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軍用装備品調達方法一覧
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バラバラに辞書に入れるとわかりずらいと思って別ページにしました。



【国産】 (純国産)
 自国で開発し自国内に製造ラインを設けて生産を行うこと。
 輸出などの際にも制約は無い。しかし、その装備品の中に一部でもライセンス生産されたものがあれば、そのライセンス元の国から輸出承認が必要になる。
 その装備品調達に使える予算のすべてを国外企業等に渡すことなく、国内で消費できることと、自国の要求に合わせて開発・生産できることが有利な点であるが、国内で世界に通用する装備品が作れるのかどうか、国内の技術力が問題になる。
 国内に製造ラインを得られるメリットがある一方で、生産数が少ないと、その生産数で開発研究費と製造ラインの構築にかかった費用と製造ライン維持費を割るため、素人目には装備調達費が高く見えてしまう。このため税金を無駄遣いしているように誤解されやすい。


【共同開発】
 2国以上の国が協力して開発・生産すること。生産開始後の利益率は開発時の出資比率に応じて決定され、仕事のシェア率(戦時下に国内ですべて生産することはできるが、平時は部品ごとに決まった各国の企業に発注する約束事)という形で割り振られる。
 それぞれの国で得意な分野の技術を生かすことができるので、先端最新技術を装備品開発に生かしやすい。ただし、開発に時間がかかる装備品は、その間に国際関係や国際為替相場の変動の影響を受けたり、いずれの国の政治体制の変化などによって、なにかと火種が絶えず、計画が中断または中止に追い込まれやすい。


【域外調達】
 甲という国が、甲国の国費を使って乙国にある会社にある装備品を発注し、完成した装備品を無償援助で乙国に渡すこと。乙国の軍需産業を育てる事を含んだ軍事援助になる。ただし、甲国にとっては自国税金まで使っても甲国にはなんのメリットもない。乙国への軍事援助だけでなく乙国の軍需産業を緊急に育てる必要がある場合など限られた状況で用いられる方法。


【ライセンス生産】 (ライセンス国産)
 甲国で開発された装備品を乙国で生産すること。乙国の技術力が低い場合は、甲国から技術支援、生産指導のほか、検査治具・生産原材料の提供まで受けられるが、価格はさらに割高になる。技術力に差があると値段に反映されるため、ライセンス価格を抑えるために、似たような性能をもつ装備品を試作して、それを公開してから交渉するといった方法が使われている。乙国自国内で製造ラインを持てるだけでなく、生産技術の指導まで受けられるため、その装備品生産に関係する別に軍事技術でもない甲国とくらべ遅れているなんらかの工業生産技術の向上も期待できる。ライセンス生産では、万が一、甲国と乙国が将来は戦争になるのではと想像させることなく、また乙国が甲国に無断でライセンスで入手した技術を甲に敵対する国に秘密裏に流すことがないと信じられる必要がある。このため甲国と乙国間では友好な外交関係であることが必要である。さらに甲国の開発元企業と乙国のライセンス生産企業との間でも、乙国ライセンス生産企業がライセンス生産で得られた軍事技術を無断で転用することがないと信じられるだけの、企業間でも信頼関係が構築できている必要がある。一度信頼関係の構築に成功すると、次のライセンス交渉はすでに信頼関係が結ばれているので比較的にうまくいきやすい。こうした関係は、首脳会談といったトップダウンと違ったボトムアップ的な両国間の信頼関係醸成の効果もある。
 ただし、生産数が少ないと、国産と同じように、その生産数でライセンス料と製造ラインの構築にかかった金額を割るため、素人目には生産された1つの装備品あたりの金額が高く見えてしまうので、税金を無駄遣いしているように誤解されやすい。


【無断コピー】
 甲国で開発された装備品を乙国が無断で生産すること。生産時のトラブルや生産後の装備品が甲国オリジナルよりも能力が劣っていても甲国の助けは得られない。また、甲国との外交関係が悪化するほか、乙国の信用自体が低下する。


