泉デビュー戦は１７６秒ＫＯ負け…戦極・第十陣

アンズ・ノトリアス・ナンセンから重いパンチをくらいＴＫＯ負けした泉浩（右）

　◆戦極・第十陣（２３日・さいたまコミュニティアリーナ）　プロ格闘家デビュー戦となったアテネ五輪柔道９０キロ級銀メダルの泉浩（２７）＝プレシオス＝が、アンズ“ノトリアス”ナンセン（２６）＝ニュージーランド＝に打撃戦を挑み、１Ｒ２分５６秒でＫＯ負けを喫した。また、北京五輪１００キロ超級金メダルの石井慧（２２）とバルセロナ五輪７８キロ級金メダルの吉田秀彦（４０）＝吉田道場＝の金メダル対決が、１２月３１日に東京・有明コロシアムで行われることが発表された。

　柔道銀メダリスト・泉がキック世界王者に真っ向から打撃戦を挑み、壮絶に散った。歌手・長渕剛（５３）の「ＳＡＭＵＲＡＩ」を入場曲に、柔道着姿で入場。しかし、リング上で柔道着を脱ぎ捨て「スタンドができないと思われるのが嫌だった。一つのテーマだった」と「殴り合い」の覚悟を決めた。

　ゴング直後には、ナンセンの右ローキックを周囲７３センチの太ももで難なく受け止め、一度は右ストレートで顔面をのけぞらせた。しかし、２分過ぎからは一方的な展開に。左右フックで立て続けにダウンを奪われ、最後は左フックから右ストレートにつなぐワンツーで、コーナーポストに吹っ飛ばされた。

　試合後は「想定内の負け」と振り返りながらも、「殴り合うのは１回で十分なんで、次からは寝技を使います」と苦笑。「目指しているものに早くたどり着くよう頑張る」。１７６秒の初舞台で心身ともにボロボロにされた銀メダリストは、迷うことなく再起を誓った。