百舌鳥が哂う庭で


<オープニング>


「早くお逃げなさい」
 薄く桃色がかった金髪の女が、赤い唇の端を上げる。
 どうしてこんな事になったのだろう――霞は必死で草木の生い茂る庭を逃げる。進路の事で母親と喧嘩して、勢いで家出をした。それがたった半日前。
 夕方の線路沿いを歩いていた霞は唐突に意識を失い、気がつけば古びた洋館を臨む中庭らしき場所に寝かされていた。
 目の前には美しい金髪の女。細い体を黒いドレスで飾り、斜め後ろに霞と同い年くらいの少女を従えて笑う。
「わたくし、鬼ごっこが好きなのよ」
「え?」
「そしてね、あなたみたいな可愛い子をばらばらにするのが大好きなの。もちろん生きたままよ」
 誘拐、冗談、殺人、本気――。
 頭の中でぐるぐると色んな言葉が駆け巡る。
 女が正気か、狂気か。判断しかねた霞の背を押したのは、中庭に植えられた樹木から滴り落ちる赤い液体だった。
「え……?」
 そこにあったのはまるで、映画の世界にでも紛れ込んでしまったかのような光景。
 西洋から取り寄せたらしき針葉樹の、枝という枝に突き刺さった肌色と赤の競演。指先が天を指し、唇は紅を吐き。足首を貫いた枝先に灯る花は血を吸ったように赤い――。
「あ、あ……!?」
 美しい庭は、死体で飾られた木々で満たされていた。

「今回の目的は、見えざる狂気に犯されたヴァンパイアの捕縛です」
 あくまでその身柄を拘束する事が目的であると語りながらも、藤崎・志穂(運命予報士・bn0020)は最悪の場合命を奪う事になっても止むを得ないと付け加える。
「丘の上に居を構えた貴種ヴァンパイアは、自らの退屈を紛らわすためだけに少女の命を奪い続けています」
 しかも、今まさに霞という少女が犠牲になろうとしている。まだ中学二年生の大人しそうな女の子という話だった。

 志穂の用意した地図によれば、屋敷は森に包まれた丘の上に建てられているという。建物はコの字をしていて、欠けた東側に正門、内側に広大な中庭を有している。
「中庭は木々や草花が生い茂って小さな迷路のようになっています。貴種ヴァンパイアは鬼ごっこを楽しむつもりらしく、すぐに捕まえて殺すような事はしないはずです」
 中庭には貴種ヴァンパイアが1人、彼女付きの従属種ヴァンパイアの少女が1人。あとは正門の見張りに従属種ヴァンパイアが2人、建物の中にもう2人が控えている。
「外壁や柵のような物はないので、正門を使わずに直接建物の窓から侵入する事も出来なくはないと思います。ただ、防犯には気を使っているようなので強引に侵入すればすぐに気づかれてしまうでしょうね」
 正門は覗き窓付きの完全な扉となっていて攻撃は通らない。真正面から乗り込む場合は、門が開くのを待つか、開けさせるための策が必要になるだろう。
「正門を守っている従属種ヴァンパイアは二人とも若い男です。毎日夕方になると、どちらか1人が外へ獲物を探しに出るみたいですね。どちらも吸血グローブを装備しています」
 一方、屋敷の中に残っている二人は男が1人、女が1人。前者はチェーンソー剣を、後者は棘付き鉄球を操る。
 貴種ヴァンパイアの使う武器は分からないが、バットストームを好んで使用するようだ。付き従っている従属種ヴァンパイアの少女はクロスシザーズを持ち、常に貴種ヴァンパイアを守るように動く。
「従属種ヴァンパイアの中ではこの少女が一番強いようです。逆に、建物の中にいる二人はそれほど強くはありません」
 つまり、敵は全部で6人。
 志穂は一呼吸おいてから説明を続けた。

 侵入者に気づいた場合、相手が自分の手を煩わせるまでもないと思えば貴種ヴァンパイアは鬼ごっこを楽しみ続けるだろう。
 逆に、強敵だと思えば自らも戦いに興じるはずだ。
「無事に倒し終えたヴァンパイア達の身柄はこちらで引き取りますので、後は任せて帰還して下さいね」
 最後にそう言い加えた志穂は、少しだけ表情を改めて能力者達を見つめた。
「敵の本拠地に乗り込む形になりますので、危険も大きいと思います。くれぐれもお気をつけて、頑張って下さい」

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参加者
水無月・露(花に降る・b01410)
榊・那由多(蒼炎纏いし影法師・b02112)
森澤・泉美(腹黒紳士・b03656)
鷹原・星司(ヤドリギ使い・b05146)
上山・誠示郎(駆け出しの剣士・b05167)
御影・忌(狂気の花嫁・b14628)
氷采・亮弥(青藍ヴィエチニー・b16836)
不破・赤音(白鬼・b22569)
九重・美珠(土蜘蛛クノイチ・b23706)
ウィル・アルトリオス(灯志樹・b29569)



