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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

記者クラブ制度批判は完全な誤りだ

日本の取材開放度は米国よりも高い

 そこで、またぞろ、記者クラブの「閉鎖性」に対する批判が出てきている。記者クラブ批判が高まるということであれば、長い間、メディアの世界に生きてきたものとして、無関心ではいられない。日本の記者クラブは閉鎖的だという主張は完璧な間違いである。

 アメリカのホワイトハウスで記者証を取得しようとすると、徹底的に身辺調査が行われ、書いてきた記事を検証され、指紋まで取られる。そのため記者証取得には何カ月もかかる。大統領に近づけるわけだから、少しでも挙動不審なものは排除しなければならない。国家を代表する大統領の安全が最優先されるということをメディア側も理解している。

 日本の場合はどうか。内閣記者会には、日本新聞協会加盟の新聞社、通信社、放送会社に所属してさえすれば、簡単に入会できる。その社の責任において、入退会が頻繁に行われる。むろん、警備公安当局はひそかに記者の思想傾向の調査などをやっているのだろうが、これが表に出ることはない。

 内閣記者会には外国メディアも加盟している。その開放度はアメリカなどよりもはるかに高いといっていい。その実態を知らないのか、知っていてもあえて無視するのか、外国メディアは日本の記者クラブ制度の閉鎖性ばかり非難する。

 この傾向は国内のメディア論の学者などにも見られる。記者クラブを「諸悪の根源」視するような態度だ。これもまた、実態無視の暴論といわなくてはならない。

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