ときどき、電話やメールで上記のような相談をされることがある。
そんなにしょっちゅう聞いているわけでもないのだけど、相談してきた友人を見ていて、「他人の深刻な話に関わるとき、頭の中が相手第一になってしまって、相手と自分との関係性をどうしたいのか、そもそも自分はどうしたいのか、そのへんすっぽり抜け落ちたりするよなあ」と思う。
「どうしたらいいの」「どこまで関わっていいの」と聞かれることが多いけど、そんなに抽象的なことを聞かれても困る。逆に「あなた自身はどうしたいの?」「あなたは今の状況をどう思っているの?」「相手との関係性をどうしたいの?」と質問攻めにしたくなる。そっちの落としどころが分からないんだから、「どうしたらいいの」に対して「知らんがな」としか言いようがない。
「相手を助けたい」に見えても、蓋を開けたら微妙に違うこともある。「すごく仲のいい友人の様子がおかしい、なんとかしたいけどどうしていいかわからない」だけではなく、「特に仲のいい子じゃないけど、寄りかかられた行きがかり上しかたない」「正直嫌なんだけど、状況的に(世間的に)自分がなんとかしなきゃいけない」など、事情は様々。
特に後ろのふたつの場合、「相手を助ける方法」ではなく「相手を刺激しないように距離を置く方法」を必要としており、提示すべきものが真逆になるし、落としどころが分からないと「知らんがな」としか言えない。
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最初のリンク先みたいなケースの相談をされたことがあって。
久々に電話をかけてきた友人から、すごく深刻な声で状況を説明され「どうしたらいい?」と聞かれた。私は上記のような考え方の人なので「あんたどうしたいの?」「相手のことどう思ってるの?」と聞いた。すると「つらいし、しんどい」と、10分くらい泣かれた。泣き終わったあとで「私、ちょっと参っちゃってたみたい。すっきりした」と言われた。
あんた、気づくの遅すぎ……orz
自覚なく消耗させられるぐらいなら、最初から関わらなきゃいいのに、と思うこともあるけど、そんな単純なもんでもないだろう。なんとかしなきゃと思っているうちに自分のことが見えなくなって、いつの間にか相手第一、滅私奉公になるんだろうなぁ。相手から要請があったときだけ考えるようにできたらいいけど、365日24時間滅私奉公になったら、間違いなく飲み込まれると思う。
それもあって、いつも「あんたどうしたいの?」と聞いてる。
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話は変わるけど。
ただの愚痴ならまだしも、人が辛いといって泣くのは、たとえ電話越しであっても、自分の感情や思い出に蓋をしようと努力しても、やっぱりそれなりにダメージを受ける。どうしても自分の経験した痛みを重ねて見てしまう部分があるんだよなぁ。自分の中から未消化なものを呼び起こされたら最悪な目に遭うのも予想できる。それなのになんで人の話を聞いたりしてるんだろう。意味が分からない。
だけどバカみたいに話聞いちゃったし、過ぎたことをぐちゃぐちゃ言ってもしかたがないので、自分が滑り落ちないように今日もぺたぺたと足場を固める。
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- 次なるもの » Blog Archive » 深刻な話に首を突っこむと自分が見えなくなる - Spherical-moss.net 08-11-04 (火) 1:01