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前原国交相、川辺川ダム予定地を視察 中止方針を表明

2009年9月26日13時45分

写真:川辺川ダムの建設予定地を視察する前原誠司国交相=26日午前11時34分、熊本県五木村、恒成利幸撮影川辺川ダムの建設予定地を視察する前原誠司国交相=26日午前11時34分、熊本県五木村、恒成利幸撮影

図:  拡大  

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写真:川辺川ダム建設予定地(手前)。上方は五木村の頭地地区と代替地=9日、熊本県五木村・相良村境付近、本社機から、長沢幹城撮影川辺川ダム建設予定地(手前)。上方は五木村の頭地地区と代替地=9日、熊本県五木村・相良村境付近、本社機から、長沢幹城撮影

 前原誠司国土交通相は26日午前、建設中止を表明した川辺川ダム(熊本県)の予定地の視察を始めた。同ダムをめぐっては、すでに熊本県の蒲島郁夫知事が計画の白紙撤回を表明しているが、前原国交相は同日午後、水没予定地の五木村の住民に会い、改めて中止の方針を伝えた。

 前原国交相は就任直後、民主党の政権公約(マニフェスト)通りに八ツ場(やんば)ダム(群馬県)と川辺川ダムの中止を表明した。今回の現地訪問は、水没予定地の住民らに直接中止の理由を説明し、生活再建策を話し合うのが目的で、23日の八ツ場ダムに続く第2弾になる。

 川辺川ダムでは水没予定地の約500世帯のうち、ほぼ全世帯が移転した。かつて6千人いた五木村の人口は、ダム計画の影響で約1400人に激減した。

 前原国交相は五木村の住民との意見交換で、1966年に旧建設省がダム計画を発表して以来、反対闘争や家屋移転で苦労を強いてきたこと、政権交代による政策変更で迷惑をかけたことを「申し訳ありません」と謝罪した。その上で、ダム本体の工事は中止するが、移転先の代替地の集落間を結ぶ道路や橋の建設など、今後の生活再建については継続すると明言した。

 川辺川ダムをめぐっては、蒲島知事の白紙撤回表明を受け、国、県、流域12市町村がダムによらない治水策を議論している。前原国交相は蒲島知事や流域の市町村長とも意見交換し、今後の河川行政のモデルケースになる可能性のある「川辺川方式」への支持を表明するとみられる。

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