<プレイング>

プレイングは1週間だけ公開されます。

水無月・露(花に降る・b01410)
◆侵入
隠された森の小路の最短距離で屋敷へ急行
迷子の一般人を装って扉を叩き、正門を開けさせられないか試みます
猫変身と憑依法で付いてきてくださる森澤先輩、不破先輩は宜しくお願いします

「ごめんください。わたし、森に迷い込んで…足を挫いてしまったんです。
少し此方で休ませていただけないでしょうか…?」
弱った様子で必死に『お願い』してみます
扉が開いたら再度閉じられないように抑え、出てきた従属種を総攻撃
撃破後、私と星司先輩の先導で中庭に向かいます
扉を開けてもらえなかった場合は窓からの侵入に切替

◆保護
森の小路を作りつつ、悲鳴や物音を頼りに霞さんを探します
森よ、どうか私を導いてください…
気配を感じられない場合は此方から「霞さん、何処ですか?助けに来ました!」等と呼び掛け
途中で従属種に遭遇した場合、私は戦闘に加わらず捜索を続行
発見したら安心させるよう手を握って微笑みかけ、屋敷外へ連れ出します
間に合って…良かった…
手を繋いで護るように寄り添い、攻撃が来た時はその場に伏せて少女を庇います
外へ出たら、この路をまっすぐ振り返らずに進めば安全だと話し、少女を見送ってから再度屋敷へ
もう二度と…貴方の路が闇に迷い込みませんように
己の姉と同じ名を持つ少女の未来を、強く祈って

◆戦闘
後衛より、貴種を中心に茨の領域で足止め
仲間の負傷が多い場合は、他の癒し手と声を掛け合いながら回復に努めます
紅い悪夢はもう…終わりにしましょう

榊・那由多(蒼炎纏いし影法師・b02112)
【心情】
そんなに鬼ごっこがしたいのなら、自分達だけでどうぞ。

【行動】
被害者を出さぬよう現場に急行。
正門で囮役が言葉巧みに門を開けさせるよう仕向けます。
私は中から見えない位置で待機し、門が開いたら隙間を縫って中に侵入、従属種に向かって突撃します。
貴種に『強敵』と感じさせるよう、なるべく早期に従属種を倒します。
もし囮作戦が失敗だったら、近間の窓からの侵入に切り替えます。

戦闘時は前衛で黒影剣を使用。
相性的に従属種には私の攻撃は効き難いかもしれません。
「でも、それならば…」
壁となる事は出来るはず。
前衛で剣を振い、後衛の仲間が攻撃する為の時間稼ぎはさせて頂きます。
ダメージを負ったら旋剣の構えで自己回復。
気魄攻撃の効果が少なければ術式の通常攻撃を仕掛けますね。
従属種を倒したら中庭へ移動。

中庭での優先順位は、貴種>従属種
少女の救出が済むまでは吸血鬼の意識をこちらに向けなければなりません。
探索している仲間が少女の居場所を突き止めたら、そちらを背に庇うように敵と対峙。
他の人が挑発を行う場合は攻撃を控えて、旋剣の構えを取っておきます。
挑発が効かずに攻撃されたり、お付きの従属種に邪魔されて近接出来ない場合は、ダークハンドを撃ち込みます。

救出後は黒影剣とダークハンドで貴種を狙って単体攻撃を仕掛けます。
貴種に攻撃を仕掛ければ従属種は庇うでしょう。
集まった所を仲間が範囲攻撃。

撤退条件は仲間の記述に従う。

森澤・泉美(腹黒紳士・b03656)
嬲り殺しなんて、やってることは猫と同じなのにな…捕縛、必ず成功させよう

●侵入
現地までは可能な限り急行
到着後、できるだけ速やかに囮作戦での侵入を試みる

不破サンが憑依した囮役の露チャンの足元に、猫変身して同行
すり抜けられるだけの扉が開けば侵入、人型に戻って扉を開放し仲間を招き入れる

失敗した場合は、窓から強行
背に腹は代えられない、ましてやそれが命なら尚更な

○侵入時の従属種戦
中衛を担当
強敵と印象付けるため、退治までの速度を重視するため雷の魔弾で先制を狙う
僕より先に攻撃へ転ずる人がいれば、ダメージを負った従属を標的に
雷弾2発までで2体を倒せなければ、水刃手裏剣へ変更

●捜索
無事に侵入を果たしたら星司サンと露チャンの先導で霞チャン捜索
急ごう…中庭の樹がこれ以上悪趣味な実をつけないうちに
「必ず助ける、返事を!」

○貴種戦
変わらず中衛、らしくないけど霞チャンを逃がすまでは身体を張って庇うことも念頭に
他、万一のスラッシュロンドを警戒し仲間とは適度に距離を
星司サンの素敵な猫がもっと趣味のイイ踊りを見せてくれると期待

