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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

記者クラブ制度批判は完全な誤りだ

メディアとフリーランスライターの役割は異なっている

 記者会見の開放方針は、特定の媒体に定期的に執筆しているようなライターや著名ブロガーなどの「個人」を対象として想定しているようだ。記者クラブ加盟社以外にも開放しようというわけで、その限りにおいては結構なことなのかもしれない。

 だが、現在の記者クラブに所属しているメディアが日常的に行っていることと、フリーライターやブロガーらの仕事は性格が違う。記者クラブ所属のメディアは、その公的機関が持つ「第一次情報」に密着取材し、報道しているのである。

 そこには、おのずと「記者クラブとしての決まりごと」が出てくる。分厚い白書や調査報告書のたぐいなどは、精緻な読み込みや関連取材、執筆作業にある程度の時間が必要で、「解禁日時の設定」といったことが行われる。筆者の体験では、政治資金収支報告書などは1週間前の事前発表が慣例だった。

 記者クラブを完全開放して、そういう「しばり」が通用しなくなると、中途半端なかたちで報じなくてはならない。記者クラブの「報道協定」は国民の知る権利を保証するうえでの「知恵」なのだが、一般にはどこまで理解してもらえるか。

 官僚の記者会見廃止と閣僚会見の開放はどこでどうつながっているのか、よく見えてこない。私見を許してもらえば、この政権は、「言論、表現、報道の自由」をとことん重視するイメージを打ち出すほうがいいのではないかと思うのだが、いったい、どちらを向いているのか。

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