白石加代子の源氏物語
瀬戸内寂聴現代語訳による「若菜上下」
9月26日 中日劇場
【経済】ウォークマン VS iPod 覇権争い火花2009年9月24日 朝刊 近年、アップルの「iPod」の独走状態だった国内の携帯音楽プレーヤー市場に異変が起きている。ソニーの「ウォークマン」が8月下旬から2週間にわたりトップシェアを奪還。ところが今月10日にはiPodが新製品を発売し再び逆転するなど両社が年末商戦に向け激しく火花を散らしている。 「最近、日本で最高のシェアをいただいたという喜ばしいニュースがあった。本日は新たに加わる魅力的な商品を発表します」 16日に東京・銀座のソニービルで行われた発表会。ソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長が登場し、新型ウォークマンのお披露目を自ら行った。 ストリンガー氏が2005年6月にトップになって以来、個別製品の発表会に出席したのは初めて。「日本で勝つことがグローバル市場での成功につながると確信している」と、ウォークマン“復活”への期待を示した。 市場調査会社BCNの調べでは、8月の最終週(24〜30日)の販売シェアはウォークマンが43・0%でiPodが42・1%。約4年8カ月ぶりに日本でのトップシェアに。翌週(8月31日〜9月6日)はさらにシェアを伸ばし、約10ポイント差をつけた。 ウォークマンの返り咲きには、携帯電話「iPhone」へのiPodユーザーの分散や、新型iPod発表前の買い控えという要因も。しかし、ソニーが昨年から進めてきたスピーカー付きモデルや音質や画質に重点を置いた高性能モデル、手軽な耳かけモデルの発売など幅広いユーザーのニーズに応える商品戦略が効果を挙げていることも確かだ。 10月に発売する新モデルでは、曲に合わせ歌詞の文字が画面を流れる「歌詞ピタ」機能を新たに搭載し、カラオケ好きの若者にアピール。再生スピードを変えられる語学学習機能も付け学生やサラリーマンもターゲットに。 一方、アップルはビデオ撮影や歩数計、アーティスト、曲名を読み上げる新機能を搭載した「iPod nano」などの新製品を今月10日に発売。「売り切れになる販売店も出ている」(アップル広報部)ほどの人気で、9月7〜13日の週はiPodが58・0%、ウォークマンが32・1%と再び強さを見せた。 世界全体の販売ではiPodが5580万台、ウォークマンが700万台(08年度)と、まだ差は大きい。しかし、BCNでは「ウォークマンも力を付け、日本市場は2強時代に入ったといえるだろう」と分析している。 (荒間一弘)
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