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騒動を鎮めた後に贖罪するマスコミ=「のりピー騒動」で

2009年09月26日16時39分 / 提供:PJ

pj
騒動を鎮めた後に贖罪するマスコミ=「のりピー騒動」で
「のりピー騒動」を贖罪するかのような記事を掲載した産経新聞。産経新聞HPより
【PJニュース 2009年9月26日】女優の酒井法子さんの覚醒剤取締法違反事件が一段落してきた。酒井さんの罪の重さとマスコミの過剰な反応を秤(はかり)にかければ、あまりの不釣り合いに驚くばかりだ。PJにとってこの事件は、「覚醒剤事件」としてではなく、「酒井法子」という有名人をスケープゴートにした「マスコミのカネ儲け事件」としか映らない。

「酒井法子被告保釈でメディア過熱 バランス求める声も」--9月19日付の産経新聞電子版にこんな見出しの記事が掲載されていた。記事の書き出しには「東京湾岸署前には連日、大勢のマスコミが詰めかけ、その瞬間を待ち続けた。過熱報道に、現場では『誰もが知りたがっている情報なので仕方がない』との声が上がっていたが、メディア研究家からは『もっとバランスのとれた報道をしたほうがよいのでは』との苦言も聞かれる。(村上智博)」とあり、産経新聞記者の署名入りの記事であった。

人権侵害もいとわない「のりピー騒動」の集団的過熱報道(メディア・スクラム)に関して、産経新聞の村上記者は「ある民放情報バラエティー番組のディレクター」に取材し、「政権交代と並んで、今年1、2を争う大きな事件。高い知名度と人気があるだけに、各局が多くのスタッフを割くのは分かる」「それだけ薬物の恐ろしさを伝えて、世の中を正さなければならないという各局の意気込みの表れ。伝えるべきことは伝えるべきだと思っている」との釈明を引き出した。

さらに、「メディアがこれだけ集まるのも無理はない。もっと報道すべきです」「今後、どう更生するかをウオッチし、見届けるのもメディアの役割です」とのコメントをプロカメラマンの宮嶋茂樹さんから得た。

一方、記事後半では東京工科大学の碓井広義教授(メディア論)に取材し「政権交代のニュースなど、本来、貴重な電波を使ってより手厚く報じるべきニュースは多かったはずなのに、メディアが横並びで飛びついた。酒井被告の名前を番組でコールすれば視聴率が取れると安易に考えたのではないか」「現場に動きがない中で、朝昼夜と生中継をするのは多すぎる。そんなに見なければいけないことなのか。もうそろそろ、他のニュースとの兼ね合いも踏まえて放送してほしい」とメディアスクラム批判を掲載した。

たぶん、村上記者はマスコミが引き起こしたこの大騒動について両論併記し、第三者として客観的に描きたかったのだろう。残念だが、村上記者がどんなに善良なジャーナリストだとしても、読者・視聴者といったニュースの受け手側はそうは捉(とら)えないだろう。

外国メディアも「のりピー騒動」を大々的に報道したと一部国内マスコミはいうが、それはのりピーその人でなく、大騒ぎをするマスコミに焦点を当てたものだった。この「のりピー騒動」は「覚醒剤取締法違反事件」というより、芸能人「のりピー」個人に焦点を当てた、単なる視聴率・ページビュー稼ぎ、マスコミのカネ儲けの道具だった。そのど真ん中にいたのが、産経新聞そのものだったし、系列のフジテレビなど民放キー局だったわけだ。

つまり、村上記者が第三者的な立ち位置にいようとしても、産経新聞は当事者そのもの。村上記者の思いとはうらはらに、読者にとってこの記事は、産経新聞の雀の涙程度の贖罪にしか映らない。

しかも、この記事の出稿時期にも問題がある。騒動が一段落した今、メディアスクラムへの言い訳をするのがマスコミの常套手段なのである。過去にメディアスクラムの被害を受けた故・三浦和義さんはPJニュースの取材に対して、メディアスクラム後、必ずと言っていいほどその行きすぎを反省するかのような検証報道をすると話していた。

確かにその通りだろう。この正義感溢(あふ)れる産経新聞の原稿にしても、既定路線の検証記事に映ってしまう。この原稿が騒動最中に出ていれば、酒井さんへの人権侵害報道への抑止力にもなり、それなりの意味があったろう。

だが、産経新聞ばかりは責められない。NHKや朝日新聞、読売新聞など日本国内でもっと影響力のあるマスメディアも、大同小異のことをした。「のりピー騒動」は大げさに言えば、これはジャーナリズムと商業主義のせめぎ合いでの、時折噴出する俗悪な習い性だからだ。これは利潤の最大化を追求するマスメディアの構造的な問題がからんでいる。

多少、産経新聞を擁護すれば、マスメディアの周縁部にいる産経新聞の騒ぎようは致し方ない。冷静に「のりピー騒動」を報じたのではマスメディアの中心部にいるNHK、朝日新聞、読売新聞との差別化は図れない。振れ幅の大きな報道をしたり、極端な保守路線に走ったりして注目を集めるというのも、「マスコミ厳冬期」の生き残り策の一つだから。【了】

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 小田 光康

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