対象の貴種には弱ってもらわないと困るし従属種も固まれば恩の字だ、最優先で狙うよ
初手で射手を使い攻撃力を上乗せして、雷の魔弾で攻撃
マヒやBSで足止めしたら従属種にターゲットを変更、全力で戦闘を

ウィル君に手を貸して似合わない悲しみの果実を地に下ろしたら
…霞チャンの要らぬ恐怖が一日も早く消えることを願うよ

鷹原・星司(ヤドリギ使い・b05146)
【潜入】
囮役の人たちが正門を開けることに挑戦してくれるので、
相手の視界に入らないように門の近くで待機。
門を開けることに成功した場合はそのまま突入し、失敗したら窓から強行突入に変更。
どちらの場合も近くに従属種が2人いるはずなので、これをできるだけ早くこちらの力を示せるように撃破できるように。
アビは特に使わず、接近できるようなら攻撃。
接近が難しかったり攻撃を受けて大きなダメージを負っているような人がいれば回復に回ります。
ワンダラーの猫は射撃攻撃に集中させます。

【中庭】
植物で迷路のようになっているようですから本業能力を活かして霞ちゃんを捜索。
恐らく貴種も彼女の近くにいると思われるので保護と貴種の意識をこちらに向けさせることに力を入れたいところ。

戦闘では全員を回復の射程に収めれることができる位置を心がけて攻撃よりも回復を中心に動きます。
最初にワンダラーから魔力供給を受けて回復量を高めて
優先順は 前衛>後衛 でダメージの大きい人から。
回復に余裕がある場合には森王を使って攻撃も試みます。

ワンダラーは従属を最低1人巻き込める状態であるなら踊りを。
それ以外なら射撃攻撃を使っていきます。

攻撃に関しては貴種を優先的に狙い、森王で止めをさせるなら捕縛のために狙ってはいきたいですね。


霞ちゃん…できることならこの記憶を失い、トラウマなども残らないで欲しいですが…。
さすがに難しいかもしれませんね…。

上山・誠示郎(駆け出しの剣士・b05167)
戦闘位置は常に前衛。

>侵入
なるべく急いで屋敷に向かう。
正門の覗き窓から発見されないよう森の中から屋敷に近づき、
正門周囲の覗き窓の死角となる場所にはり付いて待機。
囮班が正門を開かせたら、すぐさま内部に突入。
それに失敗したら近くの窓から内部に侵入。

>戦闘従属種×2
門から侵入した場合咄嗟に閉められないように、
門の内部に入ったらすぐに従属種の前に立ちはだかる。
最初に旋剣の構えを使用し、
二人を範囲に巻き込めるなら暴走黒燐弾を連発して速攻。
巻き込めない場合は命中率の高い属性の通常攻撃で攻める。
屋内従属種×2との戦闘の場合も同じ戦法で。

>中庭
中庭に出たらヤドリギ使いの二人の後に付いて霞さんを探す。
霞さんや貴種のものと思われる声や音が聞こえたら
すぐに仲間に知らせる。

>戦闘貴種
霞さんと貴種を見つけたらすぐに二人の間に
割って入って、貴種に向かって一撃。
その際に敵を挑発。
「若くて可愛い女の子に嫉妬でもしたか?おばさん。こんな悪趣味なことやってるあんたが一番醜いぜ!」
霞さんが退避するまで貴種に対して
執拗に気魄通常攻撃と挑発を仕掛けて敵の注意をこちらに向ける。
従属種が貴種を庇うならそれを逆手にとって術式通常攻撃。

霞さんの避難が終わったら、旋剣の構え使用。
貴種に狙いを絞りつつ貴種を守ろうとする従属種や、
援軍で来る可能性のある屋敷内の従属種達を
暴走黒燐弾奥義で出来るだけ纏めて攻撃。
HPが半分を切ったら旋剣の構えで回復。

御影・忌(狂気の花嫁・b14628)
考えてみりゃ、とち狂った吸血鬼の捕獲依頼は初めてだったねぇ。
あたしとどっちが狂ってるんだろうねぇ。
まぁ、どっちでもいいか。胸くそ悪い連中を、とっととお縄にしようじゃないか。

それにしても、今回は顔見知りや知り合いが多いねぇ。ま、よろしく頼むよぉ。

・作戦
巡回の従属種は囮で誘き寄せ、集中攻撃で倒す。
中庭には速攻で向かい、専任者が霞を保護し、そのまま戦闘区域から離脱。
中庭での戦闘の際、攻撃優先は貴種。

・行動
「悪いねぇ。遊んでる時間はないんだ」
従属種の誘き出し後、前衛に飛び出して獣撃拳を叩き込む。
速攻で倒す必要があるので、アビリティの出し惜しみはしない。

「さぁて、鬼ごっこはもう終わりだよぉ」
貴種戦でも前衛。
ただし、水無月が霞に接触するまでは水無月を護衛。

貴種に接近し、獣撃拳を攻撃の要として対峙。
移動のタイミングで森羅呼吸法。
従属種が貴種の護衛に集まってくるように誘導。
「ほぉら、ボサっとしてると、お前さんたちのご主人様がやられちまうよぉ」
敵が纏まってくれてると、暴走弾がかなり有効だからねぇ。

