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JR福知山線脱線:事故調漏えい 対策トップのJR西副社長「接触指示した」

 JR福知山線脱線事故の調査報告書案漏えい問題で、航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の山口浩一・元委員(71)とは別の事故調元委員に、報告書公表前に複数回会っていたJR西日本幹部が26日、東京都内で会見。「元委員は旧国鉄の先輩で、事故後の06年8月から報告書が出るまで10回ほど会っていた」と接触を認め、社内の事故対策組織である事故対策審議室の打ち合わせで、面会を指示されたことを明らかにした。

 当時取締役で審議室のトップだった土屋隆一郎・JR西日本副社長は26日夜、毎日新聞の取材に「情報を取り、事故に適切に対応したいと思った」として自分が幹部に情報収集のための面会を指示したことを認めた。事故調委員への接触は会社ぐるみだった可能性が高まった。

 会見したのは鈴木喜也・JR西日本東京本部副本部長(55)。鈴木副本部長は、当時、鉄道本部技術部マネジャーで、福知山線脱線事故の原因を究明するため発足した事故対策審議室のメンバーを兼務していた。鈴木副本部長によると、事故調鉄道部会長だった佐藤泰生・元委員(70)とは旧国鉄で4年、同じ職場で、その後も、別の元国鉄職員も含め3人で会っていたという。

 05年4月の事故発生後の06年8月ごろから、10回程度会ったという。「審議室の会合で、聞けることがあれば聞いてくれという要請が出て聞いた」と述べた。聞いた内容は審議室の打ち合わせで口頭で報告していた。問題となっていた日勤教育の事故調での議論内容などについても尋ねたが、佐藤元委員は具体的内容は教えてくれなかったという。【平井桂月、銭場裕司、鳴海崇】

毎日新聞 2009年9月27日 東京朝刊

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