今年でデビュー15周年の椎名へきる。声優としてだけではなく音楽活動も豊富で、オリジナルアルバムは14枚。ライブ活動は3年連続武道館を含め通算300本以上。かねてからロック志向が強い彼女が、2009年にランティスよりリリースが決定したことは驚きと期待を持って迎えられた。ニューアルバムの制作を通じて見るランティス像、ライブパフォーマンスについての真剣な取り組み、そしてファンへの温かな思いやりが語られた。
椎名 そうでしたか(笑)。自分ではそれほどでもなかったんですが、ものごとが決まってからは畳み掛けるように早かったですね。
──ランティスからのリリースを決定された経緯について伺ってもよろしいですか?
椎名 何社かあったなかで、最終的にランティスさんがいいって言ったのは、私なんです。(谷山)紀章くんと、森久保(祥太郎)くんと同期で同い年なので、よく知っていて、紀章くんや他のランティスのアーティストの方のライブを何度か観させてもらっていました。そこで「この人たちは同じ匂いがするなあ」と同じロックのスピリットを感じていました。決定打になったのはそこでしたね。
──椎名さんが以前から志向されているロックと合致したわけですね。
椎名 ランティスさんはやりたいことを、できるかぎり力を入れて頑張りたいという熱意が誰からでも伝わってくるんですよ。それを感じる会社ってすごくいいなと思っていました。その後に、井上さんとお話しをさせていただいて、ものすごくアーティストの気持ち、ミュージシャンとしてどうあるべきかや根本的な心根というのが、とても経験豊富な方ですごくステキに思えました。こういう話には商業的な話しがいろいろ絡んでくるものなのですが、その時は音楽の話から入って音楽の話で終わるというものでした。基本的に、アーティストがやりたいことをすべきなんだというモットーがあるのが素晴らしいし、それを社長が言えてしまうのがすごいんです。たいへん人間味がある会社で、熱くて温かいですね。
──さて、ランティスから初のニューアルバムを8月に2年半振りに発表されました。制作はかなり大忙しだったとか。
椎名 ひと月で10曲やらなければいけなかったので、1日にコーラス2曲とかを録っていたんですね。今までの中ではハイスピードだったと思うんです。スタジオをふたつお借りして片方でレコーディング、片方で別の作業をして行ったり来たりしていました。迷っている暇がないというか。それは選んだ楽曲にも出ていると思います。勢いのある気持ちが楽曲のスピードに表れている気がしますね。そういう意味では迷いのないアルバムにできたかとは思います。
──アルバム制作をするにあたってランティスならではの試みは何がありましたか?
椎名 今回、新しい作家陣の方々とお仕事をさせていただけたというのが、私の中では新世界が始まった感じがしました。私の中ですごく勢いが出て、今までやらなかった楽曲でも思い切って入れればもっと勢いに乗れると思って、入れてみました。「真夏の夜のスキマ」や「NO! brain’s strike」なんですけども、デモテープの段階ではわからないと言われる部分も、アレンジャーさんならきちんと椎名のロック色にしていただけると思っていました。ポップだけど勢いがあって、エッジが立っている方向性で、格好いい感じにしてもらえました。作詞家の畑(亜貴)さんもつかみどころが大変お上手な方です。アクの強い言葉の組み合わせを持ってこられるので、頭で考えて覚えていくということが出来ない歌詞なんです(笑)。でも音に乗せたときのインパクトとか、アクセントの持っていきかたが絶妙で、すごく長けていらっしゃる方だなっていうのは思いますよね。
──完成した時の充実感はさぞやすごかったでしょうね。さて、椎名さんといえばやはりライブアーティストとしてのお話を伺いたいと思います。アルバム発売直後にライブツアーがありましたね?
椎名 いやあ、覚えられなくて、もう(笑)。もう、電車に乗ってるときもお風呂に入っているときもずっと、何度も何度も繰り返して。頭で考えて追われているうちは、音楽とひとつになれないので。今回の楽曲は全部がスピードが速いので、考えている暇もないんですけど(笑)。
──当日はいかがでしたか?
椎名 大阪が初日で、発売してから2日くらいしか経ってなかったんですね。けっこう皆さん戸惑っているみたいで、「ど、どうしよう?」みたいな感じだったんですけど、歌っているうちにノってきてくださって、それがすごく嬉しかったです。私も不安だったんですけど、ファンの皆さんに助けられましたね。そうしたら次の日の名古屋は、みんなどうしたの? っていうくらいみんな暴れていて(笑)。大阪が予習だったのみたいな感じで(笑)。私のファンはみんなで覚えることが非常に早くて。いつ覚えてるんだろうっていうのが不思議なくらい。ビックリしますし感動もします。バンドも「へきちゃんのファンって新曲もひとつになるの早いよね」って。
──さて、『ランティス祭り』へのご出演が間もなくです。お話はいつ頃?
