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鳩山首相の国連総会演説(全文)(1/6ページ)

2009年9月25日2時4分

 議長、ご列席の皆さま。トレイキ議長の第64回国連総会議長への就任をお祝い申し上げます。また、デスコト前議長の卓越した指導力に敬意を表します。

 私は、国連が直面する様々な課題への対応において潘基文(パン・ギムン)事務総長が示している献身と指導力を、高く評価します。

 議長。日本で、制限的なものとはいえ選挙制度が始まったのは、今から120年前の1889年のことです。その後、20世紀の初めには「大正デモクラシー」と呼ばれる時代もあり、選挙によって政府が変わることは、実は日本でも当たり前のことでした。

 このように、日本は民主主義と選挙の確かな伝統を持つ国です。しかし、第2次世界大戦後の日本では、投票を通じた政権交代が行われることはありませんでした。政と官の間の緊張関係が消えて「顔の見えない、国民に選ばれたことのない官僚」への依存が強まり、結果として日本外交から活力を奪ってしまった面があることは否めません。

 しかし去る8月30日、日本国民は総選挙においてついに政権交代を選択しました。それは日本の民主主義の勝利であり、国民の勝利でした。そして先週9月16日、私が日本国首相に就任し、今ここに立っています。

 私の率いる新政権は、民主主義のダイナミズムを体現し、オール・ジャパンの陣容で、直面する内政・外交の課題に全力で取り組む所存です。

 議長。日本が国際連合への加盟を承認されたのは1956年12月18日です。その時の首相が、我が祖父、鳩山一郎でした。

 日本の国連デビューとなった第11回総会で、当時の重光葵外相は次のように述べています。

 「日本の今日の政治、経済、文化の実質は、過去1世紀の欧米およびアジア両文明の融合の産物であって、日本はある意味において東西の架け橋となりうるのであります。このような地位にある日本は、その大きな責任を十分自覚しておるのであります」と。

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