、この上の分 科会に行きますと、もっといろいろ意見が出てまいりますので大変なんですけれども。  それでは何かありますか。 ○事務局  もうお渡しするだけでも結構なんですが、実は7月1日から食品安全委員会が発足い たします。これは食品安全基本法という法律が7月1日から施行されるのにあわせてそ ういうことになるわけですが、これが発足いたしますと、今言った食品安全基本法に基 づく食品健康影響評価という制度が発足することになりまして、いわゆるリスク評価を やるということでございますが、そのリスク評価は各省庁から独立して、食品安全委員 会の方でやるという整理になっております。実は特定保健用食品についても今日エコナ についてまさに問題になったように、安全性の問題があるわけでございまして、安全性 及び効果の審査を当薬食審でやるということが食品衛生法に基づく告示レベルのことと して定められております。7月1日から、その安全性の部分が薬食審ではなくて、食品 安全委員会の方でやるよという整理になるので、一応その点だけお諮りというか、御報 告させていただきたいということでございます。  今、お手元にお配りしたのは関係資料でございまして、説明した内容そのものは「特 定保健用食品の安全性及び効果の審査の手続の一部を改正する件について」という1枚 紙、ここに書いてございます。その改正の概要として書いてある説明を補足する資料と して、膨大なものを今お手元にお配りしていますが、これは参考資料として見ていただ ければと思っているところでございます。食品安全基本法あるいは食品安全委員会の内 容、それから、今般成立しました食品衛生法の改正の内容、健康増進法の改正の内容、 そういったものの簡単な説明資料でございますので、お時間のないところとは思います けれども、何かの参考にしていただければということでございます。 ○□□委員  要するに特保については従来どおりこの部会で検討するわけですね。この新開発食品 部会でやって、その結果を今度は両方の委員会、審議会と食品安全委員会に報告という か、上申すると、そういう形なんですね。 ○事務局  諮問答申という手続になると聞いております。食品安全委員会に対して、厚生労働省 が諮問し答申をいただく。それを受けた上で、我々はあくまでもマネジメント機関でご ざいますので、マネジメントとして特保の許可を出すかどうかというのを改めて考える という段取りになると聞いております。ですから、厳密に言いますと、安全性が全部向 こうに行ってしまうというよりは、リスク評価という意味での安全性を向こうで議論 し、それをまたこちらに戻してきて、トータルな意味で、この食品を特保として表示許 可していいかどうかということを安全性・効果両面に立って、我が方は審査するという 形になるわけでございます。 ○□□委員  委員会と審議会と2つのところから諮問を受けるんですか。 ○事務局  最終的にはそういうことになります。 ○事務局  要するに、厚生労働大臣が薬食審と当部会に諮問をしまして、答申を頂く。これが一 つの流れとして、これが変わるわけではなくて、その上で安全性の部分だけ厚生労働大 臣が別途、食品安全委員会に諮問して答申を頂くということですので、2つ諮問、答申 という手続が新たにできるという御理解で間違いないかと思います。 ○□□委員  ざっくばらんに言いましたら、安全性はこちらで余りディスカッションしなくてもい いんですか。安全性は食品安全委員会の方とその下の専門委員会でやられるということ ですか。 ○事務局  はい。恐らくそうなると思いますが、残念ながら、内閣府の方から詳細な手続がまだ 詰めた形として示されておりませんので。 ○□□委員  7月1日施行でしょう。 ○事務局  よくあることなんですけど、日にちが先にあって、あと一生懸命合わせてバタバタや っているということのようです。今後、委員会は実際人がいないと発足しませんが、下 に専門委員というのをかなりの数を置くらしいんですけれども、その人をどうするかと いう議論はまだ進行中で、部門によってはある程度固まっているけれど、部門によって はこれからと。実は我が方に関係のある新開発部会というのができるみたいなんです が、そこの委員の選定はこれからという話を内々聞いています。 ○□□委員  向こうとこっちは重複できないはずですよね。 ○事務局  本委員は重複できないけれども、専門委員は、原則として兼職は望ましくないという ような形になるそうです。 ○□□委員  望ましくないなら避けるでしょうね。 ○事務局  そこら辺は含みのある話で、今、ここにいらっしゃる方々にも関係があるやなしやと いうこともあると思いますけれども。 ○□□委員  遺伝子組換えの部会のように、この部会がなくなるということはないんですか。 ○事務局  それはございません。というのは有効性の議論は向こうではできませんので。 ○□□委員  どうやら有効性に絞られるかもしれませんね。安全性は向こうと。 ○事務局  我々はどういう枠組みで議論しているのかわかりませんと、ただ、こういうことは言 えますと、こういうことなんだけれども、あなた方はそれを前提に、あなた方の枠組み でこれを特保として許可するかどうか考えてくださいと、そういう図式になると思いま す。 ○□□委員  また縦割りみたいになりそうですね。 ○事務局  □□委員が一番お詳しいかと思いますけど、やはり管理機関とリスク評価機関は分離 していないといかんということがBSEの反省としてあったということでございまし て、まさに今回の食品をめぐるいろいろな一連の制度改正の最大のポイントだそうでご ざいますので、御協力、御理解をいただければということでございます。 ○□□委員  今朝の朝日に出ていましたね。 ○□□委員  持ってきていますけど、もうメンバーは出ていましたよ。 ○□□委員  食品安全委員会でしょう。それはもうとっくに発表されています。 ○□□委員  消費者代表が入っていないというので、消費者側の声が入るんだろうかということで 問題になっていますが・・・。 ○□□委員  そんな高度な話をここで言われたってどうしようもございませんので、そこで一言私 が言えばなるんだったらいいんですけど(笑)。  それでは、長い間ありがとうございました。これで終わりたいと思います。 照会先:厚生労働省 医薬食品局 食品安全部     基準審査課 新開発食品保健対策室     田中、佐藤 TEL:03−5253−1111(内線2458、4270) FAX:03−3501−4867