椎名 開催が発表になったときは、まだ私の出演は決まっていなくて、「今度こんなのがあるんですよ」くらいだったんです。たしかアルバム制作をしている途中、8月に近づいた頃でした。もう本当に嬉しかったので。「え、いいんですか? 新参者ですけど?」って。その会社さんの節目というか、長年やってこられた記念じゃないですか。記念に参加できるのは、祭り好きの椎名としては、めっちゃ嬉しいですよ。「みんなでお祝いできるんだぜ! みんなで楽しく盛り上げましょう!」っていう感じですかね。出たアーティストたちは、この会社にいることがこんなにも誇りに思えることなんだってなれば、ベストじゃないですか?
──当日への意気込みやパフォーマンスについて考えていることを教えて下さい。
椎名 自分が野外でやるということについては未知数なことも多いですね。実際、音の聞こえ方も室内とは変わってくると思います。それも含めて、現場のスタッフを信じるしかないですね。短いリハーサルの時間内にどれくらい伝えられるかとか、それぞれセクションのチームワークですね。どんなマイクを使うのかとか、(音の)モニターもみんな同じ位置でやると思うので、短い時間の中でその場所を現場で早く決めないととか。あと、初めてのバンドさんも初めての方たちになると思うので、普段とはまったくかけ離れた現場になると思うんですよね。すごくドキドキします。
──椎名さんのライブの楽しみ方みたいなものはありますか?
椎名 いえいえ、ないですよ、全然。自由にはじけてもらえればと。じいーっと見ていたいっていうのも楽しみ方だと思いますし、手拍子するっていうのも楽しみ方だと思いますし。ファンの方の楽しみ方って千差万別なので、どんなことをしていてもその人の楽しみ方だと思います。アニメが好きなファンの方たちって気持ちが優しかったり、楽しむぞっていう空気がありますよね。知らないアーティストが出ても、無関心でなくて楽しもうという気持ちがすごくあって温かいですよね。そういう意味で、一体感があると思うのできっと盛り上がるんじゃないかなって思います。ただ、気をつけなきゃいけないのは、フェスは開放的になるので、お酒の飲みすぎだけは注意ですね。周りの人に迷惑がかからないようにしていただければ。あとゴミをポイ捨てするのもタバコをポイ捨てするのも禁止です。
──スタッフ的な諸注意までありがとうございます(笑)! いや、椎名さんからの注意なら、きっとよく読んで守られると思います。
椎名 初めて長時間のフェスに参加される方も、たぶんたくさんいらっしゃると思うんですよ。特に学生さんとかは、勝手がわからないと思うので。最初に帰りの時刻の確認とかをちゃんと準備しておかないと。楽しんでいただけるのはいいんですけど、友達同士で来た開放感から、ちょっと悪ふざけが過ぎちゃって後々、嫌な思いをその方自身がしないように。大人の人たちは、子羊ちゃんたちをケアしてあげてね(笑)。
──ではアーティスト的な目線から、ランティス祭りを楽しみにしているファンの方にメッセージを。
椎名 ついスタッフ目線になっちゃうんですよね(笑)。本当に今回はお祝い事なので、みんなで幸せになれたらいいなと思っているので、みんなで盛り上げていきましょう! 一生懸命歌うので、みんなも楽しんでください!
──もうひとつ、ランティスの10周年に向けて一言いただけますか。
椎名 まずは、ランティスさん10周年おめでとうございます。夢を力に変えていくパワーが、どのアーティストさんにもあるし、会社さん自体にも、そういうパワーがあると思います。まだまだこれから、きっとステキな音楽を生み出していろいろな方の人生に関わるものを生み出して、どんどん夢を広げていってほしいなと思います!
椎名へきる
──今年はかなり激動でしたね。椎名さんがランティスからリリースされたのにはファンの皆さんも驚かれたと思います。私も驚きました。
椎名 そうでしたか(笑)。自分ではそれほどでもなかったんですが、ものごとが決まってからは畳み掛けるように早かったですね。
──ランティスからのリリースを決定された経緯について伺ってもよろしいですか?
椎名 何社かあったなかで、最終的にランティスさんがいいって言ったのは、私なんです。(谷山)紀章くんと、森久保(祥太郎)くんと同期で同い年なので、よく知っていて、紀章くんや他のランティスのアーティストの方のライブを何度か観させてもらっていました。そこで「この人たちは同じ匂いがするなあ」と同じロックのスピリットを感じていました。決定打になったのはそこでしたね。
──椎名さんが以前から志向されているロックと合致したわけですね。
──さて、ランティスから初のニューアルバムを8月に2年半振りに発表されました。制作はかなり大忙しだったとか。
椎名 ひと月で10曲やらなければいけなかったので、1日にコーラス2曲とかを録っていたんですね。今までの中ではハイスピードだったと思うんです。スタジオをふたつお借りして片方でレコーディング、片方で別の作業をして行ったり来たりしていました。迷っている暇がないというか。それは選んだ楽曲にも出ていると思います。勢いのある気持ちが楽曲のスピードに表れている気がしますね。そういう意味では迷いのないアルバムにできたかとは思います。
──アルバム制作をするにあたってランティスならではの試みは何がありましたか?
