高砂市土地開発公社が所有する工業団地「高砂工業公園」(荒井町)の土壌から有害物質が検出され、用地を購入した姫路市の機械部品会社「フクトクテクノス」(旧福徳重機工業)などが公社を相手取り、土壌撤去費用の支払いを求めた3件の損害賠償請求訴訟で、公社は24日、神戸地裁姫路支部の和解勧告を受け入れることを明らかにした。
フクトクが旧国鉄工場跡地の公社分譲地を購入したのは07年3月。フクトクは加古川市の建設会社に工場建設を発注し、建設会社は造成工事で出た土壌を姫路市の塩田跡地に運んだ。ところが、途中で国の基準を超える鉛やフッ素が土壌に含まれていると判明。残りの土壌を団地の空き地に運んだ。
この問題をめぐって起こされた3件の訴訟の内容は(1)フクトクが「売買契約の際に公社が汚染がないような説明をした」などと主張し、公社に撤去費約6000万円を請求(2)塩田跡地を管理する有限責任事業組合がフクトク、公社、建設会社などに対し、撤去費約6000万円を請求(3)公社がフクトクに対し、空き地の土壌の撤去費約4000万円を請求。
一方、地裁支部は8月26日に(1)建設会社とフクトクが各1100万円、公社が1300万円を事業組合に支払う(2)フクトクが公社に約2000万円を支払う--などの和解案を提示していた。
公社の冨田康雄理事長(副市長)は「裁判を継続しても、これ以上の結果を望めないと判断した。国鉄跡地を持っていた鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対しては損害賠償請求する」と話している。【成島頼一】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2009年9月25日 地方版