楠 桂 『不育症戦記』 (月刊オフィスユー連載中・集英社) その10


 にゃごやに住むマンガ家の 楠 桂 が二人目の子供が欲しくなり,「市立城西病院」に出入りしたという話の続きです.何と,このマンガの題名 「不育症戦記」 で goo 検索すると,何と未だにあたしのブログの第2回目の記事がトップに,第4回目の記事が二番目に出ています! それだけ不妊に悩む女性が多いということでもあるのでしょうかねぇ.(前回のお話は右上の「少女マンガ3」をクリックすると出てきます.その前は左の欄の「少女マンガ2」をクリック!)

 個人的には,阪神も中日も優勝しなかったんでぇ,どえりゃー とろくせゃあ! そんな事あらすかでぇ,いかんがや! 7-11 とイトーヨーカドーは「不買運動」だがや (笑)

 ちなみに,当時,楠 桂さんの主治医だった青木先生はいま千種区に開業しているそうです.詳しくは 青木産婦人科クリニック の Webページをご覧下さい.非常に懇切丁寧に書かれてあります.(^_^)/ なぜか,青木先生の Webページがランキングから「押し流されて」いますので,このブログを読まれている皆さんも上のリンクで 青木先生の Webページを読まれて下さい!

 また,もと看護師の 「まるちゃん」 や,にゃん さんの 私の不育症検査まとめ|天使がくれたプレゼント のブログも参考になるよ.

 今回のお話は楠 桂と,リコー社員の年下の旦那との夫婦ゲンカから始まる(笑) 楠はてっきり「安全日」だと思い込んで旦那と愛の夜を楽しんだのだけど,もろに的中してしまったのである(笑) 死産のあとだからホルモンが乱れているのは当たり前で,オギノ式なんか当てになるものか.(^_^;)

 実は楠の旦那はマスオさんなので,戸籍上の楠の苗字は旦那の方になってる.大橋家は表向きには長女の薫が婿養子を迎えて継いだ形になってるけど,姉妹共に夫婦別姓期間が長かったので,子供ができるまでトラブルの元にもなっていたりする.

 そんな訳で,楠は編集者たちには内緒で,再び市立城西病院に入院することになった.担当医の青木医師のもとで,楠は気を取り直して「不育症治療 入院ライフ」を開始することになる.久々の城西病院の婦人科では妊婦たちが作成した「病院周辺マップ」が進化していて,何と「手書き回覧紙」から,デジタル処理されたファイルになっていた(笑)

 すると偶然,かつての入院仲間と再会.彼女は明日に帝王切開で出産だと言う.しかし,同じ入院仲間の末路は悲惨そのものであった.死産したのは楠だけではなかったのである.この病棟で無事に出産までこぎつけるのは,まさに青木医師の神業と運にしがみついた,ほんの少数派だけだったことに,楠はショックを受けるのだ.


 そして恐怖の,青木医師が処方した,「オルガラン」(danaparoid sodium ダナパロイド ナトリウム) という「汎発性血管内血液凝固症 (DIC, disseminated intravascular coagulation syndrome)」用の,血液を凝固させにくくする薬剤の自己注射の練習が始まった.看護師が一つ一つ教えていくのだが,楠はさすがに自己注射となると引いてしまう.私も糖尿病が悪化してインスリンの自己注射を始めた頃には怖かったけど,今ではわざと静脈を探り当てて (私はとても静脈が出にくくて看護師泣かせ.学生時代も自分を人体実験にしていたほどだ)「超速効型インスリン」を体内に入れていたりするから,もう怖いものなしである.まぁ,慣れというものでしょうかねぇ.時々,街中で射っていたりすると,ジャンキーと誤解されて通報されてパトカーに乗ったりするけれど(笑)


 看護師がまず注射器につけた太い注射針は,静脈注射などに用いる,恐らく16ゲージのものだろう.これはさすがに自分で刺すと痛い(笑) ところが,自己注射に用いるような針は恐らく小児科の採血に使う 23ゲージか,もしかすると糖尿病用インスリンの使い捨て注射針やインフルエンザなどの予防注射などに用いるような 33ゲージ (0.20mm) のような非常に細い針なのではないかと想像する.実際,23ゲージとか 33ゲージという世界になると,皮膚と垂直に刺せばほとんど痛みはない.

 また,看護師や糖尿病患者は知っていると思うが,注射針を刺す位置で,注入した薬剤の吸収速度が変わってくるのだ.大体,1) お腹 (特に脇腹),2) おしり,3) 上腕 (ひじに近いほど良い),4) 大腿 の順番だと思っておくと良いだろう.小児科の注射でおしりにされて痛かった思い出がある人が多いと思うけど,あれは注射針を子供に見せずに「薬剤の吸収が速い」ことを目的にされているのだ.

 ところが,この「オルガラン」という薬剤は皮下注射しても吸収が悪いのが特徴で,素人が自己注射すると,とたんに針のあとが出血で膿んだり,オルガランが皮下で固まってしまったりするのだ.医療費を節約するための自己注射にはそれなりのリスクも伴うのである.


 楠も上のマンガの通り,おなかじゅうがオルガランの副作用で腫れ上がってしまう.さらに青木医師は「バイアスピリン」(バイエル社製のアスピリン) で血小板そのものを凝集抑制させ,オルガランの作用を補強させ,妊娠を継続させていたのだ.アスピリンも非常に苦い薬なので,楠はお腹の赤ん坊のためと割り切って,この過酷な治療に耐え抜いていたのである.

