1988(昭和63)年2月にデビューしてから全日本とノアで約20年、三沢さんと同じリングに上がり続けた。主力選手が大量離脱した90(平成2)年には、当時期待の若手だった三沢さん、川田利明、小橋健太(現建太)、菊地の4人で『超世代軍』を結成。2歳上の三沢さんは、頼りがいのある兄貴分だった。
三沢さんがノア広島大会で急逝した6月13日、菊地は青木篤志(32)と新日本プロレス京都大会での試合を終え、東京へ移動中だった。新日本のバスの中で訃報を聞いた時「パンチをもらったような衝撃でした」と大きなショックを受けた。
生前の三沢さんは、あまり飲酒しない菊地と酒宴で一緒になると「大丈夫か」「いいのか」と気遣ってくれた。三沢さんの社長就任後は、ケガなどレスラー生活の不安な気持ちを相談し、何度も元気づけてもらった。
「印象に残っているのは、節々でかけてもらった言葉ですね。“心配すんな”と」。仙台大会2連戦は三沢さんの遺志を胸に、レスラー生活21年8カ月の円熟ファイトで観客を沸かせる。
(山口泰弘)
菊地 毅(きくち・つよし)
1964(昭和39)年11月21日、仙台市生まれの44歳。東北工大電子工(現東北工大高)、大東文化大とアマレスで活躍。86(同61)年の学生選手権(インカレ)100キロ級優勝。全日本プロレス入門後の88(同63)年2月26日、滋賀・栗東町体育館での百田光雄戦でデビュー。2000(平成12)年8月のノア旗揚げ戦からノア所属。タイトル歴は世界ジュニア、アジアタッグ、IWGPジュニアタッグ。1メートル75、99キロ。家族は夫人と1男1女。