あたしの攻撃対象は、従属種が近くにいたとしても貴種だ。
「ぎゃははは……!!!」
気分が高揚してくると、狂気的に笑いながら「Rose or Chain Sword」を振り回すようにして攻撃を行う。

「そろそろおねむの時間だよぉ」
貴種を倒し、その時点で従属種が残っているようなら従属種を攻撃する。
負傷時は呼吸法で回復。

氷采・亮弥(青藍ヴィエチニー・b16836)
百舌鳥が百舌鳥足りえるのは自然界の理の中だけだ
…人の世では許されん

○侵入
高Iniで先導、できるだけ早く目的地へ到着し
露らが囮を買っている間は扉の陰で気配を消し待機
扉が充分に開いたら、隙をついて身体を割り入れるようにこじ開け
庭に入り従属種と相対しよう
「宴の、終焉の時間だ」
無理なら窓からの侵入にシフト、不破の家屋侵入に従う

○戦闘
前衛
まずは最初に遭遇した従属種を速攻で倒す
多少派手に立ち回るくらいで構わん。貴種に此方が強敵と知らしめ
少女への興味を逸らすのが目的だ
仲間と連携、火力を集中し一気に片をつけよう
俺は目の前のこいつから行くぞと皆の動きを先導しつつ
退魔呪言突きの高火力で穿つ

少女及び貴種を鷹原・露の先導の元で探し
貴種が現れたらすぐに其方を最優先攻撃対象に移す
現れなければ上山とあわせ、声高らかに怖気ついたかと挑発
途中で従属種が現れてもあくまで貴種狙い

少女を露が保護し逃すまでは、敵から少女と露を庇い
攻撃の射線に立ち塞がるように動く
お前の相手は俺たちだと貴種に真っ向から向き直り
クレセントファングで只管集中攻撃
従属種が貴種を庇う動きを見せても、それでも尚と突っ込んで
敢えて相手を固まらせるように意識
後衛陣の攻撃を誘導し――さぁ今だ
一網打尽にしてもらおうか(ウィルを見遣り

体力が拙ければ一度後ろへ下がり回復を待ち
回復後戦線復帰

○戦闘後
予め持参したロープを用い、貴種を捕縛
捕縛諦めの基準はウィルのプレに準拠

不破・赤音(白鬼・b22569)
【事前準備】
ライト人数分用意、全員に配布

【作戦】
1.門の覗き窓の死角に隠れるよう門に張り付く

2.水無月を囮に門を開けさせ全員突入。見張りを倒す(門を開けさせるのに失敗した場合、館側面に回り窓から侵入。この際館内部の従属種などに見つかった際はまずこれを撃破する)

3.ヤドリギ使いを先頭に中庭を突破して、貴種と少女に接触、少女を保護し、貴種に話しかけるなどして時間を稼ぐうちに少女を吸血鬼たちの攻撃が届かないところへ避難させる

4.残った吸血鬼たちを退治する

注;戦闘は一人の敵に集中攻撃して短時間の確固撃破を狙う

【役割】
 門を開けさせる際には念のため水無月に憑依、戦闘になった場合、姿を表し敵に奇襲する。
 門からの侵入が失敗した場合、「家屋侵入」技能を活かし、呪髪を窓の隙間に差し込んで窓を開けるなど、館の従属種に気づかれないように侵入するのを手引き。
 戦闘は基本的に前衛。黒影剣で攻撃
 少女を逃がす際は、上山が挑発を行うが、効き目が薄そうな場合、まあまあと割って入り、貴種に「こんなことはやめてくれないか?」と話し合う姿勢を見せます。上山の挑発やこちらの提案が歯牙にもかけられなくても、少女が逃げれれば「作戦は成功」と平気で言います。

【心情】
常に無表情、中は熱い
一度失敗した吸血鬼依頼、今度はしくじらない。
熱くなった仲間には「大切なのは熱くなった心を御して、冷静に事を進めること」と言います。

九重・美珠(土蜘蛛クノイチ・b23706)
◆心情
吸血鬼が絡む依頼は、今回が初めてです。

狂気に冒された吸血鬼の方々……本当に許せませんね。
罪のない人に恐怖を与え、じわじわいたぶるなんて卑劣な行為を絶対に許すわけにはいきません。

◆作戦
囮を立て、正門に巡回中の従属種を誘き寄せる。

集中攻撃で撃破

中庭へ

霞さんを確保し、バットストームの範囲外へ連れ出す

中庭の吸血鬼たちと戦闘

◆行動
物陰に隠れ、巡回の従属種が現れるのを待ちます。
囮作戦が成功し、従属種が補足したら破魔矢で攻撃します。
できるだけ速攻で撃破したいので、ここでは攻撃を優先します。