 ところが,彼女は病室のベッドの上でもマンガを描いていた! おかげで彼女のファンに見つかってしまう(笑) そして楠はストレス軽減のために精神安定剤を処方され,実家に帰ってしまうのである.マンガ家であることがバレたため,孤独な入院生活で友達があまりできなかったのが残念であった.

 そして,姉の薫がついに 3200g の女の子を新築の産院で出産! しかし,妊娠のために 15kg も増えた薫の体重は減らない(笑) しかも,この産院はこれまで何度となく楠が死産の憂き目にあってきた,因縁の産院でもあったのだ.双子の姉の出産でなければ,きっと楠は精神的に耐えられなかっただろう.

 しかし……,お兄ちゃんになった,姉の薫の長男・こうくんは妹の誕生には喜ばない.むしろ,従姉になった楠の長女の花ちゃんの方が赤ん坊の誕生を喜んでいたのである.この辺はやっぱり「女の子」なんでしょうかねぇ…….それとも,心待ちにしてた「弟」の死産が何となく分かっていたのでしょうか.


 そういう訳で,パパりんとママりんには3人目の孫ができたということで,大橋家はめでたしめでたしというお話でした.さて,来月には,楠にはどんな試練が待ち受けているのでしょうか?

今日のおみやげ
中日ドラゴンズ 応援歌 (笑)

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二次元ヲタクの末路 (kaetzchen)
2009-09-25 09:08:21
なぜか,このブログを「子宮同人誌」というキーワードで覗いていた「二次元ヲタク」が42人もいた(笑)

よっぽど,現実の女性と「出会い」がない,可哀想な人たちなんだろーねー(笑) 18禁同人誌でも見て,精液飛ばしているうちが花だよ〜.(^o^)
 
 
 
最近の「ヘンタイ」(笑) (kaetzchen)
2009-09-25 09:16:17
って,大きい胸の女性に胸でこすってもらうのか,小学生の女の子の処女を奪うことしか興味がないんだな.

広島県は県の面積の4分の1近くが島々なんだけど,某人口 1500人ほどの漁村の島の漁協の横に,最近コンビニとマクドが出店しまして,中学生たちがなぜかたむろしていたりします.(高校生は船で通うか下宿しているので島にはいない)

ところが,中学生たちが親に買ってもらったソフトバンクあたりの携帯電話で,音楽をダウンロードして遊んでいるうちは良かったんだけど,そのうち本土の大人たちとの「出会いサイト」に引っ掛かってしまいましてねぇ.

んで,ガキどもも払いすぎた携帯代金が欲しくなって,オジサンたちに処女を捧げてしまったんですな.という訳で,その島の中学では5人近くの中学生が現在妊娠中でして,しかも無医村だから医師が巡回して来た時には遅かった! という事態になっていたり.彼女たちも医師に怒られるまでは,自分のしてた行為が売春だという意識がなく,携帯電話の通信記録を医師が警察へ提出して,ようやく「出会いサイト」の一斉摘発ができたんだとか.(^_^;)
 
 
 
学校の教員にも「ヘンタイ」がいっぱい(笑) (kaetzchen)
2009-09-25 09:39:02
そいえば,山口県警の発表によると,わざわざ広島県内の中学教員が,山陽自動車道で山口市内の女子中学生を「出会いサイト」で釣って,なぐさみものにしていた所を見つかり,見事に懲戒免職となったそうです(笑)

裁判所での言い訳が凄くて,彼は部活を指導していた女子中学生にむらむら来て,さすがに自分の生徒じゃまずいと思い,隣県の山口なら良いだろうだなんて,とんでもない考えを起こし,見事に欲望を果たしたのだそうです(笑) 確かに最近の小中学生の女の子って,個人差は大きいものの,体格が良い子が多いからなぁ.でもこの原因って,マクドなんかの食生活のせいってことが分かってる人って,少ないんじゃない?

性犯罪っていうのはアル中と同じで一種の精神疾患で,一生治らないから,いっそのこと「断種手術」へ踏み切った方が良いかも知れない.但し,後に更生して「結婚して子供が欲しくなった時」のために,精液を冷凍保存しておくという猶予はつけるべきだが.
 
 
 
ついでに言うと (kaetzchen)
2009-09-25 17:17:11
瀬戸内海の某島での中学生妊娠の話なんですが,これを言うとどこの島か分かってしまうけど,あえて言います.この5人ほどの女子中学生は全校生徒の約15%にあたります.

つまり,都会の子供たちは情報が多いので,あらかじめコンドームをコンビニで手に入れたりして自衛しているんだけど,反対に田舎の子供ほどコンドームを買うのを恥ずかしがったりして,結局オオカミのような札束をちらつかせる大人の餌食になり,生だしされてしまうという悲劇になるという訳です.当然,若いから,不育症にもなりにくくて,地域医療部で巡回してきた医師は生徒たちの健康診断の時に,すぐに実情を察して驚いてしまうんだそうです.

……というのが,地域医療部の医師から聴いたお話.田舎の保護者は少し考え方を変えて,コンドームの使い方を保健の時間に必須にさせるべきではないか.クリスチャンとしては不道徳な発言だが,悲劇を繰り返さないためには他に有効な手段がないのも事実である.

もちろん,高校生の女の子の処女率が異様に減っているという現実もある.マンガの影響で,とにかく処女でいるのが恥ずかしい,彼氏の欲望に任せないと振られてしまうと勘違いしている女の子があまりに多い.
 
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