椎名 今回、新しい作家陣の方々とお仕事をさせていただけたというのが、私の中では新世界が始まった感じがしました。私の中ですごく勢いが出て、今までやらなかった楽曲でも思い切って入れればもっと勢いに乗れると思って、入れてみました。「真夏の夜のスキマ」や「NO! brain’s strike」なんですけども、デモテープの段階ではわからないと言われる部分も、アレンジャーさんならきちんと椎名のロック色にしていただけると思っていました。ポップだけど勢いがあって、エッジが立っている方向性で、格好いい感じにしてもらえました。作詞家の畑(亜貴)さんもつかみどころが大変お上手な方です。アクの強い言葉の組み合わせを持ってこられるので、頭で考えて覚えていくということが出来ない歌詞なんです(笑)。でも音に乗せたときのインパクトとか、アクセントの持っていきかたが絶妙で、すごく長けていらっしゃる方だなっていうのは思いますよね。
──完成した時の充実感はさぞやすごかったでしょうね。さて、椎名さんといえばやはりライブアーティストとしてのお話を伺いたいと思います。アルバム発売直後にライブツアーがありましたね?
椎名 いやあ、覚えられなくて、もう(笑)。もう、電車に乗ってるときもお風呂に入っているときもずっと、何度も何度も繰り返して。頭で考えて追われているうちは、音楽とひとつになれないので。今回の楽曲は全部がスピードが速いので、考えている暇もないんですけど(笑)。
──当日はいかがでしたか?
椎名 大阪が初日で、発売してから2日くらいしか経ってなかったんですね。けっこう皆さん戸惑っているみたいで、「ど、どうしよう?」みたいな感じだったんですけど、歌っているうちにノってきてくださって、それがすごく嬉しかったです。私も不安だったんですけど、ファンの皆さんに助けられましたね。そうしたら次の日の名古屋は、みんなどうしたの? っていうくらいみんな暴れていて(笑)。大阪が予習だったのみたいな感じで(笑)。私のファンはみんなで覚えることが非常に早くて。いつ覚えてるんだろうっていうのが不思議なくらい。ビックリしますし感動もします。バンドも「へきちゃんのファンって新曲もひとつになるの早いよね」って。
──さて、『ランティス祭り』へのご出演が間もなくです。お話はいつ頃?
椎名 開催が発表になったときは、まだ私の出演は決まっていなくて、「今度こんなのがあるんですよ」くらいだったんです。たしかアルバム制作をしている途中、8月に近づいた頃でした。もう本当に嬉しかったので。「え、いいんですか? 新参者ですけど?」って。その会社さんの節目というか、長年やってこられた記念じゃないですか。記念に参加できるのは、祭り好きの椎名としては、めっちゃ嬉しいですよ。「みんなでお祝いできるんだぜ! みんなで楽しく盛り上げましょう!」っていう感じですかね。出たアーティストたちは、この会社にいることがこんなにも誇りに思えることなんだってなれば、ベストじゃないですか?
──当日への意気込みやパフォーマンスについて考えていることを教えて下さい。
椎名 自分が野外でやるということについては未知数なことも多いですね。実際、音の聞こえ方も室内とは変わってくると思います。それも含めて、現場のスタッフを信じるしかないですね。短いリハーサルの時間内にどれくらい伝えられるかとか、それぞれセクションのチームワークですね。どんなマイクを使うのかとか、(音の)モニターもみんな同じ位置でやると思うので、短い時間の中でその場所を現場で早く決めないととか。あと、初めてのバンドさんも初めての方たちになると思うので、普段とはまったくかけ離れた現場になると思うんですよね。すごくドキドキします。
──椎名さんのライブの楽しみ方みたいなものはありますか?
──スタッフ的な諸注意までありがとうございます(笑)! いや、椎名さんからの注意なら、きっとよく読んで守られると思います。
椎名 初めて長時間のフェスに参加される方も、たぶんたくさんいらっしゃると思うんですよ。特に学生さんとかは、勝手がわからないと思うので。最初に帰りの時刻の確認とかをちゃんと準備しておかないと。楽しんでいただけるのはいいんですけど、友達同士で来た開放感から、ちょっと悪ふざけが過ぎちゃって後々、嫌な思いをその方自身がしないように。大人の人たちは、子羊ちゃんたちをケアしてあげてね(笑)。
──ではアーティスト的な目線から、ランティス祭りを楽しみにしているファンの方にメッセージを。
椎名 ついスタッフ目線になっちゃうんですよね(笑)。本当に今回はお祝い事なので、みんなで幸せになれたらいいなと思っているので、みんなで盛り上げていきましょう! 一生懸命歌うので、みんなも楽しんでください!
──もうひとつ、ランティスの10周年に向けて一言いただけますか。
椎名 まずは、ランティスさん10周年おめでとうございます。夢を力に変えていくパワーが、どのアーティストさんにもあるし、会社さん自体にも、そういうパワーがあると思います。まだまだこれから、きっとステキな音楽を生み出していろいろな方の人生に関わるものを生み出して、どんどん夢を広げていってほしいなと思います!
■Lantis website:椎名へきる
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