2009-09-25 【産経】八ツ場ダムは中止する方が損?
産経が例のごとく財界応援団を買って出てデタラメをまき散らしています。
八ツ場ダム建設中止、損か得か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090923-00000500-san-pol
まあいつも通りのもっともらしい嘘なので、正しい情報を載せておきます。
嘘1.八ツ場ダムの工事は7割も完成している
7割というのは、八ッ場ダム建設の事業費4600億円のうち、7割が使われたということです。
7割の予算を使ったから工事が7割進んでいるということではありません。
工事は全然進んでいないのです。
工事実施率はつぎのとおり。
本体工事 0%
付替県道 2%、
付替国道 6%
代替地造成 10%
付替鉄道 75%
なんとか進んでいるのは付替鉄道の75%ですが、これにしても残りの区域はまだ用地買収さえ終わっていないそうです。
まだまだ先が見える状態ではありません。
(じゃあ総事業費はいくらかかるの?)
嘘2.中止すると巨額の費用が発生するので推進した方が安上がり その1
工事を中止すると地元負担金1460億円を返さねばならないので、推進した方がよいというのですが、間違っています。
第一 この約1460億円の中には水道事業および工業用水道事業への国庫補助金(厚生労働省と経済産業省からの補助金)が含まれており、それを除くと、6割の約890億円です。
第二 総事業費が間違っています。
総事業費から、なぜか水源地域対策特別措置法事業費と水源地域対策基金事業費がはぶかれています。
それを含めると、事業費は約5900億円となります。
このうち使われたのは3200億円。これから発生する費用は2700億円です。
中止した場合に発生するのは前述の返還金890億円と生活関連の残事業費約770億円=約1660億円です。
差引で1040億円が節約されることになり、中止した方が安上がりです。
嘘3.中止すると巨額の費用が発生するので推進した方が安上がり その2
嘘1でみたとおり、総事業費が計画どおりで納まるというのが夢物語です。
付替国道は既に予算の89%を使っていますが、完成度6%。残り94%の区間を11%の予算で作れるはずがありません。
完成すると発生する東電への減電補償も必要です。八ッ場ダムに吾妻川の水をためるためには、東京電力?の水力発電所に現在送られている流量の大半をカットすることが必要ですが、これに伴う減電補償額が数百億円の規模になると予想されているのです。
工期も延びるだろうし、どこまで金がかかるか分からない金食い虫、それが八ッ場ダムなんです。
これまでの公共事業の例で分かるとおり、総額1兆円を超える可能性だってあります。
さっさと中止した方が、絶対に安上がりなのです。
嘘4.中止すると巨額の費用が発生するので推進した方が安上がり その3
地元自治体負担金の返還890億円の話に戻りますが、これはすでに地方自治体が税金で立替払いしたものを、国が地方自治体に支払うというだけのことです。
国と地方の負担割合のことであって、支出額の総額、すなわち、国民の負担額が変わるわけではありません。
したがって本質的な問題ではありません。
最後に
ダム工事はおいしい事業です。
民主党の長妻議員は、ダム本体だけでなく、工事用取り付け道路や付け替え道路、橋げたなど、いくつもの関連工事の落札業者・落札金額、及び、国交省から落札業者への天下り数などを資料請求しました。
なかなか出てこない資料を、長妻さんは何度も国交省に請求してよわうやく手に入れました。
ここにその一覧表掲示しますが、あまりの「天下り」ぶりに開いた口がふさがりません。
ダム工事を落札している37社の企業に52人、7つの公益法人に25人、実に合計77人が国交省から天下っていたのです。(平成17年まで)
これが八ッ場ダムです。
こういうのを知って、なおかつまだ推進しようという人が何人いるでしょうか。
産経を初めとするメディアって、ほんと、どこまでガセ情報を垂れ流せば気が済むのか・・・
【資料】
TMisawa
2009/09/26 11:48
貴重な情報を有難うございます。こういう情報がマスメディアに流れないのは何故なんでしょうね?