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民主党政権の化けの皮を剥ぐ
日教組の「悪法支配」を許すな
八木秀次(高崎経済大学教授)/ 三橋貴明(評論家、作家)
(VOICE 2009年9月18日掲載) 2009年9月27日(日)配信
三橋 この本のいちばんのポイントは、「情報が止められる」あるいは「意図的に間違った情報が流される」ことによって、知らないうちに社会もわれわれ自身も変えられてしまう恐怖です。人権擁護法やマスコミの偏向報道によって暗黒社会となる近未来世界を描いたわけです。
今回の選挙でも、やはりマスコミの報道姿勢は大いに気になりました。たとえば月額26000円を中学卒業まで支給するという「子ども手当」。お子さんのいる有権者は喜んだかもしれません。しかし、その財源として所得税の配偶者控除や扶養控除などを見直すといいます。その結果がどうなるか正確に報道されたでしょうか。民主党は「中学卒業までの子供のいるすべての世帯で手取り収入が増える」としていますが、子供が中学を卒業したあと、または子供がいない家庭はどうなのか。人生全体を通してみたら、はたして収入が増えるのかどうかなど、正しく検証されたでしょうか。
もう1つ、たとえば高速道路の無料化。その財源として予算を全面的に組み替えて新しい財源を生み出すといいます。しかし、高速道路には合わせて30兆円を超える借金がある。これを返済するときに、本当に国民の負担が増えないのか。その検証もマスコミはほとんどできていなかった。
さらに「ニコニコ動画」というWebサイトの生放送で、鳩山由紀夫氏が「日本列島は日本人だけの所有物ではない」と発言し、ネットの世界では大変な騒ぎになりましたが、これをどれほどのテレビや新聞が取り上げたでしょうか。
とにかく民主党の政策には「裏」がある。そこに強い光を当てないマスコミには作為的なものを感じざるをえませんでした。民主党の支持勢力に日教組や大韓民国民団などがいるというのはたしかに問題ですが、しかしべつにそういう政党があってもいいし、そういう政党をつくることは自由です。いちばんの問題は、その種の情報がきちんと国民に流れないことなのです。いま述べた財源の問題も同じです。そのようなことがオープンになり一般の国民に知られたうえで民主党が選ばれたのであれば、たしかにこれは民意でしょう。しかし今回本当にそうだったか。事実を隠している人たちこそが本当の悪なのです。そういう意味で今回の選挙では、日本国民のいちばんの敵は誰なのかが明確になったと思います。
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