巡回の従属種を撃破後、中庭を目指します。
霞さんの保護は、水無月さんの担当です。
戦闘時の位置は中衛。あまり前面に出ないように注意します。
水無月さんが動きやすいように、破魔矢で援護を行います。
霞さんを確保し、一端離脱する場合も援護します。

霞さんを確保後は、わたしは回復中心に行動します。
前衛陣の状態をチェックし、負傷している方がいる時は、祖霊降臨で回復&支援。
「先人の魂よ。かの者に降り立ち、大いなる力と祝福を与え給え」

貴種にバットストームを使用された後に、赦しの舞を使用し全体を治療します。

回復の必要がない場合でかつ、破魔矢が残っている場合は、従属種を優先して攻撃します。

◆戦闘後
「お疲れ様でした。霞さんは、無事に逃げられたでしょうか……」

※御影忌さんとは知り合いです。

ウィル・アルトリオス(灯志樹・b29569)
庭は血の花咲かせるトコじゃねえっての

囮作戦
正門、覗き窓からの死角で待機
いつでも援護できる様経過観察
水無月さんが招かれれば亮弥の反応に合わせ門番襲撃
雪だるまアーマーで強化、氷の吐息は4回までで通常攻撃へ
失敗した場合は手近な窓へ直行、最初に出会う従属種との戦闘方針は同じ
どちらの場合も従属種を倒したら中庭へ

中庭
ヤドリギ2人に付き移動、少女の姿や声を探す
見つけたら仲間の方へ誘導又は引き込む
怯えねえよう言葉を「助けに来たぞ!」
皆と共に水無月さん&少女と貴種達の間に立つ形
門での戦闘に貴種からやって来た場合は
窓または門、攻略した側へ2人を進ませる
会話を試みてる時も警戒は崩さず
せめてすぐに警告出来る様構え

戦闘:中衛位置
人の道に戻れる希望があんなら生きて捕らえてぇ
鷹原さんに余裕があればお願いし二重強化
貴種への攻撃に従属少女が誘き出されてれば巻き込み狙い
亮弥を見送り、前衛の攻撃の後をフォローする形で森王の槍奥義を
背中くらい守ってみせねえと
なんだか犠牲者のお返しみてえだな
んな趣味ねえけど

援護になる様合間には従属種の移動や攻撃を仲間へ警告
従属種少女の使用技も直線攻撃等あれば後衛にも固まらねえ様注意
次の攻撃に耐えられそうにねぇ前衛がいれば交代し前へ
槍切れ又は貴種が戦闘不能になれば吐息を

