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「体育会系総裁」谷垣氏、宇宙人・鳩山氏と渡り合えるか
野党となった自民党の総裁選で300票を獲得し、28日、新総裁に選ばれた谷垣禎一氏(64)。党本部で開いた就任会見で「みんなでやろうぜ」と意気込んだ。東大卒の世襲議員という経歴は鳩山由紀夫首相(62)と同じだが、資産のレベルが違う上、理系の鳩山首相に対し、「体育会系」。周囲からは「まじめで堅実」とみられる谷垣氏が、「政界の宇宙人」の異名を持つ鳩山首相とどう渡り合うか、注目される。
谷垣氏は就任会見で自らのPRポイントを聞かれ、「平凡な男ですから」と照れ笑いしたが、東大法学部卒業で、弁護士資格を持つエリートの印象が強い。
しかし、谷垣氏の実弟で、秘書も務める信行さん(59)によると、谷垣氏は1浪して東大入学後に山登りに没頭。登山仲間と日本アルプスに年150日も山ごもりし、授業の単位を落とし続け、結局、8年間も大学に通った。
「経歴だけみれば東大卒の弁護士でしょう。『秀才みたいだ』と親戚(しんせき)の間でよく笑いました」と信行さん。元文相の父、専一氏が生前、「禎一は同じ学部でも(法学部でなく)山岳部に入っちゃった」と苦笑いしたほどだという。
司法試験も何度も落ちた。卒業後は皿洗いなどのバイトをしながら10年かけて弁護士になった。就任会見でも、長所は「我慢強い」、短所は「我慢しすぎる」と述べている。
その1年後の昭和58年に専一氏が死去。「こういう稼業は世襲じゃない」という専一氏の言いつけ通り、後を継ぐつもりはなかったが、後援会に半ば強引に口説き落とされ、補欠選に出馬した。
衆院議員になった後も「体を動かさないと体調が悪くなる」と自転車を趣味に。3日間かけて東京から長野を走破するなどトレーニングを積む。工学博士の鳩山首相が「理系」なら、谷垣氏は「体育会系」(信行さん)。総裁就任会見でも「選挙が終わればノーサイド」「全員野球でいく」とスポーツマンらしい発言を繰り返した。
今回の総裁選では一部候補から世襲批判も受けたが、その資産は、預金が12億8千万円もあって東京屈指の高級住宅街、田園調布に豪邸を持つ鳩山首相とは「比較にならない」(同)。安倍晋三氏、麻生太郎氏と競った平成18年の総裁選で、自宅を担保に1億円を借金し、「いまだに返済できていない」(同)という。