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地裁口頭弁論 傍聴障害者向けに手話 原告側「開かれた裁判の契機に」=奈良

 地裁で14日にあった民事訴訟の口頭弁論で、原告側の要望に沿って、聴覚障害を持つ傍聴者のために、手話通訳が行われた。地裁によると、これまで手話通訳が同様に行われたケースは記録にはないといい、原告側代理人は「開かれた裁判のきっかけになる」と評価している。

 奈良市の知的障害者の男性(52)が、国などを相手に、障害者自立支援法に基づく福祉サービス利用料の自己負担取り消しなどを求めた訴訟で、被告側も了承し、一谷好文裁判長が許可した。

 この日は、裁判官や代理人の間の受け渡しだけで終わる意見書や準備書面について、一谷裁判長が概要を読み上げ、傍聴席最前列端に立つ通訳者が伝えた。原告側代理人は準備書面の要約版を法廷の大画面モニターに映し、丁寧に解説した。

 傍聴した聴覚障害者の大西恒三さん(57)(大和郡山市筒井町)は「法律用語など、難しい部分もあったが、これを機に手話通訳や新しい試みを進めてほしい」と話していた。

 地裁では、裁判員裁判で聴覚障害者が裁判員に選任された場合を想定し、呼出状など選任手続きの書類を専用の音声機器で読み上げる「音声コード」を導入している。

2009年09月28日  読売新聞)
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