仲間の半数が戦闘不能で
貴種が体力の大半を残している場合捕縛は諦め討伐

犠牲者、出来れば降ろしてやりてえな
樹々もいつか緑に戻る様




<リプレイ>

●鳥の住処―外世界―
 まるで絵本の片隅へ迷い込んだかのような、新緑に埋もれる赤レンガの洋館。
 急ぎ現場を目指した能力者達を迎えたのは説明にあった通りの、厳重な警備に守られた貴種ヴァンパイアの根城だった。
「では、宜しくお願いします……」
 声を潜め、水無月・露(花に降る・b01410)は不破・赤音(白鬼・b22569)と森澤・泉美(腹黒紳士・b03656)の両名に小さく頭を下げる。他の者は扉に付いた覗き窓の死角に回った。空は既に赤く、遠くで鴉の鳴く声がする――。
(「嬲り殺しなんて、やってることは猫と同じなのにな……」)
 瞬時に猫の姿に変化した泉美は露の足元にぴたりと寄り添い、その時を待った。黒燐蟲の群れと化した赤音は露の内に潜伏。一見しては年頃の少女が独り、という状況を作り出した。
 急がねば捕らえられた霞の身に危険が及ぶ。露はごめんください、と必死な声と仕草で門の扉を叩いた。
「わたし、森に迷い込んで……足を挫いてしまったんです。少し此方で休ませていただけないでしょうか……?」
 一拍置いた後、覗き窓の向こうから黒いフードを被った男が顔を見せる。
 懸命に、露は弱った様子を演じた。すると男はもう一人の門番と何やら小声で相談を始める。
「誰か連れはいないのか?」
「いいえ……ひとりきりで、もうどうしようもなく……」
 お願いしますと繰り返せば、覗き窓がいったん閉じられた。それから鍵を開ける音がして、扉が開く。氷采・亮弥(青藍ヴィエチニー・b16836)とウィル・アルトリオス(灯志樹・b29569)は互いに小さな目配せを送り合った。飛び出すタイミングをぎりぎりまで計る。
 そして、押し開けられてゆく扉に充分な余裕が出来た瞬間。露は思い切ってその端を掴んだ。同時に泉美が扉の内へ滑り込み、赤音が人型へと戻る。
「な……っ!?」
「甘かったな」
 旨過ぎる餌には罠がある。自分達の求める獲物がのこのこやって来たからといって簡単に信じてしまうとは、戦士として失格だ。赤音は殊更大きな動きで大鎌を振りかざし、手前にいた従属種ヴァンパイアへと奇襲の一手を加える。
 従属種ヴァンパイアは咄嗟に反撃へ出るが、亮弥のナイフが赫光を放つ方が早かった。
「悪いが、時間がない」
 ――こいつから行くぞ、と。扉の中に身を滑り込ませた亮弥は後ろを振り返らないまま標的を定めた。
「ふふ、腕が鳴るねぇ」
「速攻でぶっ倒すってえわけだな」
 御影・忌(狂気の花嫁・b14628)の手元でチェーンソー剣が耳障りな音を立てる。ウィルの身体を白い雪が覆い尽くし、凍れる鎧と化した。
「たばかったな!?」
「そりゃこっちの台詞だぜ」
 従属種ヴァンパイアのうち一人が増援を呼ぼうと屋敷に引き返そうとする。だが、上山・誠示郎(駆け出しの剣士・b05167)はその身を壁にして逃走を阻んだ。怒りを秘めた瞳で敵を見つめるその隣に、日本刀を携えた榊・那由多(蒼炎纏いし影法師・b02112)が並んだ。
「逃がしませんよ」
「くっ……」
 逃走を諦めた従属種ヴァンパイアは懐から笛のようなものを取り出し、一息にそれを吹き鳴らした。緊急の合図なのだろう。
「これで、襲撃者の存在は貴種ヴァンパイアの知るところとなったはず……」
 けれど、それだけでは不十分だ。九重・美珠(土蜘蛛クノイチ・b23706)は回復を得意としながら、も今は攻撃手の一員として力を奮う。
「鬼ごっこに興じている場合ではありませんよ」
「ああ、一気にカタをつけてやる」
 貴種ヴァンパイアに、宴を中止して迎撃せねばならないと決断させるだけの力を。泉美は前衛の動きに合わせて雷弾を射出。意表をついた攻撃は従属種ヴァンパイアの神経を麻痺させ、その動きを止めた。
「今だ!」
「っ!!」
 一糸乱れぬ動きで、亮弥とウィルの攻撃が敵を屠る。呪言を託したナイフは脇腹を深々と抉り、絶対零度の吐息は魔氷の猛威を振るう。鷹原・星司(ヤドリギ使い・b05146)の使役するケットシー・ワンダラーの杖先から放たれた衝撃波が止めとなって、従属種ヴァンパイアは呆気なく倒れた。
「観念して下さい」
 霞の事を思えば、出来るだけ早くここを突破したい。誠示郎と那由多に足止めを食らっていたもう一人の横合いに回りこみ、星司は手袋に包まれた拳で直接攻撃を加えた。反対側からは美珠の破魔矢が従属種ヴァンパイアのこめかみを掠める。
「ちっ……」
「往生際が悪い」
 誠示郎の日本刀は彼の弱点を撃ち、追い詰める。従属種ヴァンパイアとて弱いわけではない。けれどかち合う相性を逆手に取って盾となる那由多を打ち倒すには力が足らず、また高火力の攻撃を惜しげもなく注ぐ亮弥、泉美、忌らの猛攻に耐えられる程の体力も有してはいなかった。
「宴の、終焉の時間だ」
 やがて血を吐き、大地に倒れる従属種ヴァンパイアの身体を乗り越えて、能力者達は問題の中庭へと侵入を果たす。
「森よ、どうか私を導いて下さい……」
 露と星司が先導となり、彼らの願いを聞き入れた木々はまるで主人を迎え入れるかのようにその道を開けてゆく――。

●鳥の住処―巣―
「おかしいわね……」
 貴種ヴァンパイア――名をイゾルデという。小鳥を追い詰めて愉悦に浸っていた彼女の耳に警笛が届いてから、数分。すぐに曲者を捕らえたという報告が成されるかと思ったのだが、一向に部下は現れない。
 しかし、彼らが苦戦するほどの相手が果たしてこのような場所を訪れるだろうか。
「今、とてもいいところなのだけれど」
 この先は行き止まりだ。
 そして、追い詰めた小鳥がそこで震えているのをイゾルデは知っている。この庭を作ったのは彼女の他ならない。どのように逃げようとも、それは所詮イゾルデの手のひらの上だった。
「どう思う、ユリカ?」
 中庭の入り口から聞き覚えのない声が聞こえて来たのは、寄り添う少女に意向を尋ねた時の事である。

