【広島】建設不況で危機感を抱いた庄原市の土木建設会社「北備建設」が、生き残りをかけキムチを売り出した。その名も「女子高生キムチ」。パッケージのイラストは、同市出身の人気漫画家、瀬尾公治さんが描いた。同社は「キムチの力で不況を吹き飛ばしたい」と意気込んでいる。【樋口岳大】
同社は、公共工事などを請け負う従業員28人の企業。公共工事の削減を始めとする建設業界の構造的な不況の中で、松森悦子社長(54)が「従業員の雇用を守るにはどうしたらいいのか」と考えていたところ、取引相手の韓国人から「キムチを製造販売してみては」と提案された。
松森社長は元々料理好きだったこともあり、キムチに可能性を見い出した。1年半、毎月、ソウル近郊のキムチ工場などに足を運び、製造方法を学んだ。そして、「キムチ作り20年のオモニ(お母さん)直伝の味」を習得した。
一見、奇抜な商品名だが、松森社長が「インパクトのある名前を」と熟考し、「ひらめいた」という。キムチ工場のある庄原市高野町出身で「週刊少年マガジン」で「君のいる町」を連載中の瀬尾さんにキャラクターのデザインを依頼したところ、快諾された。4月、「女子高生キムチ」を発売した。
白菜、ダイコン、ネギ、ニンニクなどの野菜はすべて国内産を使用。トウガラシは甘みやうまみ成分が多い韓国産100%。高野町産のリンゴなども配合した。8人の従業員が主にキムチを担当するが、他の従業員も設計作業の合間に配達するなど何らかの形でかかわっている。
県内のスーパーなどに並ぶほか、来月からはコンビニエンスストア「ポプラ」でも販売する。標準小売価格300グラム入り400円。
「辛口で深い味わいの、後味スッキリのキムチを食べてみて下さい」と松森社長。
問い合わせは同社食品部(0824・86・7120)。ホームページ(http://jk-kimuchi.com)もある。
2009年9月26日