7連覇を達成し栄和人強化委員長(左)と父親の栄勝さんに肩車される吉田=ヘルニング(共同)
「レスリング世界選手権第4日」(24日、デンマーク・ヘルニング)
女子55キロ級は2大会連続五輪金メダリストの吉田沙保里(26)=綜合警備保障=が決勝で20歳のソナ・アフメドリ(アゼルバイジャン)に快勝し、7連覇を遂げて自身の持つ女子の最多連続優勝記録を更新した。吉田は5試合で1ピリオドも奪われず完勝。2004年アテネ、08年北京と五輪は2連覇中で、世界選手権と合わせ02年から9大会連続で世界一の座を守った。同63キロ級は22歳の西牧未央(中京女大)が決勝でリュボフ・ボロソワ(ロシア)を破り、2連覇を達成した。
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五輪と合わせて実に9個目の金メダル。女子55キロ級で牙城を守った吉田は「やっぱりポイントを取れるのはタックル。研究されていると分かっていても捨てられない大事なもの」と実感を込めた。ロンドン五輪への新たな出発点で自分がなぜ勝ち続けられるのかを再確認した。
決勝では初対戦の20歳を圧倒した。準決勝までの戦いぶりを見て「組んだら投げられる。タックルで決めよう」と積極的に飛び込み、あっという間にポイントを重ねた。
北京五輪後は組み手の技術を磨いてきた。「以前は試合ごとに腕が張って力が入らなかったけど、きょうはパンパンにならなかった」。タックルの仕掛けが、より鋭くなったと成果を口にした。はた目には危なげない優勝にも「油断はできないと思った」と気を抜かず、鍛錬の意欲を失わない。
選手紹介の場内アナウンスでは、カレリンが引き合いに出された。「ロンドンまで負けなしで行きたい」という吉田が3年後の五輪まで優勝し続ければ、12大会連続優勝で並ぶ。尊敬する「人類最強の男」の大記録も視野に入れている。
(2009年9月26日)