川端達夫文部科学相は25日、09年度補正予算に施設整備費が計上されている東京海洋大(東京都港区)と東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館(神奈川県相模原市)を視察した。文科省は補正予算項目のうち、「ハコモノ」を中心に見直し対象の洗い出しを進めているが、川端氏は「地道に整備していかなければならないものだ」と述べて、両施設に理解を示した。
海洋大の研究室では、15年前に1500万円で購入し、一部作動しなくなった機械を見せられたり、海洋生物の瓶詰め標本が通路脇の棚に所狭しと並べられている現状にも直面。「日本の技術や映像文化はこうして地道に支えられている。時代の波にさらされず、着実に整備されていくべきものだと思う」と語り、悩ましい表情を見せた。
同行した中川正春副文科相が「ハコモノはすべてダメということにはならない」と語るなど、「無駄の徹底削減」を掲げて政権を取った民主党も、現場の実情を知るほどにその難しさも実感しているようだ。【加藤隆寛】
毎日新聞 2009年9月25日 23時38分