バンナ(右)の左パンチで大きくのけぞる武蔵=ソウル (c)FEG Inc.
「K-1ワールドGP開幕戦」(26日、韓国・ソウル)
リングは無情の世界だった。引退を表明した武蔵(36)がジェロム・レ・バンナ(36)に0-3の判定負け。決勝トーナメント(12月5日・横浜アリーナ)に進めず、悲願の初優勝で有終の美を飾ることはできなかった。
武蔵は1、2回と互角に戦ったが最終3回に右フックでダウンを喫し、決定的なポイントを失った。ダウンを喫した直後は笑顔を見せたが、試合後は泣き崩れた。
会見では「やっぱり(引退を)取り消しますとか、軽口だと思われたくない。今はまた再びリングに上がろうとは考えていません」と、この試合限りで引退する考えを明言。「自分自身は満足できました」と、バンナ戦で完全燃焼したことを強調した。
ただ、03、04年に2年連続GP準優勝という日本人としては前人未到の領域に達した功労者だけに、日本国内のファンに最後の勇姿を見せないわけにはいかない。K-1の谷川貞治イベントプロデューサーは「今後のことを話したい」と話しており、早ければ来春にも国内での引退試合が実現しそうだ。
(2009年9月28日)