「霞さん、何処ですか? 助けに来ました!」
「必ず助ける、返事を!」
「助けに来たぞ!」
 むせかえる血の匂いも、地獄絵図のような光景も彼らの歩みを緩めたりはしなかった。口々に霞の名を呼べば、泣き声のような悲鳴が奥から発せられる。
「誰? 助けて、助けて……!!」
 露と星司は顔を見合わせ、足を早める。
 だが、彼女の元へ駆けつける前に妖艶な美女が立ちはだかった。まるで人形のような少女を従えた女は、突然の来訪者を歓迎するかのように笑う。
 ――そして、その奥。色づき始めた木々の根元に座り込んだ霞が両耳を塞ぐようにしてすすり泣いていた。
「あら、素敵な方々。あなた達も鬼ごっこに加わりたいの?」
「よく言うぜおばさん。若くて可愛い女の子に嫉妬した結果がこれか?」
 イゾルデの問いなど無視して、誠示郎はすぐさま霞を庇うような位置取りを試みる。彼が気を引いている隙に露は霞の元へと駆けた。イゾルデの眉が跳ね上がる。露の護衛に回っていた忌がそれに気づき、彼女を守るように立ち塞がった。
 他の面々も霞とイゾルデの間に立ち塞がろうとするが、狭い園内ではそこまでの身動きが取れない。クロスシザースを構えた少女が彼らの行く手を阻んだ。
「ふふ、面白い事を言うお方」
 ドレスの裾を翻し、白い生足が露わになる。そこに隠されていたのは小型のレイピアだった。誠示郎の挑発を受けたイゾルデは望むままに手加減無しの攻撃を繰り出そうとする――まずい、と最後方から様子を窺っていた星司が眉をひそめた。
 ここで攻撃に転じられたら、霞を巻き込む可能性がある。
「まあまあ、そう気を急かなくともいいだろう」
 一瞬即発の気配をまるで無視して、赤音が口を開いた。
 イゾルデは片眉を跳ね上げ、その手を止める。
「こんなことはやめてくれないか?」
「それはこちらの台詞よ」
 勝手に踏み込んでおいて、要求ばかりを突きつける。理不尽だと機嫌を損ねる貴種ヴァンパイアが作り出した一瞬の隙、それだけで充分だった。
「さあ、こちらへ……」
 露は霞の手を握り、安心させるように微笑む。そして一気に離脱を試みた。気づいたイゾルデが蝙蝠の群れを解き放った時には既に、垣根を突っ切った二人の姿は視界から消え失せている。
 赤音は平然な顔で成功だなと呟いた。
 隣で忌が、濡れた舌で唇をなぞる。
「さぁて、鬼ごっこはもう終わりだよぉ」
「!?」
 唐突に突っ込んで来た忌に、イゾルデの反応が遅れた。その隙をついた亮弥の蹴撃が冴え渡り、下弦の軌跡は忌の獣撃拳と共にイゾルデのすべらかな肌を傷つける。間を置かず、泉美の雷弾が宙を疾駆――着弾。一瞬とは言え貴種ヴァンパイアの動きを制する。
 主人の危機に、従属種ヴァンパイアの少女がその身を盾として投げ出した。だが、1対10では盾足り得ず。
「俺たちの相手はお前では無い」
「ああ、どきなっ!」
 旋剣の構えを発動しながら、誠示郎はイゾルデに狙いをつけた。挑発の間に力を高めていた那由多は構わずダークハンドを疾駆させる。少女は誠示郎の一撃こそ防いだものの、那由多の闇までは食い止める事が出来ない。
 美貌を歪ませたイゾルデは蝙蝠を介して体力を回復する。その時、屋敷の方から残る従属種ヴァンパイアが駆けつけた。それぞれチェーンソー剣と棘付き鉄球を提げている。
「イゾルデ様!!」
 彼らは主人を救おうと、その傍らへと駆ける。
 だが、それは半ば罠だった。
「――さぁ、今だ」
 嘯くように軽い亮弥の声が、風に乗る。
 刹那、ウィルの手元で寄られた植物の槍と誠示郎が解放する黒燐蟲の群れが、イゾルデを中心に爆ぜた。目をすがめるウィルの金髪を爆風に近い風が薙いで行く。
「なんだか犠牲者のお返しみてえだな」
 槍と化した枝葉がヴァンパイアの身体を貫くのを見て、独り言のように呟く。唇を口紅よりも赤い朱に染めた女は恨み言のように告げた。
「意趣返しのつもりなの?」
「さあ? 鬼ごっこにしろ、早贄にしろ……自分達だけでどうぞ」
 どれほど従属種ヴァンパイアがイゾルデを守ろうと動いても、能力者達がそれに惑わされる事はない。彼らはただ一点、イゾルデに狙いを絞って攻撃を与え続けた。
「ぎゃははは……!!!」
 果たして、狂っているのはどちらなのか――。忌は深紅の薔薇を刻んだチェーンソー剣を思うさま振り回し、血をまき散らす。
「ほぉら、ボサっとしてると、お前さんたちのご主人様がやられちまうよぉ」
「くそ……っ、イゾルデ様を貴様らなどに……!!」
 追い詰められればられるほど、挑発は容易く敵の心中をかき乱す。再び見舞われる黒燐弾と森王の槍。
「一網打尽、ってな」
「もうあと一息ですね」
 ウィルの背中に、星司が声を掛ける。ケットシー・ワンダラーからの魔力供給を受けた彼は祝福を用い、仲間の援護に務めた。おかげでウィルの魔力は極限まで高められている。誠示郎には美珠が、薙刀を振るって祖霊を降ろす。
「先人の魂よ。かの者に降り立ち、大いなる力と祝福を与え給え」

