飼い主の飼育放棄で岡山県動物愛護センターが2008年度に引き取った猫は1294匹。うち9割は子猫だった。譲渡先が見つかった猫はわずか8匹にすぎない
今月中旬、岡山市内でタイヤに頭がはまった状態で見つかった犬は新しい飼い主に巡り合えた。一方、岡山市保健所へ08年度に持ち込まれた犬393匹の大半に救い手は現れず、処分されている
ノルウェーの児童文学作家リブ・フローデの作品に「だんまりレナーテと愛犬ルーファス」がある。主人公のレナーテは、田舎の家でルーファスとともに大きくなった10歳の少女だ
単身赴任だった父と一緒に暮らすことになり、都会に引っ越すが、集合住宅で犬は飼えない。レナーテは悲しみ、誓いを立てる。元の家で他人に飼われているルーファスに会えるまで口をきかないと
一緒に行動してくれたのは筆談で友達になった少女だった。家族に内緒で田舎へ向かう。警察の目を逃れ、夜の森をさまよいながらようやくルーファスと再会する。「事件」は新聞に載り、都会の隣人たちの共感を呼んだ。ルーファスとの暮らしが再び始まる
子どもの行動は、時として大人の心を揺さぶることがある。この物語が伝えるのは、子どもを通して描く純粋な家族の愛だろう。26日まで「動物愛護週間」。