新型インフルエンザに感染した妊娠女性は、妊娠週数が進むほど重症になりやすいことが、流行のピークを過ぎたオーストラリアの集計で裏付けられた。
豪州保健省によると、これまでに約4700人が入院。うち妊娠女性が190人ほどで、4人が亡くなった。
同省が週数を把握できた入院女性76人を調べた結果、初期の15週までの女性が6人だったのに対し、中期の16〜27週は18人、後期や末期とされる28週以降で52人と、週が進むほど増えていた。
季節性インフルも妊娠初期より後期の方が重症化リスクが高まるとされる。妊娠中の女性は「自分」でない胎児を拒絶しないよう免疫力が下がる。胎児の成長分だけ肺の容積が小さくなり、たんを排出する力などが弱まり重症化しやすくなるという。
国内で入院した妊婦は15日現在で6人。順天堂大の竹田省(さとる)・産婦人科教授は「新型ワクチン接種が可能になったら、できる限り早くうってほしい」と話す。(田村建二)