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朝青龍13連勝V目前…だけど内館委員は酷評

 すくい投げで琴欧洲を下し全勝を守った朝青龍=両国国技館
 すくい投げで琴欧洲を下し全勝を守った朝青龍=両国国技館

 「大相撲秋場所13日目」(25日、両国国技館)

 全勝街道をひた走る横綱朝青龍が、大関琴欧洲をすくい投げで退けた。14日目に1敗の横綱白鵬が琴欧洲に敗れ、朝青龍が大関琴光喜を下せば4場所ぶり24度目の優勝が決まる。観戦した横綱審議委員会(横審)の内館牧子委員は「全勝しても横綱としては二流、三流」と酷評したが、批判をよそに賜杯へラストスパートをかける。

  ◇  ◇

 だれもこの男を止められないのか。朝青龍には、転がした琴欧洲を助け起こそうとする余裕があった。初日から13連勝で、4場所ぶり24度目の優勝は目前に。千秋楽の白鵬との直接対決を待たずに、決着がつく可能性が出てきた。

 練り上げた作戦通りの取り口だった。右張り手から左でかち上げ、左から突進をいなすと左を差し、すぐにすくい投げを決めた。「中に入ればなんとかなるから。とにかく速く攻める相撲をした」。先場所はあっさり前まわしを取られ、琴欧洲に寄り切られた。屈辱の敗戦を反省し、雪辱につなげた。

 06年九州以来の全勝Vの可能性も高まり、無敵に見える朝青龍だが、土俵外からは厳しい注文がついた。観戦した横審の内館委員は「勝てばいいという問題じゃない。全勝しようが、横綱としては二流、三流と思います」と厳しい言葉を浴びせた。

 5日目に横審の本場所総見で国技館を訪れた際には「15日間、突っ走るとは思わない」としていた。失速の予言が外れ「全勝はしっかり認めます」と、アスリートとしての強さは評価したが、「勝てばいいという問題じゃない。たくさんのステータスを得ているから」と、けいこ不足などをあらためて指摘した。

 「内館は何を言っているんだ、と言われるかもしれないけど、それは違う」と批判は覚悟の上で、持論を展開した。一方の朝青龍は優勝の話題に「それは考えていない。冷静にね。一日一番。何も考えずいく」と平常心を強調したが、優勝しても、場所後に横審の注文がつくのは間違いなさそうだ。

(2009年9月26日)





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