2008年9月6日
特別編:「えさし藤原の郷」と「チャングムテーマパーク」
Column: "Esashi
Fujiwara Park" in Iwate Prefecture
and "Dae Jang Geum Theme Park" in Korea
突然今回は全くの番外編で、発掘遺構とは関係のない建物復元の例です。
「えさし藤原の郷」は1993年放映のNHK大河ドラマ『炎立つ』のためのオープンセットを整備開放したもので、その後もたびたびドラマなどのロケに使われています。政庁や義経屋敷、清衡館、経清館など多数の建物が復元されてます。一方の「チャングムテーマパーク」は韓国MBCで2003年放映され、日本でも2004年以降、NHKで何回も放映されたドラマ『大長今(宮廷女官チャングムの誓い)』のオープンセットを公開したもので、こちらもその後もロケに使われているようです。
「藤原」は建築考証が行われている部分もあるようですが、この時代の、京都からみれば片田舎であった奥州にどのような建物が建っていたのかは本当のところよくわかっていないはずです。「チャングム」の考証はわかりませんが、時代は朝鮮王朝時代16世紀ですので、現存建物はもちろん、建物に関する情報もほとんど無いはずです。にもかかわらずいずれも建物が建てられ、しかもなかなかの人気を博しています。われわれ建築史研究者も学ぶべきことがありそうです。
国立歴史民俗博物館教授 玉井哲雄
(共同研究:東アジア比較建築文化史 共同研究代表)
「藤原の郷」
写真1(左)柱を赤く塗った政庁と白木の館が造られています
写真2(中)左右対称中国風の政庁です
写真3(右)寝殿造風の館です
「チャングムテーマパーク」
写真4(左)瓦葺きの宮殿の一角ではさまざまなイベントが試みられています。
写真5(中)スラッカン(台所)です。ドラマではチャングム活躍の舞台でした。
写真6(右)あずまや ドラマではいろいろ秘密因縁のあった場所でした。
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