車で旅行する人が増える中、キャンピングカーが団塊世代に人気の理由を探りました。
高速道路のETC(自動料金収受システム)休日割引の影響もあり、車で旅行する人が増えています。そんな中、キャンピングカーが団塊世代の人気を集めています。その人気の理由を探りました。
孫といっしょに旅行に出かける千葉・宮里町の榊原さん夫婦。
定年退職後に購入したという愛車は一見、普通のワンボックスカーのようだが、中を見てみると、電子レンジに引き出し式の冷蔵庫、テーブルといす、2段ベッド、さらにはトイレまで備わっている。
これは、ワンボックスカーを改造したキャンピングカーで、値段は一式でおよそ450万円。
榊原和夫さん(61)は「決して高くないとは思いますけどね。動く別荘みたいなものですかね」と話した。
孫の七奏ちゃん(5)も、この車が大のお気に入り。
この日は、海辺に車を止めてランチ。榊原さんは、車の中でコンロに火をつけ、鍋を暖めた。
15分後、野菜たっぷりの蒸し鍋料理が完成した。
榊原さんは「こうしてやるといいじゃないですか、非日常的で。(車の)中で、ある程度のこういうものができるというのが、キャンピングカーの利点ですからね」と語った。
キャンピングカーを販売するお店では、最近、団塊世代からの問い合わせが増えているという。
株式会社オーエムシーの野々 なほ子さんは「子育てとか終わられて、ご夫婦2人での時間を、これから定年とかしてから楽しみたいっていう(方が多い)」と話した。
自動車業界の苦戦が伝えられる中、2004年には、およそ2,700台だった国産キャンピングカーの出荷台数は、2008年はおよそ4,200台と、4年で40%近く上昇している。
一方、大型キャンピングカー販売店では、最近、客のニーズに変化が出ているという。
群馬・渋川市の株式会社フィールドライフ販売・福島雅邦社長は「今までは、キャンピングカーを買うと、何か大勢乗れる車が欲しいみたいな方が、非常に多かった。今は『夫婦で2人旅を楽しもう』とかね、非常にゆとりのある雰囲気っていうかね、そういうものがやっぱり増えてるんではないですかね」と語った。
長野県で介護福祉の仕事を行う鈴木順仁さん(62)は、夫婦水入らずの旅を楽しみたいと、およそ1,200万円のキャンピングカーを購入した。
この日は見晴らしのいい場所で停車。電気コンロでお湯を沸かし、即席ティータイム。
これもキャンピングカーならではの技。
鈴木さんは「同じものでも、うちで味わうのと、外でね、こうやって味わうのと全然違うよね。70代にまたがって元気であれば、日本一周を一応夢見て頑張ってる」と話した。
(09/26 19:38)