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ミャンマーの反政府系放送局・DVBを取材
ミャンマーで反政府デモを取材していたジャーナリスト・長井健司さんが射殺されてから27日で2年となる。当時、事件の映像をいち早く世界に発信した反政府系放送局の活動を、山下雄三記者が取材した。
ミャンマーの軍事政権によって命を奪われた長井さん。その瞬間を撮影していたのは、ミャンマー人のジャーナリストだった。メディアに対し、厳しい弾圧を続ける軍事政権。しかし、国内のジャーナリストたちはひそかに取材を続け、現状を世界に発信している。
国外の亡命ミャンマー人によって設立された「DVB(ビルマ民主の声)」。その前線基地は、ミャンマーの隣国・タイにある。部屋の中にはたくさんのコンピューターが並んでおり、ここでミャンマー国内から送られてきた映像などを使ってニュースの編集が行われている。長井さんの映像も、事件後すぐにインターネットを通してここに送られてきた。ミャンマー国内にいる協力スタッフは、隠し撮りなどで厳しい監視をかいくぐり、取材活動を続けている。
事務所のスタジオでは、2年前に繰り広げられた民主化運動についての番組を収録していた。DVBの番組は、衛星放送によりミャンマーでも視聴することができ、人口の5分の1にあたる1000万人が見ているという。次の取材テーマは、来年に予定されている総選挙。何を伝えるべきか、毎日、議論が続いている。タオ・ゾウ・ラット支局長は「実際に何が起こっているのかを国民に気づかせて、国民が決断できるようにするのが我々の仕事だ」と話す。
険しい道のりが続くミャンマーの民主化。情報を武器にした戦いは今も続いている。
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