「戦極〜第十陣〜」(23日、さいたまCA)
北京五輪柔道100キロ超級金メダリスト・石井慧(22)=国士舘大=の総合格闘技デビュー戦が12月31日、有明コロシアムで開催される「戦極」改め「SENGOKU RAIDEN CHAMPIONSHIP(略称SRC)」で行われることが発表された。石井は対戦相手のバルセロナ五輪柔道78キロ級金メダリスト・吉田秀彦(40)=吉田道場=に加え、同日開催の「Dynamite!!」で引退試合を行う魔裟斗(30)=シルバーウルフ、さらには大みそかの顔・アントニオ猪木(66)に“宣戦布告”した。
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休憩明けにリングインし、吉田の入場を待ってマイクを握った石井はいきなり「先輩、元気ですか〜!?元気があれば何でもできる」と、猪木ばりのアピール。「気合を入れないと」と頭を五厘刈りにして臨んだ石井は「今まで年末は猪木さんの時間でしたが、これからは年末を自分が引っ張っていこうと思います」とブチ上げた。
00〜03年に開催された猪木祭は年末の風物詩だっただけに、これは猪木に成り代わることを宣言したに等しい。
直接の敵に対しては「吉田先輩のアゴ端(たん)に僕の鍛え上げたパンチをネジ込みたい」と挑発。吉田から「その言葉、そっくりそのまま石井に返します。アラフォーを甘く見るなよ。いつでもかかってきなさい」という反論を引き出すことに成功した。
石井の視界に入っていたのは猪木と吉田だけではない。“興行戦争”のライバルとなる「Dynamite!!」ではK-1ワールドMAXのカリスマ・魔裟斗の引退試合が行われるが、石井のデビュー戦が大みそかに決定したことで話題が二分されることは必至だ。
石井は「魔裟斗選手にはたいへん申し訳ないと思います。魔裟斗選手に負けないくらい“アメイジングな試合”をしたいと思います」と独特な言い回しで決意表明。競技ルールや体格こそ違うが、プロ意識を持ってライバル団体のエースへの対決姿勢を鮮明にした。
20世紀のマット界に君臨した猪木、日本重量級のエース・吉田、21世紀のマット界をけん引した魔裟斗…。大みそか、石井がスーパースターたちを乗り越える旅に出る。