王さん、点滴姿で土井さんに対面していた

土井正三さんの弔問に訪れたＶ９の盟友・柴田勲さん（右）

　元巨人の内野手で、膵臓（すいぞう）がんのため２５日に都内の病院で亡くなった故・土井正三さん（享年６７歳）の遺体に、同じ病院に入院している王貞治ソフトバンク球団会長（６９）が対面していたことが２６日、分かった。この日、親族の男性が明かした。

　土井さんが闘病生活を送っていた病院に、王会長が腹部の痛みを訴えて入院したのが今月１４日で、病室も同じ９階だった。王会長は２１日に胆のう摘出の手術を受け、無事に成功。リハビリを始めた矢先に、苦楽を共にした仲間の悲報を聞いた。

　親族の男性によると、王会長は２５日、家族に付き添われながら霊安室で遺体と対面。自身の手術から４日しか経過しておらず、点滴のスタンドを携えたまま線香をあげていったという。

　土井さんの自宅には、この日も多くの弔問客が訪れた。Ｖ９戦士の１人・柴田勲さんは「Ｖ９の中で（土井さんが）一番長生きするんじゃないかって話してたのに。安らかな顔でした」と沈痛な表情を浮かべた。巨人・篠塚打撃コーチや横浜・仁志敏久内野手も弔問。仁志は「土井さんが教えてくれたから今がある。選手として大きなものをもらった」と感謝の言葉を並べた。

　通夜は２８日午後６時から、葬儀・告別式は２９日午前１０時３０分から、いずれも池上本門寺（東京都大田区池上１の１の１）で行われる。喪主は長男の健一（けんいち）さんが務める。