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北沢防衛相、辺野古の市民団体を素通り 基地移設の視察

2009年9月27日15時44分

 政権交代後、閣僚として初めて沖縄を訪問した北沢俊美防衛相は26日、県内各地を足早に回った。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題について「県民の声をしっかりうかがいたい」と語っていた北沢氏だが、会談を重ねた相手は首長ばかり。名護市への移設に反対するグループからは「官僚の手の内で動いているだけでは」との声も漏れた。

 移設先とされる名護市辺野古の海辺のテントには、04年から座り込みを続ける「ヘリ基地反対協議会」のメンバーら数人が集まった。辺野古を訪れた北沢氏が米軍キャンプ・シュワブの視察と市長らとの会談だけで立ち去ったことに、当山栄さん(69)は「民主党は『官僚支配からの脱却』と言いながら、官僚の目を通して現場を見ている」と冷ややかに語った。

 ゼミの研究活動で座り込みテントの見学にきていた一橋大学4年の女子学生(21)も「様々な意見を聞くため防衛相はここにも来ても良かったのでは。政府が反対派とは会わないのが慣習みたいになっているのなら、残念なことだと思う」と話していた。

 北沢氏は日程終了後の記者会見で「座り込みをしているという事実を知らなかった」と率直に述べたうえで、「明らかな意思表示をしている人たちは意見が分かるので、あえて訪ねる必要もないと思う」と付け加えた。

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