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【格闘技】内藤×興毅 11・29さいたま決定 内藤キレた2009年9月25日 紙面から
内藤がキレた−。対戦の決まっていたWBC世界フライ級王者の内藤大助とWBA世界ライトフライ級元王者の亀田興毅の“世紀の一戦”が、11月29日にさいたまスーパーアリーナで行われることが、24日、発表された。内藤は6度目の防衛戦。都内で会見した両者は、意外にも和気あいあいムード。内藤は07年10月の大毅に続く亀田家狩りを誓い、興毅は弟の敵討ちを宣言した。だが、報道陣から「王者はテレビに出すぎていて、練習していないのでは?」という質問に、王者はプッツン。好感度の高い“いい人”内藤が、怒りの表情を浮かべた。 内藤がキレた。 「練習してないとか言うけど、やってるよ。やってます!」 一人の記者から内藤に質問が飛んだときだ。「2年前、大毅選手に完勝してから、スタジオに座って楽にお金を稼いでいるように見える。一般のバラエティーファンも『内藤、大丈夫か?』と思って見ている」 この発言に、内藤の表情が瞬時に変わった。怒りをあらわにし、珍しく声を荒らげた。そしてその後も、不機嫌な表情は変わらなかった。 誰よりも練習しているという自負がある。6度目の防衛戦へ、7月から練習を再開。すでに北海道・豊浦町、長野・車山高原で走り込み合宿を終えた。宮田会長は「内藤はスター選手。努力をしている姿をみなさんに見せるのは、はしたないと思っている。王者の中でもトップクラスの練習をしている」と証言する。テレビの仕事は試合2カ月前に必ず切り上げてきた。 最年長防衛記録を更新し続ける王者。35歳。練習と休養のバランスが難しい年齢だ。野木トレーナーからは「練習しすぎ。年齢的に疲れがたまるから、試合前はしっかり休んでください」と怒られるほど練習の虫。それだけに、練習してないと言われるのが、どうしても許せなかったのだ。 この日、興毅と1年2カ月ぶりに再会した。亀田家とは因縁が渦巻くだけに、殺伐とした会見になるかと思いきや…。内藤がボケれば、興毅が突っ込む。前述の質問までは、意外にも波長のあった“漫才”が30分以上も繰り広げられた。 もちろん、内心では勝負にかける思いが、過去の防衛戦よりも強い。 「プレッシャーも半端ない。でも、絶対勝つ。絶対負けないと亀田君以上に思っている」 11月29日。興毅に、そしてお茶の間のファンに、練習の成果を見せつける。 (森合正範)
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