●鳥の住処―終わりの音色―
 二重に強化された森王の槍と黒燐弾の猛威は筆舌し難い。元より力の無い従属種ヴァンパイアには到底耐え切れるものではなかった。
「情けないね」
 ワンダラーの踊りに支配されたままくず折れる二人に、泉美はただ一言言い捨てる。
「罪のない人を弄んだ罰です」
 忍装束を纏める紐を揺らし、舞を踏む美珠の唇からは噛み締めるような言葉が漏れた。
「……本当に、許せません」
 睨み付けるようにイゾルデを見据え、見せるのは声音と裏腹に優雅な舞い。回復技を持たない亮弥へは星司が祝福を紡ぐ。僅かに顎を引いてそれに応え、繰り出す蹴りが百舌鳥と化した女を追い詰める。
「百舌鳥が百舌鳥足りえるのは、自然界の理の中だけだ」
 見上げれば、地獄。
 一体どれだけの少女が犠牲になったのだろうか。
 黄昏に染まる芝生に複雑な影が落ちている。歪な柄の闇はまるで助けを求めているかのようだった。
 けれど、そのような光景も赤音の平静さを失わせるには至らない。冷静に、作戦通り。呪髪を操りイゾルデだけを狙い撃つ。
「馬鹿な……」
 ありきたりな台詞と共に、イゾルデは両目を見開いた。
 徹底的なまでの集中攻撃は貴種ヴァンパイアの想像を絶した。他の敵に振り回される事なく、一つに寄り合わされた力が遂にイゾルデをねじ伏せる。
「……!」
 それまで何も叫ばなかった少女が、小さく主人の名を呼んだ。助け起こそうとする彼女の前に忌が身を乗り出す。少女を挟んだ向かいから露が駆け戻って来た。
「紅い悪夢はもう……、終わりにしましょう 」
 放たれた茨が、少女の細い体を縛る。
 その瞬間、と忌はにやりと極上の笑みを浮かべた。
「そろそろおねむの時間だよぉ」
 チェーンソー剣が従属種ヴァンパイアの少女に迫る。回復から攻撃へと転じた星司が、森王の槍を呼び起こした。目が眩むほどの緑の中にあってもその存在感は他を上回る。
 イゾルデが倒れると同時に前へ出たウィルが亮弥の隣に並んだ。氷の時が魔氷を誘い、氷雪を散らして蹴撃が穿たれる。
「終わりだよ」
 射手を使うまでも無い。美珠の祖霊に癒されながら泉美が放つ雷弾の軌跡は、どこまでも鮮烈だった。
 那由多と誠示郎、赤音の刃が交差するように振り下ろされる。
 それは即ち、幕引きの合図だった。

(「もう二度と、あの子の路が闇に迷い込みませんように」)
 振り返らず、駆け出していった少女の背中を思い出して露は祈る。姉と々名を持つ少女の未来に幸あれと。……間違ってもまた、このような事件に巻き込まれる事のないように。
「無事に逃げられたようですか?」
「ええ。大丈夫です……きっと」
 望む答えを得て、美珠はほっと胸を撫で下ろした。
「できることならこの記憶を失い、トラウマなども残らないで欲しいですが……」
「まあ、少しずつ記憶は消え失せるだろう」
 起動を解きながら、赤音は星司の呟きに前向きな言葉を返す。
「こんなもんか?」
「ああ、後は任せよう」
 外には仲間のヴァンパイアが待機している。一通りの捕縛作業を終えた亮弥は、今だ作業を続けるウィルと泉美を振り返った。
 百舌鳥はもう、この地を去る。
 ここが鳥の住処であった証拠を消すように、彼らは丁寧に遺体を木から降ろしていった。
「いつか、樹々も緑に戻るといいな」
 血に染まった枝葉はいつしか雨に洗い流され、元のような静謐さを取り戻すだろう。
 それを願い、祈り。
 ――今はもう、主のいない静かの庭を後にする。


マスター:ツヅキ 紹介ページ
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知 的 ハートフル ロマンティック せつない えっち
いまいち
参加者:10人
作成日:2009/09/27
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冒険結果:成功!
重傷者:なし
死亡者:なし
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