【ノックダウン】 (部品組立)
 装備品を国外から輸入するのではなく、部品状態で輸入して国内で組み立てる方式
 部品で輸入しているため、部品備蓄分は装備を生産できるほか、簡単な故障であれば部品交換で応じられるため、国産やライセンスほどではないが、輸入と比べ、高い稼働率と継戦能力が期待できる。技術格差がありすぎる場合は、ノックダウンによって基礎的な技術力を得てから、ライセンス生産へ目指していくのが一般的である。


【無償援助】
 無償で行う軍事援助のこと。提供されるのは一般的に旧式装備品であるが、援助の計算は、これら旧式装備品の時価ではなく、生産調達価格がそのまま適用される。このため、無償援助額の大きさに対して、実際の援助はたいしたことがないといったことがおきる。


【有償援助】 (FMS)
 友好国価格ということで通常よりも安い価格で装備品を輸入できること。ただし、援助国の都合(戦争等)によって、約束された装備品の納期が大きく遅れるといったことが起きることもある。


【貸与】
 甲国軍隊の装備品を、乙国軍隊に貸し与えること。甲国で旧式化した装備品が貸与されるが、一般的に乙国に返せということはなく、無償援助の性格が強い。しかし、甲国から返せと通告された場合(たまに、こういった例外がおきる)は、乙国は返さなければならない。


【輸入】
 完成された装備品を輸入すること。一般的に軍用装備品に定価は存在せず、乙国が甲国からある金額で輸入できたといって、丙国も同じ価格で輸入できるとは限らない。国家間の国際情勢、地理的な位置関係、輸入数、技術力の格差、甲国の外交戦略方針によって価格は変化するので、丙国が乙国よりも安く調達できるかもしれないし、乙国から5倍も高くふっかけられてしまう可能性もある。
 完成品の輸入なので、国内に生産ラインも部品の備蓄も存在せず、故障など自然消耗によって装備品の数は徐々に減っていくほか、戦時の急速な消耗に対して継戦能力に大きな不安を抱えている。


【自活兵器】 (民生品やがらくた利用)
 破壊された軍用装備品の部品を集めて応急的な装備品を自作したり、トラックに鉄板をつけて応急装甲車としたり、ガラス瓶にガソリンをつめて投げるといったこと。正規軍隊にこれら自活兵器で対抗するのは兵器としての能力からも厳しいものがある。島嶼などで友軍から孤立した地域、敵支配地域での民衆による抵抗運動のほか、国際関係でなかなか軍用装備品が手に入らず、間に合わせの手段として使われることがある。


【亡命した機体や艦船等】
 入手は運に左右され、まとまった数も手にはいるわけでもなく計画的な調達方式とはならない。ただし、技術的なサンプルとしては有効な場合もある。また、艦船の場合はそれなりの大きさから冗長性があるので、廃品利用に近い形で有効利用できる可能性もある。


【戦場での遺棄されたものの回収】
 こちらも入手は運に左右されるが、技術サンプルだけでなく、装備品として活用するには入手した装備品の数、それにともなう消耗品の数が思案点になってくる。


【戦後賠償】
 どれだけ入手できるかは戦勝国間の会議次第であるが、運次第によっては戦場で回収することのない変わった装備品を入手できることもある。敗戦国の最新装備を大量に入手できた場合、敗戦国では生産がストップし生産していた軍需企業も解体されているため、稼働率を維持するのに問題があるほか、戦争終結後だと、戦勝国の最新装備品もだぶついた形で安く国際市場に出回る可能性があるので、無理に敗戦国の装備品を正式採用することはない


【占領後・併合後の回収した装備品の利用や生産ラインの活用】
 占領や併合後であれば生産ラインの活用も可能であるが、工業規格の違い、軍での運用ドクトリンの違いなどによって、必ずしも有効活用できるとは限らない。


【密輸】
 外交関係などで国家間などの正規なルートがすべて使えない場合、またはゲリラやテロ組織、犯罪組織などで統治する行政機構の目を盗んで武器等を入手する為に用いられる手段。ブラックマーケットからの武器の調達となるが、目に付きにくい小型の武器・弾薬が中心となる。






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