10月2日がやってきます。 脱藩官僚 縦横無尽(59) |
[脱藩官僚 縦横無尽]
2009年09月28日 09:51 更新
9月24日、福岡市のホテルオークラにて私と高速道路無料化論の山崎養世さんの二人で講演をさせていただきました。多くのお客様のご来場をいただき、誠に有り難うございました。
山崎さんの長期的な歴史の中での政治と経済のかかわりの分析は、私にとっても非常に参考になりました。山崎さんの著書、『日本「復活」のシナリオ 「太陽経済」を主導せよ!』はお奨めです。
■ いよいよ10月2日がやってきます。
さて、この講演会で、地方主権実現を掲げる民主党の政策が、東京一極集中を変えていくきっかけになるかもしれないということをお話しましたが、その東京の政治に大きな変化があるかもしれません。いよいよ10月2日がやってくるのです。
10月2日、デンマークの首都であるコペンハーゲンで開催されるIOCの総会で、2016年のオリンピックの開催地が決定されます。
東京都のオリンピック招致委員会も熱心に誘致活動を繰り広げており、先日、石原都知事がコペンハーゲンに到着された様子が報道されていました。
東京、マドリード、シカゴ、リオデジャネイロの4つの都市から選ばれるので単純な確率は4分の1ですが、東京が開催地に決定しても、負けても、どちらにしても石原都知事が辞職すると囁かれています。
理由は色々と言われていますが、高齢でもあり、また、新銀行東京の経営も思わしくなく、都議会も民主党が多数派となって石原都知事の思い通りにはならないでしょうし、勝っても負けても辞任するというのは、あながち外れた見方ではないと思います。
■ 水面下で準備が進んでいます。
現に、私の知っている複数の政党関係者は、10月の知事選挙に備えて候補者の選定をしています。某副知事とか、元厚生大臣の方とか、某区長とか複数の方が噂に上っています。どなたが立候補されても大変な激戦となるでしょうが、もし噂どおり選挙があるとすると、自民党も意地でも負けられないでしょう。神奈川や静岡で参議院議員の補欠選挙がありますが、重要度は比べものになりません。
前回の選挙で石原知事は、マニフェストらしいマニフェストは作らなかったのですが、対抗馬の浅野元宮城県知事は高齢化に備えた立派なマニフェストを作られました。しかし、選挙はマニフェストを元にした政策論争とはならず、石原都知事のキャッチフレーズを中心としたイメージ選挙作戦が功を奏した印象を受けました。
東京ほどの巨大な選挙区ですし無党派層も多いので、そうなったのかなと思いました。今回、もし選挙になるとすると、準備期間もない中では、個人的な知名度がある人でないとどうしようもないので、複数の女性キャスターに猛烈なスカウトがかかっているそうです。確かに、勝つことを考えれば、この選択はありだと思います。
■ 経営能力のある方が選ばれることを願っています。
これから、東京は急速に高齢者の数が増えます。そして、東京は日本でいちばん、福祉施設の数が足りません。65歳以上10万人に対しての介護保険施設の定員数で比較すると、全都道府県中、最下位です。
東京都の人口は1300万人。そして東京都庁の職員数は警察官や教師まで含めると17万人という巨大組織で、予算規模も6兆円を超えます。
この巨大組織をコントロールして、高齢化にも備えながら、世界都市としての魅力を高めていくとても困難な仕事の指揮をとるのです。どの政党が誰を候補者に選ぶにしても、経営能力の高い人を選んでいただけると有難いなと思います。
木下 敏之
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□木下敏之行政経営研究所代表 □前佐賀市長(1999.3~2005.9)
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