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子宮頸がんワクチン承認へ 接種年齢、費用負担など課題も (1/2ページ)
国内で年間約3500人の女性の死因となっている子宮頸(けい)がんを予防するワクチンが、29日に開かれる厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の薬事分科会で承認される見通しとなった。頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が原因。感染前のワクチン接種によって、頸がんの原因の約7割を占めるHPVの感染予防が期待できる。女性にとっては朗報であると同時に、接種開始年齢や費用など解決すべき課題も多い。(長島雅子)
■予防できる唯一のがん
子宮頸がんは世界で年間約50万人が発症し、約27万人が死亡している。女性のがんとしては乳がんに次いで2番目に多い。
国内でも年間1万人以上が発症し、約3500人が死亡していると推計される。30代後半から40代に多いが、最近は感染原因である性交渉の低年齢化などが影響し、20〜30代の若い患者が増えている。
ワクチンによる予防手段があるため「予防できる唯一のがん」と言われ、有効性は10〜20年継続するという。
自治医大さいたま医療センター産婦人科の今野良教授によると、12歳の女児全員が接種すれば、頸がんにかかる人を73・1%減らせる。死亡者も73・2%減ると推計される。
■接種の方法は?
2006年6月に米国で初めて承認されて以降、欧米や豪州、カナダなど世界100カ国以上で使われている子宮頸がんワクチン。今回、承認される見通しの英系製薬会社、グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」と、米製薬会社、メルク社の「ガーダシル」(承認申請中)の2種類がある。
多くの国では12歳を中心に9〜14歳で接種が開始され、学校や医療機関で接種が行われている。26歳までが対象だが、それ以降の年齢でも有効との報告もある。
国内では小児科や産婦人科などでの接種が想定されており、日本産科婦人科学会や日本小児科学会などが合同で11〜14歳の女児を接種対象として推奨することを検討している。
ただ、思春期を迎える女児が女性の成長と健康について、きちんと理解できるような配慮が求められる。